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ヴォーカル

  • 2025-02-16
  • 2025-02-16

モニカ・ゼタールンド&ビル・エヴァンスの名盤への再訪。現代北欧ジャズの才媛アンナ・グレタ新譜

モニカ・ゼタールンド(Monica Zetterlund)がビル・エヴァンス(Bill Evans)のトリオをバックに、アメリカのスタンダードやスウェーデンの伝統歌を歌った『Waltz For Debby』(1964年)というアルバムを愛するジャズファンは多いだろう。幼い頃からジャズに親しみ、ジャズとともに育ったアイスランド生まれのピアニスト/歌手アンナ・グレタ(Anna Gréta)もまた、その魔法の虜になり、それを自身の音楽的指針としてきたひとりだった。

  • 2025-02-15
  • 2025-02-15

フランス発、少しノスタルジックなお洒落センスの要注目新人SSW、LUIZA デビュー!『Fantastik』

フランスからは度々、高度な音楽性とキャッチーでキュートな魅力を兼ね備えたヒロイン歌手が現れるが、彼女もまたそうした存在になるかもしれない。シンガーソングライターのルイーザ(Luiza)のデビューEP『Fantastik』は、そう思わせるに充分な傑作だった。フレンチポップ、ヒップホップ、ロマ音楽、ブラジリアン・ポップ、ジャズ、レゲエ、エレクトロニックといった要素を独自の感性で巧みに組み合わせ、甘さ、切なさ、懐かしさといった感情を呼び覚ます歌にはすでに大物の貫禄すら漂わせる。7曲入りのEPという扱いだが、デビュー作でこの完成度は衝撃的だ。

  • 2025-02-08
  • 2025-02-08

南アフリカの新星ロリサン・セシェレ、とてつもなく大きく花開く予感のするデビュー作『The Seed』

南アフリカ・プレトリア生まれの作曲家/シンガー、ロリサン・セシェレ(Rorisang Sechele)が初のアルバム『The Seed』で華々しいデビューを飾った。彼女のプロジェクト「In Full Bloom」は花(とりわけ、蘭)のライフサイクルの各段階にインスピレーションを得ており、歌詞と音で自己発見の本質を捉えている。そのプロジェクト発の最初のリリースである本作では、成長の最初期の段階についての考察を、ジャズ、ソウル、R&Bを巧みに融合したサウンドで美しい物語に仕立て上げた。

  • 2025-02-04
  • 2025-02-02

ピアニスト/SSWマシャ・ガリビアン、偉大な詩人マヤ・アンジェロウに感化された表現力豊かな新譜

アルメニア系フランス人ピアニスト/歌手/作曲家のマシャ・ガリビアン(Macha Gharibian)が、新作『Phenomenal Women』をリリースした。今作は、米国の偉大な詩人/歌手マヤ・アンジェロウ(Maya Angelou, 1928 - 2014)の1987年ロンドンでのスピーチ/パフォーマンスにマシャ・ガリビアンが大きな感銘を受けたことがクリエイティヴなエネルギーの源となっている。タイトルの“驚異的な女性たち”はまさにそのスピーチの中に登場した言葉で、この偉大な女性を讃え、女性たちの戦い──女性が耐え忍ばなければならない暴力、そして性差別や平等に対する戦い──への彼女なりの強い信念を表明している。

  • 2025-01-31
  • 2025-07-05

魅惑のポップネスと芸術的な独創性が同居する奇跡のバンド Fievel Is Glauque、洗練極める3rd

予測不能な奇妙なポップネスが炸裂する話題作!米国ニューヨーク出身のマルチ奏者ザック・フィリップス(Zach Phillips)と、ベルギー・ブリュッセル出身のシンガー、マ・クレマン(Ma Clément)によるオルタナ・ジャズポップ・ユニット、ファイベル・イズ・グローク(Fievel Is Glauque)による2024年作『Rong Weicknes』。そのオリジナリティは新鮮で突き抜けており、キャッチーでアーティスティックなセンスに脱帽。

  • 2025-01-30
  • 2025-01-30

ブラジル最高の作曲家が遺した音楽を芯まで味わう。パウラ・モレレンバウム&アルトゥール・ネストロフスキ『ジョビンの歌』

あらためて、アントニオ・カルロス・ジョビンは史上最高の作曲家だったと思う。彼がこの世を去って久しいが、遺された作品のあまりに洗練されたコードとメロディー、そして詩情豊かな歌詞──その多くはヴィニシウス・ヂ・モライスの才能によるものだが──による奇跡的な音楽は、今も多くの人々を惹きつけてやまないし、その“新しさ”は決して古臭くなることがない。

  • 2025-01-28
  • 2025-01-22

ラ・プラタの肥沃な大地が生んだ極上音楽。アルゼンチンのSSWティンチョ・アコスタ新作

アルゼンチンのシンガーソングライター/ギタリストのティンチョ・アコスタ(Tincho Acosta)の3枚目のアルバム『Bandurria』は、過去2作と比べても“もっとも自然な形”で制作された作品だという。ティンチョ・アコスタの7弦ガットギターとシルクのような声を中心に、自然だけでなく文化的にも肥沃なラ・プラタの美しい情景や人々の営みを卓越した表現力で結実させた、素晴らしい仕上がりのアルバムとなっている。

