UKジャジー・ソウル新鋭ブライオニー・ジャーマン=ピント、様々な変化を経て深化した5年ぶり2作目

Bryony Jarman-Pinto - Below Dawn

社会や自身の生活の変化を経て深化した2nd『Below Dawn』

2019年のデビュー作『Cage And Aviary』が大絶賛された英国のSSW、ブライオニー・ジャーマン=ピント(Bryony Jarman-Pinto)が待望の2ndアルバム『Below Dawn』をリリースした。パンデミックや自身の出産といった出来事を経験し様々な心境の変化を経て、彼女のサウンドや歌はより落ち着きと深みを増し、進化している。

エレクトリック・ピアノやフルート、ダブルベース、ギター、ドラムスなどによって演奏されるジャジーなバンドに、柔らかなブライオニーの歌声が乗る。心地よいアコースティック編成の6/8拍子の極上の曲(1)「Water Come」に始まり、メロウでソウルフルな(3)「Deep」、アカペラで歌われる(8)「Bathe In Me」や子守唄のような優しさの(9)「Frida-Rae」も印象的だ。

ジャイルス・ピーターソン(Gilles Peterson)の番組、Worldwide FMで披露された(3)「Deep」

リリースは前作に引き続き名門レーベル、Tru Thoughts から。プロデュースはUKジャズシーンを牽引するプロデューサー、“Nostalgia 77”ことベン・ラムディン(Ben Lamdin)が担っている。

Bryony Jarman-Pinto 略歴

ブライオニー・ジャーマン=ピントはロンドンで両親がジャズ・ミュージシャンという家庭に生まれた。8歳の時にイングランド北西部のカンブリア州ペンリスに引越し、そこでは数少ないBAME(人種的マイノリティー)の少女として大きなカルチャーショックを受けたという。

彼女は母親とともに歌のワークショップに参加するなど、音楽に囲まれて育った。子どもの頃、眠りにつくときにはよくジャズを聴くなど、彼女の素養の中核にはジャズの感性が育まれた。

イングランド・ペンリスのアートセンター、ブルージャム・アーツ(BlueJam Arts)でのトム・リア(Tom Leah)、別名ウェルカ(Werkha)との出会いは大きな人生の転機となった。彼はグラスゴーの美術学校で絵画と版画を学んでいたブライオニーに音楽の道に戻るように勧め、一緒に音楽の創作を始めた。ジャジーなエレクトリック・サウンドにブライオニーの声が乗る「Sidesteppin’」はジャイルス・ピーターソンの耳に留まり、コンピレーション・アルバム『Brownswood Bubblers』に収録され注目を集めた。
こうした創作活動が2019年のデビューアルバム『Cage And Aviary』の礎となった。

Bryony Jarman-Pinto - Below Dawn
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