12年のキャリアを持つブラジルのSSWマリ・ジャスカのデビュー作
シンガーソングライター/ギタリストとして12年のキャリアを持つブラジルのマリ・ジャスカ(Mari Jasca)が、自身初のアルバム『Disparada』をリリースした。ブラジルやラテンアメリカの伝統音楽を参照しながら、現代的なサウンドテクスチャに落とし込んだ注目すべき作品に仕上がっている。
全12曲のアルバムには自作の10曲と、キューバの古典をアレンジしポルトガル語で歌う(2)「No Me Llores Más」、そしてMPBの異端児セルジオ・サンパイオ(Sérgio Sampaio, 1947 – 1994)の再解釈(3)「Sinceramente」が含まれている。
曲種もフラメンコの影響が伺える(1)「Nem um passo atrás」、セルタネージョ風な(6)「Tua Coisa」、フォホーの雰囲気を持った(7)「Ladeira do Castro」、キューバの伝統音楽のスタイルを模した(12)「Fueguitos」など、実にバラエティに富んでいる。サウンドはギター、チャランゴ、ベースといった弦楽器からアコーディオン、シンセサイザー、各種打楽器、さらにはプログラミングも駆使。聴きやすい上に内容も良い、素晴らしい作品だ。