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サックス

  • 2025-08-23
  • 2025-08-24

生のアンサンブルの興奮を凝縮! 鬼才エレズ・アヴィラムがオクテットで挑戦する『ENSEMBLE』

イスラエル・プログレ〜ジャズ界隈の代表的ピアニスト/作曲家のエレズ・アヴィラム(Erez Aviram)がオクテットを率いてニューヨークで録音した新作 『ENSEMBLE』が素晴らしい。彼のピアノはもちろんのこと、管楽器も弦楽器もそれぞれが主役となる稀有なアンサンブルによって、エレズ・アヴィラムという鬼才の音楽の源泉であるジャズ、プログレ、中東音楽、各地のワールド・ミュージックの折衷的で驚きに満ちた音世界が豊かに広がる。

  • 2025-08-22
  • 2025-08-22

「22」の数字に導かれたカリビアン・ジャズ傑作。ジャック・シュワルツ=バール&グレゴリー・プリヴァ

偶然か必然か、「22」という数字に導かれたアンティル諸島生まれの二人の音楽家による素敵な音の語らいである。ともに12月22日生まれ、歳の差は22歳、そして初めて出会ってから22年の節目となるサックス奏者のジャック・シュワルツ=バール(Jacques Schwarz-Bart)と、ピアニストのグレゴリー・プリヴァ(Grégory Privat)の初デュオ作『22』。

  • 2025-08-19
  • 2025-08-18

時間の経過とともに変化する記憶、郷愁、内省の物語。ヒライ・ゴヴリーン新譜『Every Other Now』

ニューヨークを拠点に活動するイスラエル出身のクラリネット/サックス奏者のヒライ・ゴヴリーン(Hillai Govreen)の第2作目となる新譜『Every Other Now』。同郷のベーシストであり共同プロデューサーのベン・メイナーズ(Ben Meigners)との密接なコラボレーションを通じて制作された意欲作で、彼女は主にテナーサックスを演奏し、欧州のジャズに通ずる叙情的なオリジナルをメインにその豊かな感性を披露している。

  • 2025-08-10
  • 2025-08-09

すべての難民や戦争の犠牲者に捧ぐ。中東出身男女デュオ、Kazdoura のデビュー作『Ghoyoum』

カナダ・トロントを拠点に活動する男女デュオ、カズドゥーラ(Kazdoura)のデビュー作『Ghoyoum』。内戦のため祖国を離れたシリア出身の歌手レーン・ハモ(Leen Hamo)と、レバノン出身で移民としてカナダに渡っていたマルチ器楽奏者ジョン・アブー・シャクラ(John Abou Chacra)は、2020年のベイルート港爆発事故後のトロントでの募金活動の中で出会い、強力な相乗効果を証明する音楽作品を作り上げた。

  • 2025-07-20
  • 2025-07-20

時空を超えるコズミック・グルーヴ傑作!NZの大世帯ジャズコンボ The Circling Sun 圧巻の新譜

ニュージーランドのジャズ・コレクティヴ、ザ・サークリング・サン(The Circling Sun)が2ndアルバム『Orbits』をリリースした。大所帯のバンドとコーラス隊が織り成す、古くて新しいコズミックなグルーヴは前作『Spirits』をさらに超え、また彼らが公言する“Azymuthへのリスペクト”を体現したようなブラジリアン・テイストの楽曲も多い魅力的な作品だ。

  • 2025-07-18
  • 2025-07-18

コラ、チェロ、ソプラノサックス、アコーディオンによる異文化の美しい調和。『Sou Kora』

前作『Les Égarés』が深い感動を呼んだカルテットによる新作『Sou Kora』がリリースされた。コラ、チェロ、サックス、アコーディオンというユニークな四重奏をさらに深める試みで、アフリカやヨーロッパの伝統音楽、室内楽、ジャズといった要素を融合した美しい響きを堪能できる作品だ。

  • 2025-07-06
  • 2025-07-06

急速に変化する現代社会を問う、鬼才ギター奏者ピエール・ペルショーの新譜『不滅の花』

フランスの現代ジャズシーンで活躍するギタリスト/作曲家、ピエール・ペルショー(Pierre Perchaud)が7年ぶりのリーダー作となる『Fleur d'immortelle』をリリースした。ダンサブルなリズムに、エレクトリック・ギターやシンセをフィーチュアした(1)「Go on」から、随所に前衛的な表現を交えたサウンドが刺激的な好盤となっている。

