Naledi 2nd EPのテーマは「孤独」あるいは「独りでいること」
南アフリカ・ヨハネスブルク出身、現在はニューヨークで活動するシンガーソングライター、ナレディ(Naledi)の2nd EP『Darkness, my old friend.』は、アルバムの標題としてもその歌詞を引用するサイモン&ガーファンクル(Simon & Garfunkel)のカヴァー(1)「Sounds of Silence」で幕を開ける。テーマは“孤独(Loneliness)”と、“独りでいること(Aloneness)”の違い、あるいはその両方について。
(2)「Lonely」はアルバムの核である「孤独(Loneliness)」という感情をもっともストレートに、かつ美しく描き出した楽曲だ。ミニマルなサウンドに乗せて、彼女は孤独を単なる“悲しい状態”としてではなく、“自分自身を見つめ直すための神聖なプロセス”として提示する。 歌詞の中では、ニューヨークという異郷の地で誰にも頼れず、自分の内面と向き合わざるを得なかった彼女のリアルな心情が反映されている。
物寂しげなコラの音色も印象的な(3)「Aliens」も良い。南アフリカからの移民である彼女が感じる社会的な疎外感が表現されており、何にも属していないような浮ついた感じがありつつも、そのヴォーカルからは精神的な自立と強さも兼ね備えた印象を感じさせる。
先行シングルとしてリリースされた(4)「A Joyous Time of Year (Christmas Time)」は、アフリカ出身の彼女が初めてアメリカのニューヨークで過ごした、凍えるように寒く孤独だったクリスマスの経験に基づいている。「アフリカ人の視点から書かれたクリスマスソングが見当たらなかった」という動機から作曲された曲で、南アフリカの夏に行われる賑やかなクリスマスと、アメリカの冬の静かなクリスマスの対比が描かれる。
(5)「Meadows」で彼女は「私たちがこの地球上で送っているのは、どんな人生なのか?」という問いを投げかける。ズールー語やコサ語も交えた歌詞と力強くソウルフルな歌声で、自身の内面や祖先、創造主にスピリチュアルに語りかける。
Naledi 略歴
ナレディ(本名:Naledi Masilo)は 南アフリカ・ヨハネスブルグ東部のデボニアン出身のジャズ・ヴォーカリスト/作曲家/教育者。幼少期より地元の合唱団で歌い始め、プレトリア大学でジャズを学んだ後、フルブライト奨学生としてニューヨークのマンハッタン音楽学校へ留学した。ジャズの伝統に南アフリカのルーツ、ダンス、スポークン・ワードを融合させた独創的なスタイルで知られ、7ヶ国語以上を操る多言語での表現を特徴としている。
2024年にデビューEP『Batho』をリリースし、南アフリカのMzantsi Jazz Awardsにて「最優秀新人賞」や「最優秀女性ジャズアーティスト」を含む4部門にノミネートされるなど、国際的に高い評価を得た。現在はニューヨークを拠点に、ジョン・F・ケネディ・センターなどの著名なステージでパフォーマンスを行う傍ら、南アフリカのジャズ史やレパートリーを教える教育者としても活動している。2026年2月には、孤独と自己探求をテーマにしたEP『Darkness, my old friend.』を発表し、現代ジャズシーンにおいて注目される存在となっている。