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フルート

  • 2025-01-02
  • 2025-01-02

フランスのフルート奏者リュディヴィーヌ・イッサンブール、名手たちを迎えたファンク・パーティ

フランスの気鋭フルート奏者、リュディヴィーヌ・イッサンブール(Ludivine Issambourg)が贈る熱いジャズ・ファンク新譜、『Above The Laws』。アルバムのタイトルには史上最高のジャズ・フルート奏者ヒューバート・ロウズへの最大限のリスペクトが込められている。バンドにはエリック・レニーニ、ニルス・ラングレン、シャソールといったヨーロッパを代表する錚々たる面子が名を連ね、一大ファンク・パーティーの様相を呈している。

  • 2024-12-17
  • 2024-12-16

洋の東西からアンダルシアに流れ着き、そこで混ざり合った音楽の現在地。メロン・ヒメネス『Confluencias』

デュオとしてのデビュー作『Rosa de los Vientos』(2022年)が話題となったギタリストのメロン・ヒメネス(Melón Jiménez)とバンスリ奏者ララ・ウォン(Lala Wong)の異色デュオによる新譜『Confluencias』がリリースされた。名義はメロン・ヒメネス単独だが、実質はララ・ウォンとの双頭作品で、今作ではエレクトロニックの要素もほどほどに加えた魅力的なエスニック・フラメンコが展開される。

  • 2024-12-03
  • 2024-12-02

ウルグアイのギター・ヒーロー、ベレードが贈る2024年のジャズロック

ウルグアイ出身のギタリスト/作曲家ベレード(Beledo)の新譜『Flotando en el vacio』。スペイン出身のフルート奏者ホルヘ・パルド(Jorge Pardo)、同じくスペイン出身ベーシストのカルレス・ベナベント(Carles Benavent)──この二人はパコ・デ・ルシア(Paco de Lucía)の傑作『Solo quiero caminar』(1981年)に共に参加している──、そしてイスラエル出身で2023年に伝説的ジャズロック・バンドのソフト・マシーン(Soft Machine)に加入したドラマー、アサフ・サーキス(Asaf Sirkis)をコアバンドとしたジャズロック/フュージョン好きには堪らない作品だ。

  • 2024-11-19
  • 2024-11-19

伊巨匠エンリコ・ピエラヌンツィ、若き俊英フルート奏者率いるトリオとの共演新譜『Heroes』

イタリアの巨匠ピアニスト、エンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi)が、同国の若き俊英フルート奏者アルド・ディ・カテリーノ(Aldo Di Caterino)との共演作『Heroes』をリリースした。アルバムにはバンドのメンバー4人それぞれが持ち寄ったオリジナルが収録され、イタリアを代表するベテランと若手トリオという世代を超えた素晴らしいジャズ・アンサンブルを楽しむことができる好盤となっている。

  • 2024-11-16
  • 2024-11-16

ロンドン発!優れた作曲とアンサンブルで聴かせる本格派ショーロバンド、Alvorada 新譜

イギリス・ロンドンを拠点とするバンド、アルヴォラーダ(Alvorada)。5人のメンバーで構成される彼らは、ショーロを中心としたブラジル由来の高揚感溢れる音楽を現代のロンドンの視点から捉え演奏する。2019年のデビュー作『First Light』以来の2枚目となる今作『Faz Tempo』ではほとんどをオリジナル曲でまとめ、ハーモニーもリズムもより複雑に洗練され、まさにブラジルの風を運ぶような優れた作品となっている。

  • 2024-08-27
  • 2024-08-27

古今東西の詩人たちにインスパイアされた究極的スピリチュアル・フォーク。ルカ・クプロフスキー新作

カナダのシンガーソングライター、ルカ・クプロフスキー(Luka Kuplowsky)による、江戸時代後期の禅僧/詩人・良寛(Ryōkan Taigu, 1758 - 1831)をはじめとした世界各地の詩人たちにインスパイアされた新作『How Can I Possibly Sleep When There is Music』。ザ・リョウカン・バンド(The Ryōkan Band)と名付けられたバンドによる静謐で哲学を感じさせるバンドサウンドと、ルカ・クプロフスキーと女性歌手フェリシティ・ウィリアムス(Felicity Williams)による男女ヴォーカルが詩的な世界へと連れていってくれる素晴らしい作品だ。