  • 2025-06-17
  • 2025-08-25

ジャズに魅了され南米ペルーからロンドンへ。新進気鋭女性サックス奏者Allexa Nava、圧倒的才能を確信するデビュー作

南米ペルーに生まれ、ジャズに魅了され英国に移住し、トゥモローズ・ウォリアーズ(Tomorrow's Warriors)で研鑽した女性サックス奏者/作曲家アレクサ・ナヴァ(Allexa Nava)のデビューEP『No Language』は、新たなスターの出現を確信させる素晴らしい作品だった。ロンドンで隆盛を極める現代ジャズの潮流に乗りつつ、強烈な個性で僅かな“引っかかり”を確実にリスナーに与える魅力的なサウンドに彩られた、新進気鋭アーティストによる世界が注目すべき作品だ。

  • 2025-06-15
  • 2025-06-12

現代ジャズを象徴するバンド Kneebody、ベーシスト脱退の一大事を驚くべき発想で埋めた『Reach』

四半世紀にわたるキャリアとなった米国の現代ジャズを代表するバンド、ニーバディ(Kneebody)が6年ぶりとなる新作『Reach』をリリースした。今作は2001年のバンド結成時から低音を支えたベーシストのカヴェ・ラステガーが外部プロジェクトへの参加によって多忙を極めたことを理由に2023年にバンドを脱退して以降の初の作品となっており、ドラマーのネイト・ウッド(Nate Wood)がドラムスとベースを兼任するという割と非常識なカルテット編成での最初の録音となっている。

  • 2025-06-05
  • 2025-06-04

文化的ジャズの極み。女流ピアノ奏者シモーナ・プレマッツィ×頭脳派サックス奏者カイル・ナッサー新譜

イタリア出身の女性ピアニスト/作曲家シモーナ・プレマッツィ(Simona Premazzi)と米国ボストン出身の男性サックス奏者/作曲家カイル・ナッサー(Kyle Nasser)を中心に、ベーシストのノア・ガラベディアン(Noah Garabedian)、ドラマーのジェイ・ソウヤー(Jay Sawyer)で構成されたカルテット、Premazzi / Nasser Quartet の初のアルバム『From What I Recall』は、ヨーロピアン・ジャズとハードバップの丁度良いバランスを自然に探求するような上質なジャズ作品だ。

  • 2025-05-22
  • 2025-05-21

ハンガリーのアシッドな現代ジャズバンド、New Fossils が表現する混沌と調和の生態圏

ハンガリー・ブダペストを拠点とするバンド、ニュー・フォスルズ(New Fossils)がこれまで最も音楽的に飛躍した新譜『Ecosphere』をリリースした。洗練された現代ジャズの響きだけでなく、今作ではファンクやプログレッシヴ・ロックの要素が強まり、サウンドもサックスを軸としながら、シンセサイザーの多用によってよりスピリチュアル、サイケデリックなベクトルへと向かっている。

  • 2025-05-11
  • 2025-05-11

抒情的な欧州ジャズからアルメニア音楽まで、美しく独創的な音を奏でるオランダの木管奏者新譜

オランダの新鋭サックス奏者/作曲家、ルーク・ファン・デン・ベルフ(Loek Van Den Berg)の新譜『Seafarer』が素晴らしい。楽曲は全てオリジナルで、サックス、トロンボーン、ピアノ、ベース、ドラムスのクインテット編成によって抒情的で美しいテーマ、高度なインタープレイ、幅広い音楽性をバランスよく兼ね備えた音楽体験を約束する。

  • 2025-05-09
  • 2025-05-09

今再び、悪魔の降臨。ファンファーレ・チョカルリア&エイドリアン・ラソ 10年ぶり最強タッグ復活!

2014年作『Devil's Tale』での世界的な成功をを経て、ルーマニアのブラスバンド、ファンファーレ・チョカルリア(Fanfare Ciocărlia)と、カナダのギター/バンジョー奏者エイドリアン・ラソ(Adrian Raso)が再びタッグを組んだ。彼らの新作『The Devil Rides Again』にはオリジナル8曲とカヴァー3曲を収録。爆発的なバルカンブラスと、ロカビリーやマヌーシュ・ジャズを融合したまさに“悪魔的な”サウンドで、世界を再び酔狂させる。

  • 2025-05-02
  • 2025-05-02

魔法の町マコンドにインスパイアされた多国籍トリオ、Macondo Trio が描く魅惑の音楽『Morayò』

ベナン、ベルギー、イタリアとそれぞれ異なるルーツを持つ3人によるマコンド・トリオ(Macondo Trio)。ガブリエル・ガルシア=マルケスが『百年の孤独』で描いた魔法のような町の名前に因むトリオは、ヨルバ語で「喜びを見つけた」という意味を冠する新作『Morayò』で、ジャズやアフリカのリズム、アラブ文化が共生する奥行きのある音楽観を提示している。