- 2025-07-06
- 2025-07-06
急速に変化する現代社会を問う、鬼才ギター奏者ピエール・ペルショーの新譜『不滅の花』
フランスの現代ジャズシーンで活躍するギタリスト/作曲家、ピエール・ペルショー(Pierre Perchaud)が7年ぶりのリーダー作となる『Fleur d'immortelle』をリリースした。ダンサブルなリズムに、エレクトリック・ギターやシンセをフィーチュアした(1)「Go on」から、随所に前衛的な表現を交えたサウンドが刺激的な好盤となっている。
フランスの現代ジャズシーンで活躍するギタリスト/作曲家、ピエール・ペルショー(Pierre Perchaud)が7年ぶりのリーダー作となる『Fleur d'immortelle』をリリースした。ダンサブルなリズムに、エレクトリック・ギターやシンセをフィーチュアした(1)「Go on」から、随所に前衛的な表現を交えたサウンドが刺激的な好盤となっている。
バルセロナのジプシー・ブラスバンド、バルカン・パラダイス・オーケストラ(Balkan Paradise Orchestra, BPO)。誰もが踊りたくなるような力強いバルカン・ブラスに、女性のみの大編成というビジュアルの華やかさも相まって度々SNSでも話題となる彼女らの2024年『Nèctar』は、確固たるバルカンの伝統と実験的な現代性の同居する稀有なバンドによるジプシー・ブラスの傑作だ。
アメリカ合衆国のトロンボーン奏者/作曲家ライアン・ケバリー(Ryan Keberle)が率いるバンド、カタルシス(Catharsis)の新譜『Music is Connection』がリリースされた。メンバーにはチリ出身のギターのカミラ・メサ(Camila Meza)、ペルー出身のホルへ・ローダー(Jorge Roeder)、そして米国出身のドラマー、エリック・ドゥーブ(Eric Doob)を擁し、南米音楽からの影響も濃いコンテンポラリー・ジャズ作品に仕上がっている。
南アフリカ・ヨハネスブルグのトロンボーン/鍵盤奏者/作曲家マルコム・ジヤネ(Malcolm Jiyane)の2ndアルバム『TRUE STORY』がリリースされた。数日間のセッションによって制作され、絶賛されたデビュー作『UMDALI』(2021年)と比べると素朴で映像的な音楽性はそのままに、より“声”による表現を効果的に取り入れ、注意深く練り上げられた作品といえるだろう。
バルセロナの青少年ジャズバンド、サン・アンドレウ・ジャズバンド(Sant Andreu Jazz Band)出身の若きスターの一人、シンガーソングライター/トロンボーン奏者のリタ・パイエス(Rita Payes)が新作『De camino al camino』をリリースした。アーティストとして常に進化を続ける彼女は、耳心地のよい従来作との安易な比較を拒むほど独特のファンタジーな音楽観で、世界中のリスナーを魅了する。
フランスのトロンボーン奏者/作曲家ロビンソン・クーリー(Robinson Khoury)の新作『MŸA』は、アラビア音楽の旋法、デジタル・パーカッションやアナログシンセなどエレクトロニックの多用が特徴的な前衛的ジャズ作品。
ブラジルのトロンボーン/ドラムス奏者アントニオ・ネヴィス(Antônio Neves)が新作『Deixa Com a Gente』をリリースした。ある種の狂気やカオスを感じさせた前作『A Pegada Agora É Essa (The Sway Now)』の要素もほのかに残しつつ、全体的にはサンバやショーロの感覚が大幅に強化された作品となった。
唯一無二の音楽的パートナーシップを築いてきたデュオ、米国サンフランシスコ生まれのトロンボーン奏者ナタリー・クレスマン(Natalie Cressman)と、ブラジル・ブラジリア生まれのギタリスト/作曲家イアン・ファキーニ(Ian Faquini)の新作『Guinga』は、2人がこれまでに最も影響を受けた音楽家であるブラジルのレジェンド、ギンガ(Guinga)曲集だ。本作は単に2人がギンガの楽曲を演奏するだけのものではなく、なんとギンガ本人が15曲中5曲で参加しており、トリビュート・アルバムの範疇を超越した内容となっている。
南アフリカ・ケープタウンを拠点とする7人編成のジャズバンド、クジェンガ(Kujenga)。スワヒリ語で“構築する”を意味するバンド名を持つ彼らの2枚目のアルバム『In the Wake』がリリースされた。トランペット、トロンボーン、テナーサックスの3管や電化ギター、ベースなどよくあるジャズ編成ではあるものの、アフリカ南部のアイデンティティを感じさせる力強いサウンドがとても素晴らしいアルバムだ。
カナダで活躍するトランペッター、ブランドン・リドヌール(Brandon Ridenour)とWDRビッグバンドでの活動で世界的に知られるトロンボーン奏者マーシャル・ギルクス(Marshall Gilkes)。ともにジャズやクラシックといったジャンルの概念に捉われない音楽を探求し、ブラスの限界点を拡張しようとする2人が結成した新しいブラス・オクテット、ブラソロジー(Brassology)のアルバム『Brassology』。金管楽器のみ8人の編成で、非常によく練られていながらも挑戦的な音楽表現が新鮮なアルバムだ。
ブラジルのトロンボーン奏者/作曲家、ジョアベ・ヘイス(Joabe Reis)の新譜『028』がリリースされた。MPB、ヒップホップ、ファンク、トリップホップなど様々な要素を消化吸収した現代的なジャズが楽しめる作品で、心地よく繰り返されるグルーヴは極上のチルアウト・ミュージックとして紹介しても間違いないだろう。
ドイツのジャズチャートで4ヶ月連続トップになるなど絶賛されたニルス・ラングレン率いる“4WD”(四輪駆動)プロジェクトの前作『4 Wheel Drive』(2019年)から4年。北欧ジャズの巨人たちによる第二弾『4 Wheel Drive II』がリリースされた。今作ではポール・サイモンやエルトン・ジョンといった往年の名曲を取り上げつつ、オリジナル曲の比重も増やしている。
カリフォルニア州出身のトロンボーン奏者/歌手のナタリー・クレスマン(Natalie Cressman)と、ブラジル生まれのギタリスト/歌手イアン・ファキーニ(Ian Faquini)のデュオによる第二弾アルバム『Auburn Whisper』。絶賛された前作『Setting Rays of Summer』から3年。深い音楽的パートナーシップを経て夫婦となった二人による今作は、より温かみを増した極上の音に満ちている。
日常のなかの超現実を描いたジャケットが本作を象徴する。多国籍の音楽家が集い、オランダ・アムステルダムで結成されたクインテット、チャイ・マスターズ(Chai Masters)のデビューアルバム『Magic Realism』は、その名の通り“魔術的リアリズム”をテーマとした興味深い作品だ。