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2025年2月

  • 2025-02-08
  • 2025-02-08

南アフリカの新星ロリサン・セシェレ、とてつもなく大きく花開く予感のするデビュー作『The Seed』

南アフリカ・プレトリア生まれの作曲家/シンガー、ロリサン・セシェレ(Rorisang Sechele)が初のアルバム『The Seed』で華々しいデビューを飾った。彼女のプロジェクト「In Full Bloom」は花(とりわけ、蘭)のライフサイクルの各段階にインスピレーションを得ており、歌詞と音で自己発見の本質を捉えている。そのプロジェクト発の最初のリリースである本作では、成長の最初期の段階についての考察を、ジャズ、ソウル、R&Bを巧みに融合したサウンドで美しい物語に仕立て上げた。

  • 2025-02-07
  • 2025-02-08

ルネサンス・ヴァイオリンが導くポーランド 悲劇の歴史の記憶。アダム・バウディヒ新譜『肖像』

アルバムの幕開け(1)「Genesis」で、彼の代名詞となったルネサンス・ヴァイオリンでの輝かしいリコシェのリフレインを聴いた瞬間から、魔法にかかったように音楽の虜になってしまった。これはポーランドのヴァイオリン奏者アダム・バウディヒ(Adam Bałdych)の2025年新譜『Portraits』。“過去と現在の人々、彼自身、そして彼の魂に物語が響き、彼の現実を形作る人々についての物語”をテーマに据えた今作で、アダムはポーランドの歴史にやさしく寄り添う。

  • 2025-02-06
  • 2025-02-05

ポルトの新世代ヴィブラフォン奏者エドゥアルド・カルヂーニョ、豊かな音像の現代ジャズ新譜

ポルトガルの新世代ジャズ・ヴィブラフォン奏者エドゥアルド・カルヂーニョ(Eduardo Cardinho)の3枚目のアルバム『Not far from paradise』は、ジャズ、現代音楽、クラシックといった要素が高次元で融合した知性的な作品だ。7人編成のバンドには特別な才能が集結し、高度な即興のロジックの上に成り立つ自由な実験的精神性が発揮された演奏が繰り広げられる。

  • 2025-02-04
  • 2025-02-02

ピアニスト/SSWマシャ・ガリビアン、偉大な詩人マヤ・アンジェロウに感化された表現力豊かな新譜

アルメニア系フランス人ピアニスト/歌手/作曲家のマシャ・ガリビアン(Macha Gharibian)が、新作『Phenomenal Women』をリリースした。今作は、米国の偉大な詩人/歌手マヤ・アンジェロウ(Maya Angelou, 1928 - 2014)の1987年ロンドンでのスピーチ/パフォーマンスにマシャ・ガリビアンが大きな感銘を受けたことがクリエイティヴなエネルギーの源となっている。タイトルの“驚異的な女性たち”はまさにそのスピーチの中に登場した言葉で、この偉大な女性を讃え、女性たちの戦い──女性が耐え忍ばなければならない暴力、そして性差別や平等に対する戦い──への彼女なりの強い信念を表明している。

  • 2025-02-02
  • 2025-02-02

ノルウェー発ジャズ・プログレ、Krokofant。象と鰐のキメラな濃厚バンド最新作

ノルウェーのプログレッシヴ・ジャズバンド、クロコファント(Krokofant)の6枚目のアルバム『6』。彼らのアルバムはもうずっとこんな感じの安易なネーミングで、それがバンドの価値を貶めてしまっていないか心配になるが、音楽自体は紛れもなく本物。70年代のプログレやジャズロックに強く影響された最高に熱い作品だ。

  • 2025-02-01
  • 2025-05-11

イスラエル・ジャズ若手代表格の人気ピアノトリオ、GTO Trio 待望の新作『Within』

ピアノのガディ・レハヴィ(Gadi Lehavi)、ダブルベースのタル・マシアハ(Tal Mashiach)、ドラムスのオフリ・ネヘミヤ(Ofri Nehemya)という現代イスラエル・ジャズ最高峰の若手3人によるピアノトリオ、GTO Trio が新作『Within』をリリースした。10年以上にわたるコラボレーションの中でトリオとしてのアルバムはこれまでに2018年の『From the Road』のみだったが、それぞれがリーダーとして、あるいはプレイヤーとして世界中の様々なミュージシャンらと共演してきた経験を再び長い友情の中に持ち込み、それぞれの成長を反映させたような素晴らしい作品となっている。