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イスラエル

  • 2023-07-14
  • 2023-07-13

テルアビブ発のブラジリアン・サイケ!話題のMoriah Plaza デビュー作

イスラエルはかねてより、ブラジル音楽の受容が盛んな国だった。90年代、少年時代をテルアビブで過ごしたタミル・チェン(Tamir Chen)とムーシュ・ラハヴ(Moosh Lahav)は街で流れるサンバやボサノヴァなどのブラジル音楽に魅了され心酔した。その後ベルリンに拠点を移した二人が、ブラジル出身の二人のアーティストと出会い生まれたのがこのMoriah Plaza。彼らのデビュー作には踊るための音楽が詰まっている。

  • 2023-07-09
  • 2023-07-08

心の栄養になる上質な音楽。エルサレムのオーガニックなバンド、Tiyul デビュー作『Shibolim』

シンガーソングライター/ギタリストのオムリ・ポラット(Omri Porat, ヘブライ語:עומרי פורת)を中心にイスラエルのエルサレムで結成されたグループ、ティユル(Tiyul)のデビュー作『Shibolim』が最高に心地いい。バンドは4人で、オムリ・ポラットによるガットギターとヴォーカルのほか、フルート、ダブルベース、パーカッションという編成。木漏れ日のような温かくオーガニックなアンサンブルは音楽的に非常に洗練されており、リラックスの極致を味わわせてくれる。

  • 2023-07-02
  • 2023-09-10

驚くべき音楽の“視点”。イスラエルの気鋭ピアニスト/作曲家ウリエル・ヘルマン新作『Different Eyes』

「私たちは皆、一対の目をもっているが、“見る”ということには無数のレイヤーがあります」イスラエルのピアニスト、ウリエル・ヘルマン(Uriel Herman)は語る。「視界に入るだけのこともあれば、意識的に見るものを選ぶこともできる。私たちの記憶や夢は、それらに訪れる度に異なる色で描かれるがゆえに、どの瞬間も内側と外側を見ることで特別な意味が与えられるんだ」

  • 2023-06-24
  • 2023-06-24

旧友リオーネル・ルエケ全面参加!ヨセフ・ガトマン新譜は彼の優しさが滲み出る傑作

現代イスラエル・ジャズシーンを代表するベーシスト/作曲家、ヨセフ・ガトマン・レヴィット(Yosef Gutman Levitt)新譜 『Soul Song』は、これまでバンドを組んできたオムリ・モール(Omri Mor, p)とオフリ・ネヘミヤ(Ofri Nehemya, ds)に加え、バークリー時代の旧友であるギタリストのリオーネル・ルエケ(Lionel Loueke)を加えた超豪華カルテットでの作品となった。

  • 2023-06-17
  • 2023-06-16

イスラエル随一の木管奏者ギラッド・ローネン、インド音楽まで取り入れた新作『Reflections』

イスラエル出身のマルチ木管奏者、ギラッド・ローネン(Gilad Ronen)による自身3作目のリーダー作『Reflections』。3管含む最大9名のアンサンブルで、スウィングから現代ジャズ、さらにはイスラエル音楽やインド音楽まで幅広く取り込んだ個性的なジャズが聴ける素晴らしいアルバムだ。サックスだけでなくフルート、クラリネットなど木管楽器をマルチにこなす彼だが、今作はテナーサックスに専念している。

  • 2023-06-10
  • 2023-06-10

ウードとピアノが中心のイスラエルのエスノ・ジャズ・クインテット、Caifas 魅惑のデビューEP

イスラエルで活動するエスノ・ジャズバンド、CaifásのデビューEP『The Meggido Sessions』。ジャズや中東音楽をベースにした複雑で個性的な楽曲を、ピアノ、ウード、サックス、ベース、ドラムスのクインテットで聴かせる魅力的なグループだ。数多いイスラエル・ジャズの若手グループの中でも、彼らのその土着志向で右に出るものはなかなかいないであろう。

  • 2023-06-09
  • 2023-06-05

14歳の頃から互いに研鑽を積んだイスラエルの新鋭ピアノトリオ「Zafio」、高い芸術性のデビュー作

ピアノ奏者のイタイ・シンホーヴィッチ(Itay Simhovich)、ベースのイライ・サロモン(Ilai Salomon)、ドラムス奏者ヤリ・スターン(Yali Stern)から成るイスラエルのピアノトリオ、Zafioのセルフタイトルのデビュー・アルバム『Zafio』は、同地の活発なジャズシーンを象徴する良作だ。プロデュースはピアニスト/作曲家のトメル・バール(Tomer Bar)が担っている。

