- 2025-06-01
- 2026-01-26
史上最高傑作、ミナス音楽の桃源郷『Macaxeira Fields』への再訪。10年を経て蘇る、あの“碧さ”
アレシャンドリ・アンドレス(Alexandre Andres)にとってキャリア初期の最重要作品であり、同時に近年のブラジル音楽/ミナス音楽の最重要マイルストーンでもあった2012年のアルバム『Macaxeira Fields』から10年が経ち、その足跡の確かな大きさを振り返るときが来たようだ。
アレシャンドリ・アンドレス(Alexandre Andres)にとってキャリア初期の最重要作品であり、同時に近年のブラジル音楽/ミナス音楽の最重要マイルストーンでもあった2012年のアルバム『Macaxeira Fields』から10年が経ち、その足跡の確かな大きさを振り返るときが来たようだ。
近年のブラジル音楽における最重要作といえる名盤が、リリースから10年以上を経過した2024年末にようやくサブスクで聴けるようになった。ブラジル・ミナスジェライス州出身のシンガー・ソングライター、アレシャンドリ・アンドレス(Alexandre Andrés) の2012年作『Macaxeira Fields』。“ミナス新世代”と呼ばれるムーヴメントを代表する文字通りのエヴァーグリーンな傑作で、作曲、編曲、演奏のどれもが神懸かり的なクオリティで体現された、音楽の素晴らしさを心の底から感じられる必聴盤である。
前作『De Todas las Flores』(2022年)でグラミー賞「最優秀ラテン・ロック/オルタナティブ・アルバム」を受賞したメキシコのシンガーソングライター、ナタリア・ラフォルカデ(Natalia Lafourcade)の2025年の新譜『Cancionera』は、過去数年間で取り組んできたメキシコの伝統的な音楽文化への探訪の経験が強く反映された自作曲で構成されており、とりわけ“音楽の魂”を尊重するために編集を最小限に抑えたライヴ一発録音によって特徴づけられた作品となっている。
チリ・サンティアゴ出身のシンガーソングライター/ギタリストのカミラ・メサ(Camila Meza)が、6年ぶりの新作『Portal』をリリースした。彼女のとって初の全曲オリジナルで構成されており、自身の音楽的進化と個人的な体験を反映した、非常にパーソナルで意欲的な作品だ。共同プロデューサーには現代ジャズを代表するイスラエル出身のピアニストであるシャイ・マエストロ(Shai Maestro)を迎え、非常に洗練されたサウンドで、その繊細な感性を表現するアルバムになっている。
ガーナ北部ボルガタンガのフラフラ・ゴスペルのシーンを代表するバンド、アログテ・オホ&ヒズ・サウンズ・オブ・ジョイ(Alogte Oho & His Sounds of Joy)の2ndアルバム『O Yinne!』(2023年)が最高だ。絶え間なく降り注ぐアフロ・フューチャリスティックな重厚なグルーヴ、力強いブラスや女性コーラス、そしてアフロビート、ハイライフ、ジャズやR&B、レゲエなどを自由に飲み込んだ音楽観が生み出すエネルギーは活力と喜びに満ちている。
優れた音楽を発表しながら、商業的に成功せず“異端”(maldito)と呼ばれたセルジオ・サンパイオ(Sérgio Sampaio, 1947 - 1994)への再評価の機運が高まっている。フェリピ・ヂ・オリヴェイラ(Felipe De Oliveira)の新譜『Velho Bandido』もまた、セルジオ・サンパイオへのトリビュートだ。ロックは、サンバの精神は“死んだ”のか?本作は、その答えを探る問題作だ。
ブラジル音楽史において最も秀でた表現力/歌唱力のある歌手の1人として讃えられてきた女性歌手のナナ・カイミ(Nana Caymmi)が、2025年5月1日に亡くなりました。この「ナナ・カイミ ─ 84年の生涯の84曲」はその記事を補完し合いつつ、ナナ・カイミの遺した作品の永遠の輝きを、実際に聴きながら一緒に感じたいと言う気持ちで用意しました。
アンゴラのセンバの巨匠、パウロ・フローレス(Paulo Flores)が新作『CANÇÕES QUE FIZ PRA QUEM ME AMA』をリリースした。今作はアンゴラを象徴する音楽家として37年のキャリアを誇る彼の集大成的な作品で、祝祭的なエネルギーに満ち、ポジティヴな印象を受ける仕上がりだ。
アルゼンチンの19歳の女性3人によるアコースティック・ポップ/ボサノヴァのトリオ、トリアーダ(TRÍADA)が話題となっている。いずれもカヴァー曲で構成されたデビューEP『De Versiones y Alma』は6曲収録・計14分と短いものの、その選曲のセンスの良さ、ヴォーカルとコーラス、ガットギターとパーカッションを中心とした穏やかで程よい緩さが心地よく、多くのリスナーをこの若いトリオの世界観に惹き込むだろう。
タイ王国バンコク出身、現在はカナダで活動する打楽器奏者/作曲家のサリン(Salin)の2枚目のスタジオアルバム『Rammana』。彼女自身が“アフロ・イサーン・ソウル”あるいは“アフロ・タイ・ファンク”と呼ぶ音楽性で注目を集める作品だ。
カタルーニャを代表するシンガー、ジュディット・ネッデルマン(Judit Neddermann)と、これまでも彼女の作品にプロデュースや演奏で関わってきたギタリストのパウ・フィゲレス(Pau Figueres)による初の相当名義のアルバム『Judit Neddermann & Pau Figueres』。おそらくは現在のカタルーニャの音楽シーンにおいて感性、テクニックともにもっとも優れた音楽家の二人による、“シンプルで、最高に贅沢な”作品だ。
ブラジル北東部レシーフェ出身のSSW、フライラ・フェホ(Flaira Ferro)の新作『Afeto Radical』。当サイトが2023年のベスト・アルバムに挙げたクララ・コエーリョ(Clara Coelho)とのデュオでたおやかな感性が発揮された『Áua』と比較すると、より彼女の音楽的なルーツであるレシーフェに根付く豊かな音楽文化が反映された作品となっている。
ブラジル・ペルナンブーコ出身のSSW、イゴール・ヂ・カルヴァーリョ(Igor de Carvalho)の3枚目のスタジオアルバム『O Melhor Lugar da Praia』。アルバムはグスタヴォ・ルイス(Gustavo Ruiz)がプロデュースし、その姉であるトゥリッパ・ルイス(Tulipa Ruiz)や、カエターノ・ヴェローゾの息子モレーノ・ヴェローゾ(Moreno Veloso)、歌手ナ・オゼッチ(Ná Ozzetti)、鍵盤奏者ベンジャミン・タウブキン(Benjamim Taubkin)らブラジルを代表する幅広い世代の音楽家たちが参加。エレクトロニックも駆使しながらトロピカリアの系譜から繋がる現代感覚のサイケロック/ロマンティック・ポップを展開する。
アメリカ合衆国オレゴン州ポートランドを拠点に20年以上活動するタンゴ・アンサンブル、コンフント・ベレティン(Conjunto Berretin)の2025年新譜『La Mariposa』は、伝統的なアルゼンチン・タンゴを軸に、ジャズやクラシックの音楽的な要素が絶妙にブレンドされたなんとも魅力的な作品だ。