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イスラエルジャズ

  • 2024-11-17
  • 2024-11-17

イスラエルの気鋭女性ピアニスト、Stav 世界観をより深化させた現代ジャズで魅せる新作

初リーダー作『Plastic Cocoon』(2020年)から4年、イスラエルの才能溢れるジャズ・ピアニスト/作曲家スタヴ・アハイ(Stav Achai)の待望の新作『Tears in Colours』がリリースされた。今作でも彼女の音楽はジャズの領域に留まらないポップで新鮮な感覚に満ち、さらにサウンドもアレンジも前作からさらなる進化を見せ、その創造的なオリジナリティをより確信的にした。世界が彼女を“発見”するのも時間の問題だろう。

  • 2024-11-02
  • 2024-11-02

変幻自在のイスラエルジャズ!最高峰ベーシスト、アヴィシャイ・コーエン 独自の感性で魅せる新譜

イスラエル・ジャズを象徴する存在であるベーシスト/作曲家のアヴィシャイ・コーエン(Avishai Cohen)が、近年の活動の集大成ともいえる新譜『Brightlight』をリリースした。レギュラートリオであるロニ・カスピ(Roni Kaspi, ds)とガイ・モスコヴィッチ(Guy Moskovich)との演奏を軸に、ほかにも10名近いミュージシャンを迎え、独創的なコンポージングと豪快なアップライトベース演奏から生み出される彼独自の圧倒的なジャズを展開する。

  • 2024-11-01
  • 2024-10-31

ジューイッシュ・ジャズの象徴ダニエル・ザミール、SSWとしての新章を告げる新譜

ダニエル・ザミール(Daniel Zamir)といえば、イスラエルの現代ジャズシーンを代表するソプラノサックス奏者として世界に広く知られていることに疑念の余地はない。その音楽観は非常に個性的で、彼は2000年代以降一種のムーヴメントとなった所謂“イスラエル・ジャズ”勢の中でも突出してユダヤの伝統に強くインスパイアされた“ジューイッシュ・ジャズ”の音を鳴らし続けてきた。

  • 2024-10-16
  • 2024-10-13

精神世界を解き放つ。ピアノとチェロによる清らかで静謐なデュオアルバム『Pauses in Shades』

チェリスト/歌手のマヤ・ベルシッツマン(Maya Belsitzman)と、ピアニストのウリエル・ヘルマン(Uriel Herman)はともにクラシック音楽を学んでいた20年以上前からの友人だったが、これまでにレコーディングを行ったことはなかった。COVID-19によるパンデミックは彼らに再会と初めての録音の機会を与え、二人は事前のリハーサルも楽譜も計画も何もないままにスタジオに入り、互いに深い精神的な対話を重ねることによって僅かなコンポージングを即興で彩った素晴らしい音楽『Pauses in Shades』を作りあげた。

  • 2024-08-08
  • 2024-08-08

世界を音で繋ぐクラリネット奏者オラン・エトキン、平和への祈りを込めた新譜『Open Arms』

ワールドワイドな活動で知られるイスラエル出身のクラリネット奏者オラン・エトキン(Oran Etkin)の新譜『Open Arms』は、ブラジル、ジンバブエ、カナダ、チェコ共和国、トルコ、そして米国と世界中で現地のミュージシャンたちと録音した意欲的な作品だ。そのタイトルのとおり、分断と相互破壊が進む近年の世界において、あらゆる文化を尊重し受け入れ、つながることに焦点をあてている。

  • 2024-07-12
  • 2024-07-12

セフィ・ジスリング新譜『The Librarian』 パレスチナとイスラエルの現実にも向き合う重要作

ジャズからファンク、エレクトロニックまで幅広くジャンルを跨いで活躍するイスラエルを代表するトランペット奏者、セフィ・ジスリング(Sefi Zisling)の3枚目のアルバム『The Librarian』。全6曲は彼が敬愛する人々への頌歌として作られており、彼のインスピレーションの源である妻や友人、敬愛するピアニストのマル・ウォルドロン、さらにはイスラエル警察によって殺されてしまった無実のパレスチナ人への追悼といった明確なテーマによって支えられている。

  • 2024-07-05
  • 2024-07-04

ギターインスト好きへ贈る最高のプログレッシヴ・ジャズロック!ダニエル・ウェイス新譜

プログレッシヴ・ロックバンド「Square to Check」のギタリスト/作曲家、ダニエル・ウェイス(Daniel Weiss)がソロ名義として2作目となるアルバム『The Vortex』をリリースした。今作もバンドメイトのシャロン・ペトロヴェール(Sharon Petrover, ds)、リオール・オゼリ(Lior Ozeri, b)らとともに、圧巻の超絶技巧アンサンブルが繰り広げられる。