  • 2023-05-12
  • 2023-05-11

テルアビブの人気インディー・フォークMIQEDEM、休息をテーマに多様な民族楽器で表現した新譜

イスラエル・テルアビブを拠点に活動するインディー・フォークバンド、MIQEDEMの3rdアルバム 『Eshkona』。傑作と絶賛された前作『כרך ב׳』の民族音楽的なニュアンスをそのままに、さらにサウンド面で洗練された音楽に仕上がっている。“休息”をテーマにした今作には安堵はあれど暗澹さはまったくない。全編にわたって感じられるのは辛い時期を乗り越えて未来へ向かう希望だ。

  • 2023-04-29
  • 2023-04-29

自然体で紡ぐ“バンドの音の写真”。マーク・ジュリアナが新譜で魅せたジャズ・カルテットの現在地

米国を代表するドラマー、マーク・ジュリアナ(Mark Guiliana)の新譜『Mischief』。2022年10月にリリースされた前作『the sound of listening』と同じ2022年3月のブルックリンのバンカー・スタジオでのセッションで収録されたもので、つながりのあるジャケット・デザインも含め前作の兄弟アルバムという位置付けだが、前作がエレクトロニックの導入などこのカルテットでの新しい試みも取り入れられていたことと比較すると、こちらは全編アコースティックでオーバーダブもなく、よりリラックスした内容になっている。

  • 2023-03-28
  • 2023-03-26

微分音際立つ中東ジャズとフラメンコの魔法のような融合。エラン・ホーウィッツのデビュー作

中東の伝統音楽にみられる微分音をふんだんに用いつつ、ヨーロッパ最西端の音楽であるフラメンコの要素も融合した驚くべき音楽だった──。イスラエルはエルサレム生まれのベーシスト/作曲家エラン・ホーウィッツ(Eran Horwitz)のデビュー作 『Pashtut』。アルバムのタイトルは“simplicity(シンプルさ)”を意味するもので、彼の人生を32分間に簡潔にまとめました、ということらしいのだが、その内容の濃密さには驚かされるばかりだ。

  • 2023-03-20
  • 2024-07-07

イスラエル発の極上ショーロ! ブラジルから最高の音楽家も参加したChorolêの新作

フルート/アコーディオン奏者/作編曲家サリット・ラハヴ(Salit Lahav)率いるイスラエルのショーロ・アンサンブル、ショローレ(Chorolê)の新作『Encontros』。ほとんどはブラジルのショーロのカヴァーで、ショーロとしてはオーソドックスな編成に、即興ではジャズのアプローチをしっかりと持ち込んだ極上のアルバムになっている。

  • 2023-03-18
  • 2023-03-18

ウクライナ出身ピアニストのルスラン・シロタ。静かに激しく心を揺さぶる2nd『A Lifetime Away』

ウクライナ出身で、スタンリー・クラークのバンドでの活躍で知られるピアニスト/作曲家ルスラン・シロタ(Ruslan Sirota)が2019年に発表した2枚目のリーダー作『A Lifetime Away』。国と時代に翻弄されながらも、アメリカ西海岸でジャズ・ピアニストとして成功した音楽家の半生の物語を繊細なタッチで描いた傑作だ。

  • 2023-03-13
  • 2023-03-16

イスラエル・プログレの知られざるバンドSusita、唯一のアルバムで魅せた圧巻・衝撃の音楽性

イスラエルのバンド、スシータ(Susita, ヘブライ語表記:סוסיתא)が2005年にリリースしたアルバム『סוסיתא』が素晴らしい。シンガー/マルチ奏者のメイロン・エガー(Meiron Egger, מירון אגר)と鍵盤奏者ナダフ・ヴィキンスキー(Nadav Vikinski, נדב ויקינסקי)を中心にリモン音楽学校の同級生たちで2003年に結成されたバンドで、本作が唯一のアルバムとなっているが、これがとんでもなくクオリティが高く、驚きと興奮に満ちている。

  • 2023-03-11
  • 2023-03-11

力強く奏でられる真のイスラエル・ジャズ。オメル・クライン・トリオ結成10周年を祝う新作

イスラエルを代表するピアニストのひとり、オメル・クライン(Omer Klein)の最新作『Life & Fire』は、気心の知れた二人の奏者──ベースのハガイ・コーエン・ミロ(Haggai Cohen-Milo)とドラムスのアミール・ブレスラー(Amir Bresler)──との共同名義のピアノトリオ作品だ。