• 2023-08-22
  • 2023-08-22

ジャズ/プログレのエイタン、クラシックのナタリー。コロナ禍でNYのピアニスト男女が急接近

パンデミックが最高潮に達した頃、ともにニューヨーク・マンハッタンに住む二人のピアニスト、エイタン・ケネル(Eitan Kenner)とナタリー・テネンバウム(Natalie Tenenbaum)はInstagramを通じてお互いの活動を知り、2020年8月に交際を開始した。ジャズ/プログレ畑のエイタンと、クラシック畑のナタリーだったが、二人はすぐにイスラエル・テルアビブの同じ高校の出身だということに気づき、それだけでなく音楽や黒人教会への同じ情熱を持っていることを知った。

  • 2023-08-21
  • 2023-08-20

オリエンタルの風を纏い、トルコから羽ばたく女性ジャズ・ピアニスト。Eda And デビュー

トルコ出身・ドイツ在住のピアニスト、エダ・アンド(Eda And)。彼女のデビュー作『Augmented Life』(2018年)は、そのタイトル“拡張された人生”が示すとおり、トルコの民族音楽や西洋のクラシック音楽を大胆に取り入れつつもジャズの魅力を損なわない優れた作品だ。全7曲中、フレデリック・ショパンの「幻想即興曲」を下敷きに彼女がアレンジした(5)「Jazz Fantasie」を除くすべてがエダ・アンドの作曲。

  • 2023-08-20
  • 2023-08-20

人生を深く考察する社会派SSWイザベラ・ブレッツ、情報過多の時代に癒しをもたらす新譜

ブラジルのシンガーソングライター、イザベラ・ブレッツ(Isabella Bretz)と鍵盤奏者ホドリゴ・ラナ(Rodrigo Lana)の共同名義のアルバム『Cabeça Fora D'Água』が美しい。二人の共作である(10)「Cabeça Fora D'Água」を除く全曲がイザベラ・ブレッツの作詞作曲。情報過多・不確実な時代に生きる人々に癒しをもたらし、人間らしい生活とは何かを考えさせてくれる10の優れた楽曲が収録されている。

  • 2023-08-18
  • 2023-08-17

ジョー・アルターマン、優しく美しいソロピアノ・アルバム『Solo Joe: Songs You Know』

ジョージア州アトランタ出身、ニューヨークで活動するピアニストのジョー・アルターマン(Joe Alterman)による初のソロピアノ作品『Solo Joe: Songs You Know』は、オーソドックスだが、だからこそ心地良い音が詰まった絶品のアルバムだ。全15曲はどれもが英語圏の有名な歌のカヴァーで、聴いたことがある曲も多いはず。

  • 2023-08-16
  • 2023-08-14

アンブローズ・アキンムシーレによる神懸り的トランペット独奏。新譜『Beauty is Enough』

米国のトランペット奏者アンブローズ・アキンムシーレ(Ambrose Akinmusire)が自身のレーベルからリリースした新作『Beauty is Enough』は、現代ジャズ最高峰のトランペッターの“独り言”、つまり完全なソロ・トランペットのアルバムだ。特殊な奏法も駆使しつつ瞑想的に奏でられる全16曲は、トランペットという楽器が持つ無限の魅力に気付かせてくれる。

  • 2023-08-15
  • 2023-08-15

【特集】The Alchemistが認めた新星・Sideshowを形作るアンダーグラウンドHipHopの今

8月。新進気鋭のラッパー、Sideshow(サイドショー)の新作がリリースされた。現在のHipHopシーンを席巻するトラップとは一線を隠す彼の硬派なラップミュージックの背景に存在するアンダーグラウンドHipHopの重要人物の数々。本稿ではSideshowの新作『2MM DON'T JUST STAND THERE!』の紹介とともに、触れるべきアンダーグラウンドHipHopの今を体現する関連アーティストを紹介。

