Ghost Funk Orchestra 『A Trip To the Moon』
作曲家/マルチ奏者のセス・アップルバウム(Seth Applebaum)率いるNYの9人組サイケ・ソウルバンド、ゴースト・ファンク・オーケストラ(Ghost Funk Orchestra)の2024年新譜『A Trip To the Moon』。よりエキゾチックに、よりサイケデリックに、よりディープに進化したバンドが“月への旅”へと誘う。
2022年作『A New Kind of Love』以来・5枚目のアルバムとなる今作の制作は、セス・アップルバウムが月や宇宙をテーマにした一連の作曲を試みていた頃、アポロ計画管制通信の音声映像がパブリックドメインで公開されていることを彼が見つけた瞬間に大きく前進した。彼はこの音声を楽曲のイントロなどで効果的に用い、アポロ計画が佳境を迎えた1970年頃を思わせるサウンドでリスナーを夢のような未来へと連れてゆく。セス・アップルバウムはギター、ベース、ドラムス、キーボードなど多くの楽器を演奏。そこにトランペットやバリトンサックス、フルートなど各種管楽器が絡み、2人のヴォーカリスト──ミーガン・マンシーニ(Megan Mancini)とロミ・ハノク(Romi Hanoch)──も数曲で力強い声でこの宇宙船を加速させる。
今作のMVは16mmフィルムで撮影されており、70年代のパルプシネマの時代へのオマージュとなっている。
全編にわたり、ローファイで荒々しいバンドサウンドとユーモアのある世界観が魅力的な一枚。
Ghost Funk Orchestra プロフィール
Ghost Funk Orchestra は作曲家/マルチ楽器奏者であるセス・アップルバウムのワンマンレコーディングプロジェクトとして発足した。ライヴでは10人程度の編成となり、セス・アップルバウムは主にギターを演奏する。
音楽性はソウル、ファンク、サイケロック、サルサなどの多様なジャンルから影響を受けていおり、これまでにモントリオール・ジャズなどの大規模なフェスティバルでも演奏を行なっている。地元ニューヨークのブログPost-Trashは、彼らのサウンドを「非伝統的な方法で届けられる伝統的なサウンドの精神的な冒険」と評している。
Ghost Funk Orchestra :
Seth Applebaum – drums, percussion, bass, guitar, organ, clavinet, synthesizer, keyboards, electric piano, vibraphone, all other manner of noisemaking objects
Stephen Chen – baritone saxophone
Romi Hanoch – vocals
James Kelly – trombone
Megan Mancini – vocals
Mike Sarason – flute
Stuart Bogie – bass clarinet, clarinet, flute
Billy Aukstik – flugelhorn, trumpet
Will Marshall – violin, viola