- 2022-12-15
- 2022-12-15
カンザスシティのトロンボーン奏者トレヴァー・ターラ、無国籍感も印象的な魅惑のJazz
米国カンザスシティ出身のトロンボーン奏者トレヴァー・ターラ(Trevor Turla)のデビューEP『And We Continue』が面白い。ブルース、ジャズ、ファンク、カントリー・ミュージック、そしてバルカン音楽など幅広い影響が伺える音楽性で、3管フロント含む大所帯での演奏はジャムバンド的な雰囲気もあり楽しい。
米国カンザスシティ出身のトロンボーン奏者トレヴァー・ターラ(Trevor Turla)のデビューEP『And We Continue』が面白い。ブルース、ジャズ、ファンク、カントリー・ミュージック、そしてバルカン音楽など幅広い影響が伺える音楽性で、3管フロント含む大所帯での演奏はジャムバンド的な雰囲気もあり楽しい。
米国のトロンボーン奏者/作曲家ライアン・ケバリー(Ryan Keberle)がかねてより熱い関心を寄せていたブラジル・ミナスの音楽に自身のカルテット、Ryan Keberle’s Collectiv do Brasil名義で取り組んだアルバム『Sonhos da Esquina』。ミナス音楽を意識したライアン自身のオリジナルのほか、“街角クラブ”を代表する巨匠ミルトン・ナシメントやトニーニョ・オルタの名曲を演奏しており、ミナス音楽やジャズ・トロンボーンのファンには聴き逃せない作品となっている。
トルコの南に浮かぶ島国キプロス共和国のバンド、ムッシュ・ドゥマニ(Monsieur Doumani)の2021年作『Pissourin』。一聴すると地中海地域や中東地域の伝統音楽をロックやヒップホップ、エレクトロ・ミュージックといった現代の広域的な共通価値観とブレンドすることに成功した面白い作品だ。
様々なバンドで活躍するブラジルの気鋭ジャズ・トロンボーン奏者/作編曲家ハファエル・ホーシャ(Rafael Rocha)の新譜『Rafael Rocha』は2021年の作品で聴き逃し厳禁の一枚だ。同じく前衛的なトロンボーンで人気のアントニオ・ネヴィス(Antônio Neves)に比肩するほど聴き応えたっぷり。
2015年にバルセロナで結成された全員女性の11人組、バルカン・パラダイス・オーケストラ(Balkan Paradise Orchestra, 通称:BPO)は、大所帯によるジプシーブラス直系の迫力あるサウンドと、女性バンドならではの華やかなステージでの立ち振る舞いがとても魅力的なバンドだ。
オーストリア・ウィーン出身のビートメイカー/プロデューサー、ジュール・ヒエロ(Jules Hiero)と、ブラジルのドラマー/トロンボーン奏者アントニオ・ネヴィス(Antônio Neves)による強力タッグが『Nove Midén』として結実した。
地を這うようなベースのグルーヴに、人力ジャングル&ドラムンベースなドラム。トロンボーンやギターはエフェクターを幾重にも重ねどこまでもサイケデリック。現代UKジャズのカオスなエネルギーが凝縮されたような音楽が最高に楽しい英国ブライトン拠点のサイケジャズバンド、エビ・ソーダ(Ebi Soda)の2ndアルバム『Ugh』。
ブラジルのオーケストラ、オルケストラ・ド・エスタード・ヂ・マット・グロッソ(Orquestra do Estado de Mato Grosso)が、ソリストにジャズトロンボーン奏者のヴィトール・サントス(Vittor Santos)を迎え録音した珠玉のミルトン・ナシメント曲集。
トロンボーン奏者/ヴォーカリストのリタ・パイエス(Rita Payés)と、その母でギタリストのエリザベト・ローマ(Elisabeth Roma)が絶賛された前作『Imagina』(2019年)に続く2作目となるデュオアルバム『Como la Piel』をリリースした。ジョアン・チャモロの元を離れたリタ・パイエスは暖かさや優しさだけではない新たな側面も見せ、アーティストとしての表現力の幅を格段に広げている。
ブラジル・リオデジャネイロ出身のマルチ奏者/作曲家、アントニオ・ネヴィス(Antônio Neves)の2ndとなる新譜『A Pegada Agora É Essa (The Sway Now)』は、この奇才が現在のリオデジャネイロのジャズシーンのトップランナーであることを思い知らされる必聴盤だ。
フランス・パリを拠点に活動する若手4人組バンド、アップテイク(Uptake)の2020年作『Out of the Blue』がなかなかに凄い。凄いのに情報がほとんどなく調べるのに苦労したが、せめて備忘録としてはここに残しておきたい。バンドとしてか個人としてかは分からないが、きっとこれから大きく飛躍するはずの個性がここにはある。
スウェーデンのトロンボーン奏者/作曲家、カリン・ハマー(Karin Hammar)の2020年新譜『Strings Attached』は、自身のカルテットを基本編成としつつ、数曲でゲストにクロマチック・ハーモニカ奏者のオリヴィエ・ケル・オゥリオ(Olivier Ker Ourio)と弦楽四重奏が参加。クラシカルな雰囲気が漂う落ち着いた良盤だ。
デンマーク出身のベーシスト、アンネ・メテ・イヴェルセン(Anne Mette Iversen)の新譜『Racing a Butterfly』は、「これまでで最も幸せでリラックスしたアルバム」と彼女が語るとおり、緻密な作曲・アレンジでありながらも長年活動をともにしてきた仲間たちとの信頼感に裏打ちされた誠実で心地よいグルーヴに溢れた良作だ。
まだあどけなさの残る少女たちが、一人前にジャズを演奏し、歌う。可憐なヴォーカルを聴かせたかと思えば、トランペットやトロンボーンを手に流麗なアドリブソロも。演奏のレベルはおそろしく高い。一体この子どもたちは何者なんだろう…?そんな興味深い楽団が、様々な文化が交錯する国、スペインに存在する。