- 2023-11-02
- 2023-11-02
”ベルギー・ジャズ最大の秘密”Hijaz、ストリングス・トリオを加え更に進化した新譜
アラブ音楽の旋法のひとつとして知られる「ヒジャズ」をグループ名に冠したベルギーのジャズ・カルテット、Hijaz。ウードとピアノの対話を軸にした音楽性が「間違いなく、ベルギーのワールド・ミュージック・シーンの最大の秘密のひとつ」と称される彼らが、ストリングス・トリオを伴って新作『Hijaz + Strings』をリリースした。
アラブ音楽の旋法のひとつとして知られる「ヒジャズ」をグループ名に冠したベルギーのジャズ・カルテット、Hijaz。ウードとピアノの対話を軸にした音楽性が「間違いなく、ベルギーのワールド・ミュージック・シーンの最大の秘密のひとつ」と称される彼らが、ストリングス・トリオを伴って新作『Hijaz + Strings』をリリースした。
アルバニア出身の歌手エリーナ・ドゥニ(Elina Duni)、ロンドンのギタリストのロブ・ラフト、ピアノとドラムスを担当する同じくロンドンのフレッド・トーマス、そしてスイス出身のフリューゲルホルン奏者マチュー・ミシェルの4人による新作『A Time to Remember』がリリースされた。移民が置かれた状況をテーマとしその音楽的豊かさから絶賛された前作『Lost Ships』と同じメンバーで、アルバニアの伝統音楽にインスパイアされたオリジナル曲を深い叙情を湛え描く。
フランスのクレズマー・クラリネット奏者ヨム(Yom)は、2021年の傑作『Celebration』と同じくピアニストのレオ・ジャセフ(Léo Jassef)とデュオを組んだ新作『Alone in the Light』で、歴史の影を背負い生きる人々の孤独に焦点をあてる。
スペインのピアニスト、シャビ・トーレス(Xavi Torres)は、パンデミックによるロックダウンの最中、創造性を保つために1ヶ月間、毎日1曲ずつ曲を書いた。“検疫の曲たち”を表す今作『Quarantena Songs』は、それらの30曲の中から14曲(サブスクでは12曲を聴くことができる)を選び、2つのトリオで演奏した作品だ。
ドイツのジャズチャートで4ヶ月連続トップになるなど絶賛されたニルス・ラングレン率いる“4WD”(四輪駆動)プロジェクトの前作『4 Wheel Drive』(2019年)から4年。北欧ジャズの巨人たちによる第二弾『4 Wheel Drive II』がリリースされた。今作ではポール・サイモンやエルトン・ジョンといった往年の名曲を取り上げつつ、オリジナル曲の比重も増やしている。
欧州を代表するプログレバンド Magmaで活躍したドラマー/ピアニスト、シモン・グーベル(Simon Goubert)とセネガルのグリオの系譜のコラ奏者アブライエ・シソコ(Ablaye Cissoko)の二人によるプロジェクトが、これまでも強力なサポートを受けてきたピアニストのソフィア・ドマンシッチ(Sophia Domancich)そしてコントラバス奏者のジャン=フィリップ・ヴェレ(Jean-Philippe Viret)らを正式にメンバーとして迎え、バンド名:アフリカン・ジャズ・ルーツ(African Jazz Roots)として始動。
各地の民族音楽と呼ばれる特徴的な旋律やリズムを音楽の中に取り入れ、独自の音楽性を築いてきたフランスのジャズ・ピアノトリオ、EYM Trio。新作『Bangalore』ではインドの歌手/フルート奏者のヴァリジャシュリー・ヴェヌゴパル(Varijashree Venugopal)を全面的に迎え、彼らの創作の独自の魅力を強力にアピールする好盤となっている。
ジョン・バティースやドリーム・シアター、アリジット・シンやカミラ・メサなど豊富な共演歴を誇るイタリア出身のヴァイオリニスト、ルドヴィカ・ブルトーネ(Ludovica Burtone)のデビュー作『Sparks』。弦楽四重奏での優雅なジャズヴァイオリンが聴けたかと思えば、突如フリージャズやブラジル音楽も顔を覗かせるなど多彩な音楽性が楽しい注目の作品だ。
ジャケット絵に驚いて聴かずにスルーしてしまうのはあまりに勿体ない。これはフィンランドの現代ジャズシーンを代表するピアニスト、アキ・リッサネン(Aki Rissanen)の2023年新譜『Hyperreal』。同郷トランペット奏者ヴェルネリ・ポーヨラ(Verneri Pohjola)と、トルコ出身ドラマーのロバート・メメット・イキズ(Robert Mehmet Ikiz)を迎えた今作で、知的で情熱的なサウンドスケープを繰り広げる。
フランスのピアニスト/作曲家ナタリー・バラリーニ(Nathalie Ballarini)のアルバム『Pleinair』は、エリック・サティなどのクラシック音楽や民族音楽、ロックやプログレ、フィリップ・グラスなどのミニマル音楽といった幅広い影響がうかがえるジャズ・ピアノトリオ作品だ。
フランスのベーシスト、ピエール・ブサゲ(Pierre Boussaguet)とイタリア出身のピアニスト、ジョヴァンニ・ミラバッシ(Giovanni Mirabassi)の珠玉のデュオ作『Duo』。二人のオリジナルのほか、(6)「My funny Valentine」や(10)「La vie en rose」といったスタンダードも交えリラックスした演奏を聴かせてくれるジャズの絶品だ。
米国出身のドラマー/パーカッション奏者ジョン・ハドフィールド(John Hadfield)が、グレゴリー・プリヴァ、クリス・ジェニングスというパリのジャズシーンで最高峰の二人を迎え、新作『Drum of Stories』をリリースした。近年、ナナ・ヴァスコンセロスやコリン・ウォルコットが演奏していた楽器を入手した彼の楽器や音楽への想いが凝縮されたアルバムだ。
ベトナム系フランス人ギタリスト、グェン・レ(Nguyên Lê)の新生トリオによる新作『Silk and Sand』。ベースにカナダ出身のクリス・ジェニングス(Chris Jennings)、パーカッションにモロッコ出身のラーニ・クリージャ(Rhani Krija)という俊英を迎え、アジアのテイストが感じられる彼らしい特別なギタージャズ/フュージョンを展開する。
今回紹介するのはスウェーデンの“ジャズ・アンサンブル”、オーガニック・パルス・アンサンブル(Organic Pulse Ensemble)の『Formative Stages』というアルバム。粘るアップライト・ベースに空間を作るパーカッションとドラムスの上で、サックスやフルート、ピアノなどが自在に舞う、トランシーで音に酔えるタイプの心地よいジャズ。素晴らしい作品だが、調べていくうちに驚くべき事実にぶち当たってしまった。