- 2026-01-23
- 2026-01-21
卓越したフラメンコギターの伝統と情熱を受け継ぎ、未来へ発散するフラスキート新譜
ロマ(ジプシー)の家系に生まれ育ったスペインのギタリスト、フラスキート(Fraskito)の新作『Camino de Agua』は、卓越した演奏技術に裏付けされた伝統的なフラメンコを基盤としつつ、そこに留まらない未来志向を感じさせる傑作だ。マヌーシュ・ジャズやラテン、ジャズの要素も取り込んだ新しい時代を目指そうとする彼の音楽の真髄を垣間見せる。
スペイン音楽
ロマ(ジプシー)の家系に生まれ育ったスペインのギタリスト、フラスキート(Fraskito)の新作『Camino de Agua』は、卓越した演奏技術に裏付けされた伝統的なフラメンコを基盤としつつ、そこに留まらない未来志向を感じさせる傑作だ。マヌーシュ・ジャズやラテン、ジャズの要素も取り込んだ新しい時代を目指そうとする彼の音楽の真髄を垣間見せる。
メキシコのSSW、シルバナ・エストラーダ(Silvana Estrada)の2ndアルバムとなる新作『Vendrán Suaves Lluvias』は、前作『Marchita』がラテングラミー賞の栄誉に輝いた後の予期せぬ困難を乗り越えて制作・リリースされた。アルバムタイトルに冠せられた”やわらかな雨が降る”の言葉には、彼女が3年間自分を見失い、”再び人生を愛する”までの不完全で激しい嵐の道程が隠されている。
欧州を代表する音楽家の二人──カタルーニャのシルビア・ペレス・クルス(Sílvia Pérez Cruz)と、ポルトガルのサルヴァドール・ソブラル(Salvador Sobral)による初のデュオ・アルバム『Sílvia & Salvador』がリリースされた。収録は全曲がドラムスもベースもいない編成で、アコースティックのギターやマンドリン、チェロといった弦楽器を中心に、美しいハーモニーを聴かせるヴォーカルの二人にぴったりと寄り添うオーガニックな演奏がどこまでも魅力的だ。
カタルーニャを代表するシンガー、ジュディット・ネッデルマン(Judit Neddermann)と、これまでも彼女の作品にプロデュースや演奏で関わってきたギタリストのパウ・フィゲレス(Pau Figueres)による初の相当名義のアルバム『Judit Neddermann & Pau Figueres』。おそらくは現在のカタルーニャの音楽シーンにおいて感性、テクニックともにもっとも優れた音楽家の二人による、“シンプルで、最高に贅沢な”作品だ。
スペイン・バルセロナの女性6人組バンド、マルハ・リモン(Maruja Limón)の新作『Te Como la Cara』。今作は2024年の3月と10月にリリースされた2枚のEP『Te como la cara (A)』『Te como la cara (B)』を統合した完全版という位置付けで、ルンバ・カタルーニャやフラメンコを基調としながらヒップホップやキンキ1文化を取り入れた所謂“バルセロナ・ミクスチャー2”の系譜に連なるアルバムとなっている。
バルセロナのジプシー・ブラスバンド、バルカン・パラダイス・オーケストラ(Balkan Paradise Orchestra, BPO)。誰もが踊りたくなるような力強いバルカン・ブラスに、女性のみの大編成というビジュアルの華やかさも相まって度々SNSでも話題となる彼女らの2024年『Nèctar』は、確固たるバルカンの伝統と実験的な現代性の同居する稀有なバンドによるジプシー・ブラスの傑作だ。
デュオとしてのデビュー作『Rosa de los Vientos』(2022年)が話題となったギタリストのメロン・ヒメネス(Melón Jiménez)とバンスリ奏者ララ・ウォン(Lala Wong)の異色デュオによる新譜『Confluencias』がリリースされた。名義はメロン・ヒメネス単独だが、実質はララ・ウォンとの双頭作品で、今作ではエレクトロニックの要素もほどほどに加えた魅力的なエスニック・フラメンコが展開される。
ウルグアイ出身のギタリスト/作曲家ベレード(Beledo)の新譜『Flotando en el vacio』。スペイン出身のフルート奏者ホルヘ・パルド(Jorge Pardo)、同じくスペイン出身ベーシストのカルレス・ベナベント(Carles Benavent)──この二人はパコ・デ・ルシア(Paco de Lucía)の傑作『Solo quiero caminar』(1981年)に共に参加している──、そしてイスラエル出身で2023年に伝説的ジャズロック・バンドのソフト・マシーン(Soft Machine)に加入したドラマー、アサフ・サーキス(Asaf Sirkis)をコアバンドとしたジャズロック/フュージョン好きには堪らない作品だ。
スペインを代表する歌手シルビア・ペレス・クルス(Sílvia Pérez Cruz)の新作『Lentamente』は、アルゼンチン最高のギター弾きのひとりであるフアン・ファルー(Juan Falú)との至上のデュオ作品となった。多くがアルゼンチンの作曲家たちの名曲のカヴァーで、一部にはブラジルの音楽、そして二人のオリジナルも1曲ずつ収録されている。
コロンビアを代表する女性シンガーソングライター、マルタ・ゴメス(Marta Gómez)による新作『Seré Guitarra』がリリースされた。子供時代のインスピレーションをもとにしたという純真な感性に満ちた作品となっており、オリジナル曲には世界を変えることはできないかもしれないが、少なくともそれを試みようという詩的なメッセージが散りばめられている。
世界的に有名なスペイン・バルセロナの青少年ジャズバンド、サン・アンドレウ・ジャズバンド出身のベーシスト/歌手/作曲家マガリ・ダッチラ(Magalí Datzira)が新作『La salut i la bellesa』をリリースした。アルバムは全17曲40分というボリュームで、その中にはジャズやエレクトロ・ポップ、ヒップホップ、地中海の伝統音楽など様々なスタイルが宝石箱のように詰め込まれ、彼女の溢れ出る瑞々しい才能をさりげなく、誇らしげに示している。
バルセロナの青少年ジャズバンド、サン・アンドレウ・ジャズバンド(Sant Andreu Jazz Band)出身の若きスターの一人、シンガーソングライター/トロンボーン奏者のリタ・パイエス(Rita Payes)が新作『De camino al camino』をリリースした。アーティストとして常に進化を続ける彼女は、耳心地のよい従来作との安易な比較を拒むほど独特のファンタジーな音楽観で、世界中のリスナーを魅了する。
この奇跡的なデュオが、ここまで長く作品を発表し続けてくれるとは思っていなかった。ミシェル・カミロ(Michel Camilo)とトマティート(Tomatito)、ラテンやブラジル、ジャズの数多の名曲たちを超絶技巧のピアノとギターで聴かせてきた2人の最新作のタイトルは『Spain Forever Again』。もうずっと何とも微妙なタイトルとジャケット・アートのセンスは変わらないが、中身の音楽に関していうとやはりこの2人は特別だ。四半世紀の間、ずっと、特別なままだ。
ビセンテ・アミーゴ(Vicente Amigo)はずっとフラメンコギターのもっともリスペクトされる第一人者であり続けている。2017年の『Memoria de los Sentidos』以来、実に7年ぶりとなる新譜『Andenes del Tiempo』は巨匠の域に達したビセンテの音楽をたっぷりと堪能できる作品だ。伝統的なフラメンコも、ジャズの影響も、そしてより革新的なハーモニーを探求した楽曲もといったように多様性に富み、彼が第一線であり続ける揺るぎない理由がわかる。