“フォホーの女王”エルバ・ハマーリョ、キャリア通算40枚目のアルバム
なんと、これがキャリア通算40作目とのこと。1951年ブラジル北東部パライーバ州生まれの歌手エルバ・ハマーリョ(Elba Ramalho)の新作『Isso Quer Dizer Amor』は、親しみやすい伝統的なフォホーの素晴らしさを凝縮した作品だ。情熱的でエネルギーに満ちた歌唱は、とても御年72歳とは思えない。
イヴェッチ・サンガロ(Ivete Sangalo)の重要な音楽的パートナーであるジジ・セルケイラ(Gigi Cerqueira)が作曲した(1)「Aqui Nesse Forró」、歌手ジュリエット(Juliette)との共演(3)「Nosso Xote」など、冒頭からメロディーもコードも印象的な曲が続く。フォホーという音楽の典型的な楽曲だが、変に捻りがない分、初めてこのブラジル北東部の伝統的なダンス音楽に触れる人にとってもとても良い作品となっている。
(8)「Quem Sabe Isso Quer Dizer Amor」はマルシオ・ボルジェス(Márcio Borges)とロー・ボルジェス(Lô Borges)の兄弟による楽曲。(9)「Galope Rasante」は従兄弟のゼー・ハマーリョ(Zé Ramalho)との共演。
アルバムは2023年を通して録音・制作され、エルバの息子ルアン・イヴィス(Luã Yvys)がプロデューサーを務めている。“パライーバの花”、“フォホーの女王”の異名で敬愛される彼女はまだまだ衰えを見せることはなさそうだ。