  • 2024-06-30
  • 2024-06-30

自然の中から音楽を紡ぎ出す。ジャズ新世代スタヴ・ゴールドベルグ『Symphony of Water』

シンガーソングライターとして稀有な才能を知らしめた2020年のデビュー作『Songs』から4年、イスラエル出身のピアニスト/作曲家スタヴ・ゴールドベルグ(Stav Goldberg)の新作『Symphony of Water』は一転してインストゥルメンタルの作品となった。音楽性はジャズが基底となってはいるが、もっとスピリチュアルな何かを秘めた、自由で無限の深みのある音楽だ。

  • 2024-06-15
  • 2024-10-09

異常な時代の中、音楽に想いを託すイスラエルのバンドPinhas & Sons 待望の新譜で彼らが伝えたいこと

おそらくは音楽史上最高傑作のひとつであろう前作『מדובר באלבום』(About an Album, 2018年)から6年。イスラエルの大所帯バンド、ピンハス&サンズ(Pinhas & Sons, פנחס ובניו)が、ついに待望の新作『מה יהיה עלינו』(What will be the end with us)をリリースした。パンデミック、政治腐敗に戦争といった困難が次々と降りかかる中で、常にオープンマインドな姿勢を示し続け、希望を諦めずに、人生のあらゆる側面を音楽にし創造的な表現をおこなう彼らの想いが凝縮されたようなアルバムだ──。

  • 2024-06-09
  • 2024-06-09

複雑すぎる時代に生き、感情の全てを発露する驚くべきテナーサックス。先駆者オデッド・ツール新譜

“21世紀のコルトレーン・カルテット”を率いる求道者にとって、この1年間はどのような心境の変化を与えたのだろうか。(2)「Child You」も(3)「Through A Land Unsown」も、曲が佳境に入り感情が昂るにつれ、彼のサックスとしてはこれまであまり聴いたことのない急激で激しい音色の変化を見せる。ガーディアン紙はかつて彼の音色を“サックスのささやき”と表現したが、今作でのサックスの表現はより機微に富み、抑制と発散を絶え間なく行き来し、時折激しい怒りとも深い悲しみともつかない叫びをあげる。

  • 2024-05-24
  • 2024-05-23

中東の葦笛ネイとエレクトロが融合したアンビエントジャズ。イツァーク・ヴェントゥーラ『Ein-Sof』

イスラエルのネイ奏者、イツァーク・ヴェントゥーラ(Itzhak Ventura)の新作『Ein-Sof』。プロデューサー/シンセサイザー奏者リジョイサー(Rejoicer)を迎え、エレクトロ・アンビエントな音像に溶け込むようなスピリチュアルなネイの演奏を聴くことができる。

  • 2024-04-21
  • 2024-04-20

「音楽は戦争に勝る」エルサレムで生まれ育ち、文化的多様性を音楽に反映する鬼才YUZ 新譜

デビュー作『Mono Moon』の驚くべき音楽性の高さに度肝を抜かれた、イスラエルのギタリスト/作曲家YUZことウリア・ウィツタム(Uriah Witztum)の2ndアルバム『Emerald Pick』がリリースされた。前作同様に、中東や地中海周辺の伝統音楽やジャズ、プログレッシヴ・ロックなどが複雑に入り乱れた彼の音楽は今回も驚きの連続だ。

  • 2024-04-01
  • 2024-03-31

オランダに移住したイスラエル人音楽家、アヴィシャイ・ダラシュ『希望と絶望のあいだ』

前作『Andalusian Love Song』(2022年)では地中海を取り囲む諸国の出身者による多国籍ラージアンサンブルを率い刺激的なエンターテインメントを提示したイスラエル出身の作曲家/鍵盤奏者アヴィシャイ・ダラシュ(Avishai Darash)が、今度はピアノトリオにトランペットを加えたカルテットによるアルバム『Between Hope and Despair』をリリースした。

  • 2024-03-12
  • 2024-03-12

グナワとジャズ、幸せな土埃の匂い…。イスラエルのゲンブリ奏者シャイ・ハザン新作『Wusul』

前作『Reclusive Rituals』でグナワやジャズ、ヒップホップの高度な融合を見せたイスラエルのゲンブリ奏者シャイ・ハザン(Shay Hazan)が新作『Wusul』をリリースした。アルバムタイトルはアラビア語表記で「وصول」、"到着"を意味する。中米から日本までの広範囲にわたる旅の中で接した異文化から大きなインスピレーションを得ており、アルバムには東京世田谷・下北沢をテーマにした(7)「Shimo Kitazawa」をはじめとした豊かな楽曲群が収録されている。