  • 2024-07-25
  • 2024-07-24

Auster Loo、アフリカ、西洋、中東から日本までをも包む多国籍民族ジャズ

2016年に打楽器奏者シモン・ルルー(Simon Leleux)とフルート奏者リディー・トナール(Lydie Thonnard)の二人でアルバム『Rhythm and Breath』でデビューしたベルギーのデュオ、Auster Loo が多様なバックグラウンドを持つミュージシャンたちを迎えて制作した2ndアルバム 『Collective』をリリースした。アフリカから西洋、東洋まで、無国籍で混ざり合った豊かな音楽が楽しめる優れたワールドミュージック×ジャズの作品だ。

  • 2024-05-24
  • 2024-05-23

中東の葦笛ネイとエレクトロが融合したアンビエントジャズ。イツァーク・ヴェントゥーラ『Ein-Sof』

イスラエルのネイ奏者、イツァーク・ヴェントゥーラ(Itzhak Ventura)の新作『Ein-Sof』。プロデューサー/シンセサイザー奏者リジョイサー(Rejoicer)を迎え、エレクトロ・アンビエントな音像に溶け込むようなスピリチュアルなネイの演奏を聴くことができる。

  • 2024-04-13
  • 2024-04-17

燃え尽きたシャバカ、サックスを置き尺八を手に新たな表現を試みた衝撃作『美を知覚し、恵みを認識する』

シャバカ・ハッチングス(Shabaka Hutchings)の新しいアルバムだと思って聴き始めたから、正直に言うとかなり驚いた。テナーサックスの音を待ち構えていたところに聴こえてきたのは、クラリネットの美しく温もりのある、悲しい音だった。人気バンドを率い、わくわくするような新世代のジャズを聴かせてきてくれた彼は、今作から名義をシャバカ(Shabaka)と変え、代名詞だった力強いテナーサックスを静かにケースに仕舞い、代わりの楽器としていくつかの笛を手に取ったようだ。

  • 2023-12-11
  • 2023-12-11

フランスを代表する女性サックス奏者ソフィー・アルール、自己の内面を深く探求する9枚目のアルバム『Le temps virtuose』

フランスのサックス/フルート奏者ソフィー・アルール(Sophie Alour)の9枚目のスタジオ・アルバム『Le temps virtuose』に派手さや分かりやすさはない。サックス、ギター、チェロ、ドラムスという編成も珍しいし、ジャズらしいスウィングもない。リズムはあるが、それを強力に推進するグルーヴも希薄。それでも不思議とどこか惹かれるものがあり、ふとしたときに自然と再生してしまうような類のアルバムだ。

  • 2023-10-08
  • 2024-09-16

新時代のJazzがここにある。EYM Trioとヴァリジャシュリー・ヴェヌゴパルが贈る鮮烈な音楽体験

各地の民族音楽と呼ばれる特徴的な旋律やリズムを音楽の中に取り入れ、独自の音楽性を築いてきたフランスのジャズ・ピアノトリオ、EYM Trio。新作『Bangalore』ではインドの歌手/フルート奏者のヴァリジャシュリー・ヴェヌゴパル(Varijashree Venugopal)を全面的に迎え、彼らの創作の独自の魅力を強力にアピールする好盤となっている。

  • 2023-09-29
  • 2023-09-29

マリアナ・ズヴァルギとヨハネス・フォン・バレストレーム。リオとベルリンの音楽家の情熱的デュオ

イチベレ・ズヴァルギ(Itiberê Zwarg)の娘として知られ、現代ブラジル音楽の最重要フルート奏者であるマリアナ・ズヴァルギ(Mariana Zwarg)と、ドイツのピアニスト、ヨハネス・フォン・バレストレーム(Johannes Von Ballestrem)のデュオ・アルバム『Tightrope Dancer』は、クラシック音楽をベースにした気品あるジャズといった印象の良盤だ。

  • 2023-08-12
  • 2023-08-12

豊かな南米音楽が凝縮されたフルート、ギター、パーカッションの多国籍トリオ作『Dímelo』

チリの打楽器奏者ルイス・バルエト(Luis Barrueto)、ブラジルのフルート/クラリネット奏者アリーネ・ゴンサウヴェス(Aline Gonçalves)、そしてペルーのギタリストのセルヒオ・バルデオス(Sergio Valdeos)による潤いのあるアコースティック・アンサンブル『Dímelo』。トリオによって生み出される音は複雑なアレンジと演奏をシンプルに届けてくれる。