- 2024-12-27
- 2024-12-29
ジャズ、カリビアン、ソウルなど多彩な”遺産”を音楽の軸とするフランスの素晴らしいバンド、Yusan
韓国語で“遺産”(유산)の意味を持つフランスのバンド、ユサン(Yusan)の2024年新譜『Ba Yo』が素晴らしい。現代ジャズ、ネオソウル、アフロ・カリビアン、ゴスペルなど様々な要素が溶け込んだ技巧的かつ斬新な音楽性で、今作ではさまざまなリズム、声を組み合わせた万華鏡のような音楽観で強いインパクトを与える。
韓国語で“遺産”(유산)の意味を持つフランスのバンド、ユサン(Yusan)の2024年新譜『Ba Yo』が素晴らしい。現代ジャズ、ネオソウル、アフロ・カリビアン、ゴスペルなど様々な要素が溶け込んだ技巧的かつ斬新な音楽性で、今作ではさまざまなリズム、声を組み合わせた万華鏡のような音楽観で強いインパクトを与える。
カナダを代表する女性ジャズ・ピアニストのリニー・ロスネス(Renee Rosnes)の2024年の新作『Crossing Paths』は、彼女のブラジル音楽への強い愛が存分に注がれた一枚だ。エグベルト・ジスモンチ(Egberto Gismonti)やエドゥ・ロボ(Edu Lobo)、アントニオ・カルロス・ジョビン(Antonio Carlos Jobim)、ジョイス・モレーノ(Joyce Moreno)といったブラジルの偉大な芸術家たちの作品を9曲選び、曲によってはゲスト・ヴォーカリストとして作家自身(!)を迎え、本格的なブラジリアン・ジャズを披露している。
グアテマラ出身でメキシコシティを拠点に活動するチェロ奏者/歌手/作曲家のマベ・フラッティ(Mabe Fratti)の4枚目となるアルバム『Sentir Que No Sabes』。チェロとヴォーカルをサウンドの軸に据えた実験的な作風で現代エクスペリメンタル・ジャズの旗手に名乗りをあげた彼女の最新作は、これまで以上にロックやポップスの輪郭を浮かび上がらせつつも、アヴァンギャルドな音響空間に留まった魅力的な作品だ。
カーボベルデにルーツを持ち、ポルトガルで生まれ現在はロンドンを拠点に活動するディーヴァ、カルメン・ソウザ(Carmen Souza)は11枚目のアルバムとなる新譜『Port’Inglês』(イギリスの港)で、イギリスとカーボベルデの繋がりに焦点をあて、8つの物語を歌っている。
2024年末にリリースされたルーシー・アウヴェスの新作『Gato do Mato』には、ほぼすべてが彼女のオリジナルである10曲が収録されている。現代的なサウンド・デザインだが、根幹にあるのはブラジル北東部の音楽であるフォホーだ。アルバムタイトルは“ヤマネコ”を意味し、ルーシーは自分自身を山猫のイメージと重ね合わせている。
ブラジルの貧しいシングルマザーの家庭に生まれ、10歳からプロとして音楽活動を行い家計を支えてきたムニール・ホッスン(Munir Hossn)が、ユニークなライヴ体験を提供する米国フロリダ州マイアミのブラック・ルーム・セッションズ(Black Room Sessions)での素晴らしい演奏を収録したライヴ盤『Munir Hossn & Elas (Live at the Black Room Sessions)』をリリースした。
イスラエル・テルアビブのSSW、アナット・モシュコフスキー(Anat Moshkovski)の初のフルレンス・アルバム『ANAT』が素晴らしい。1970年代前後のフォークロックやフレンチポップの手触りのある良質なポップスで、アコースティック楽器を軸にした室内楽的な優しいサウンドに英語やフランス語の歌詞を乗せて優美に歌う。
ブラジルのSSW/ピアニスト、デリア・フィシェール(Delia Fischer)の新作『Delia Fischer: Beyond Bossa』は、その名のとおりアントニオ・カルロス・ジョビンを参照するボサノヴァの雰囲気を残した良質な音楽だ。彼女がポルトガル語で書いた詩はすべてピアニスト/作曲家/ライターのアレン・モリソン(Allen Morrison)によって英語詞となり、デリア・フィシェールやその他多彩なゲストによって英語で歌われている。
ソウル・ミュージックやジャズ、ロックに感化され、新型コロナ禍で“人々の魂を癒すために”結成されたスペイン・バルセロナのバンド、ソウルケア(SoulCare)によるビートルズ(レノン=マッカートニー)曲集『Into the Soul of Paul & John』がリリースされた。誰もが知る名曲から、熱心なファン以外にはそれほど知られていないような曲まで10曲を選び、独自のアレンジを加えた作品となっており、ビートルズの音楽に関心がある多くの人々に訴求できる内容になっている。
マトゥ・ミランダ(Matu Miranda)というシンガーソングライター/ギタリストの登場は、今年(2024年)のブラジル音楽におけるひとつの重要なトピックだ。マットグロッソ・ド・スル州カンポ・グランデで生まれ、現在はリオデジャネイロを拠点とする彼は2023年にオーディション番組「The Voice Brasil」で準決勝まで進出。2024年9月に待望の初アルバム『Matutando』をリリースした。
ヤヤ・マセンバ(Yayá Massemba)の音楽はアフリカ系ブラジル人の文化を尊重し、女性として表現し、そして叡智を生み出す基盤としてのサンバのルーツを広めることを目的としている。グループ名の「Yayá」はヨルバ語で“母親”を意味し、キンブンドゥ(アンゴラで話されているアフリカの言語)に由来する「Massemba」はアフリカ起源の宗教に存在するウンビガダ(臍 = umbigo を突き出す動作)を指す。
世界最大の瀑布であるジンバブエのヴィクトリアの滝近くを拠点とするバンド、フライング・バントゥー(Flying Bantu)。非常に洗練されたアフロ・フュージョンで、ファンク、レゲエ、ロック、ジャズの要素が混ざり合ったサウンドに英語やバントゥー語の歌詞が乗る。楽器は一部でムビラの音色が聴こえるほかはほぼ西洋楽器で、スケールなども西洋音楽のものなので民族音楽色はかなり薄いが、それが逆に耳馴染みの良さに繋がっている。
フランスのベース奏者、ルノー・ガルシア=フォン(Renaud Garcia-Fons)の2024年新譜『Blue Maqam』は、娘でシンガーのソレア・ガルシア=フォン(Solea Garcia-Fons)をフィーチュアしたカルテットによってアンダルシアからアナトリアに至る地中海周辺音楽、さらには中東やインドまでの種類豊かな音楽を独自のベースを軸に表現する優れたアルバムだ。
スペインを代表する歌手シルビア・ペレス・クルス(Sílvia Pérez Cruz)の新作『Lentamente』は、アルゼンチン最高のギター弾きのひとりであるフアン・ファルー(Juan Falú)との至上のデュオ作品となった。多くがアルゼンチンの作曲家たちの名曲のカヴァーで、一部にはブラジルの音楽、そして二人のオリジナルも1曲ずつ収録されている。