  • 2023-08-14
  • 2023-08-14

北アフリカ、中東、西洋を繋ぐ華麗なるオーケストラ。モロッコ出身ウード奏者モハメド・アハダフ新譜

アラブ音楽やアンダルシア音楽に精通するモロッコ出身のウード奏者/作曲家モハメド・アハダフ(Mohamed Ahaddaf)の通算4枚目のアルバム『Ana W'inta』がリリースされた。2019年に加入した中東や北アフリカ音楽を専門とするオランダ・アムステルダム拠点のマルムーシャ・オーケストラ(Marmoucha Orchestra)とともに作り上げた作品で、15人ほどの豊かなアンサンブルで個性的なアラビック・ジャズを聴かせてくれる興味深い作品だ。

  • 2023-08-13
  • 2023-08-11

文化としてのジャズを継承する女性サックス奏者レイクシア・ベンジャミン、大事故からの復帰作

ニューヨークのサックス奏者、レイクシア・ベンジャミン(Lakecia Benjamin)の2023年1月リリースの新譜『Phoenix』。プロデューサーにテリ・リン・キャリントン(Terri Lyne Carrington)を迎え、さらにジョージア・アン・マルドロウ(Georgia Anne Muldrow)やダイアン・リーヴス(Dianne Reeves)といったゲストも参加した渾身の作品だ。

  • 2023-08-12
  • 2023-08-12

豊かな南米音楽が凝縮されたフルート、ギター、パーカッションの多国籍トリオ作『Dímelo』

チリの打楽器奏者ルイス・バルエト(Luis Barrueto)、ブラジルのフルート/クラリネット奏者アリーネ・ゴンサウヴェス(Aline Gonçalves)、そしてペルーのギタリストのセルヒオ・バルデオス(Sergio Valdeos)による潤いのあるアコースティック・アンサンブル『Dímelo』。トリオによって生み出される音は複雑なアレンジと演奏をシンプルに届けてくれる。

  • 2023-08-11
  • 2023-08-11

南アフリカの鍵盤奏者ボカニ・デイヤーが示す、世界の未来への力強い道標『Radio Sechaba』

現代の南アフリカのジャズシーンにおいて既に最も重要な鍵盤奏者として位置付けられているボカニ・ダイアー(Bokani Dyer)。彼の出身である南部ソト語で“社会”、“国家”を表す「Sechaba」という言葉をタイトルに冠した新作『Radio Sechaba』で、南アフリカとはなにか、という社会的なテーマに対し多様なアプローチで解釈を示してゆく。

  • 2023-08-10
  • 2023-08-10

現代地中海ジャズの最高峰!アヴィシャイ・ダラシュが提示する高次元の“異国音楽体験”

アンダルシア、北アフリカ、中東といった地中海を取り囲む地域の豊かな伝統音楽と西洋のクラシック音楽がジャズという言語のもと、最高のレベルで出会った作品と言っても過言ではないだろう。イスラエル出身、オランダ・アムステルダムを拠点に活動するアヴィシャイ・ダラシュ(Avishai Darash)が、彼が芸術監督を務めるマルムーシャ・オーケストラ(Marmoucha Orchestra)を率いて録音したアルバム『Andalusian Love Song』。それぞれ出自の異なる15名の個性的な音楽家たちによる祝祭の饗宴。

  • 2023-08-09
  • 2023-08-05

夏を彩るブラジル発の超絶良質音楽。レオ・ミデア新譜『Gente』

サンバやボサノヴァ、トロピカリアなどブラジルのオールドスクールを現代の感性でアップデートしたリオデジャネイロ出身の気鋭SSWレオ・ミデア(Leo Middea)の5thアルバム 『Gente』が素晴らしい。ブラジルらしい洗練されたリズムやハーモニーの感覚、オーガニックなヴォーカルやアンサンブル、さりげなく効果的に加えられたエレクトロニック。今ブラジルやヨーロッパで人気のアーティストだ。

  • 2023-08-08
  • 2023-08-07

アフリカ発の洗練されたJazzy R&B。JazzZ & Tenten『Absinthe』

ナイジェリアのヴォーカリストJazzZと、ジンバブエのプロデューサーTentenの共同プロジェクトによる初のリリース『Absinthe』。ジャズ、R&B、ヒップホップ、ソウルなどの影響がバランスよく織り込まれたそれぞれ短めの14のトラックはどれも清涼で洗練されており、心地よい時間へとリスナーを誘う。