  • 2025-01-25
  • 2025-02-14

現代社会の行く末を視る。ブラジリアン・ミクスチャー最強バンド、BaianaSystem 圧巻の新譜

ブラジルの人気アフロロック・バンド、バイアーナシステム(BaianaSystem)の2025年新譜『O Mundo Dá Voltas』。2025年も始まったばかりだが、早くも年間ベストの候補となりそうな凄まじいクオリティの作品だ。彼らにとって5枚目のアルバムは、ブラジル音楽やレゲエ、ヒップホップを中軸としたこれまでの路線を踏襲しつつ、さらにアフリカやカリブ海、ポルトガル新世代の色が濃くなり、その表現は急速に混ざり合うグローバル社会の中での存在感を増している。

  • 2025-01-21
  • 2025-01-21

Banda Magda のマグダ・ヤニクゥ、四季をテーマにした4部作プロジェクト第1作『For Spring』

マイケル・リーグや小川慶太ら、スナーキー・パピーが強力にバックアップしたことで人気を博したバンダ・マグダを率いるギリシャ出身SSWマグダ・ヤニクゥ(Magda Giannikou)による、ソロ・アーティストとしての新作『For Spring』。今作の名義は「Magda & Banda Magda」となっており、スナーキー・パピーのトランペッター/鍵盤奏者であるジャスティン・スタントン(Justin Stanton)や、ニュージャージー州出身のベース奏者マット・アロノフ(Matt Aronoff)らを迎えたバンドで彼女の独創的な世界観を表現した作品だ。

  • 2025-01-18
  • 2025-01-18

パレスチナの鬼才ファラジュ・スレイマンが描く、非日常に生きる恋人たちの物語

パレスチナ人として初のジャズ・ピアニストと言われるファラジュ・スレイマン(Faraj Suleiman) が新作『Maryam』をリリースした。衝撃的なプログレッシヴ・ジャズの前作『As much as it takes』のリリースが2023年9月29日。そのわずか10日後に彼の世界は一変し、一時はその怒りとショックから所謂西側メディアから姿を消してしまった彼だが、2024年のモントルー・ジャズ・フェスティバルへの出演を機に徐々に復帰。こうしてまた、素晴らしい音楽作品を届けてくれた。

  • 2025-01-11
  • 2025-01-11

消化不良上等な究極的プログレ&カオス! ガムラン×サイケロックの衝撃、ペニ・チャンドラ・リニ新譜

インドネシアのシンガー・ソングライター、ペニ・チャンドラ・リニ(Peni Candra Rini)の新譜『Wani』は、おそらく多くの人にとって今まで聴いたどんな音楽よりも新鮮なリスニング体験をもたらしてくれるだろう。ギターやベース、ドラムスといった軸となる楽器編成は間違いなく西洋のロックに影響を受けているが、西洋音楽の理論では説明が不可能なガムランの音階、伸縮自在のリズムが一見カオスなようでいて、聴けば聴くほど神秘的な美しさを秘めた宝石の原石ような魅惑的な輝きを放つ。

  • 2025-01-04
  • 2025-01-04

トーゴ発の衝撃的アフロ・サイケ傑作!アラガア・ビートがアフリカ音楽の新時代を開拓する

トーゴ出身で米国ワシントンD.C.に20年間住み、現在はトーゴの首都ロメとワシントンD.C.を行き来するシンガーソングライター/ギタリストのドゴ・デュ・トーゴ(Dogo Du Togo)が率いるバンド、アラガア・ビート・バンド(The Alagaa Beat Band)のデビュー・アルバム『Avoudé』。彼が“アラガア・ビート”と呼ぶサウンドは、トーゴの伝統的なリズムや旋律にロックやファンクの要素が絡み、エネルギーに溢れる独特の創造的な音楽を作り上げている。

  • 2025-01-03
  • 2025-01-02

アルゼンチン・ジャズの女傑ノラ・サルモリア、その創造性の真髄を見るピアノ弾き語り作

アルゼンチンのピアニスト/歌手/作曲家、ノラ・サルモリア(Nora Sarmoria)が自身のピアノ弾き語りを中心としたアルバム『Amniótica』をリリースした。アルゼンチン・ジャズ、あるいはネオ・フォルクローレの粋の結晶のような極上のアルバムで、ノラ・サルモリアの傑出した才能にあらためて感服させられる。

  • 2024-12-29
  • 2024-12-22

サンバ・ヒップホップの先駆者マルセロD2、“新しいトラディショナル・サンバ”を謳う新作

全編生バンドでのブラジリアン・ヒップホップ作『Direct-to-Disc』を2024年11月にリリースしたばかりのサンバ・ヒップホップの先駆者、マルセロ・デードイス(Marcelo D2)が、早くも新しいプロジェクトからの新譜『Manual Prático Do Novo Samba Tradicional, Vol. 1: DONA PAULETE』をリリースした。“新しい伝統サンバの実践マニュアル”という意味を持つ今回のプロジェクトでは、2025年のカルナヴァルまでに4枚のアルバムをリリースする予定。