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ヴォーカル

  • 2024-04-16
  • 2024-04-14

ナタリー・クレスマン&イアン・ファキーニ、師ギンガへの慈愛に満ちたトリビュート・アルバム

唯一無二の音楽的パートナーシップを築いてきたデュオ、米国サンフランシスコ生まれのトロンボーン奏者ナタリー・クレスマン(Natalie Cressman)と、ブラジル・ブラジリア生まれのギタリスト/作曲家イアン・ファキーニ(Ian Faquini)の新作『Guinga』は、2人がこれまでに最も影響を受けた音楽家であるブラジルのレジェンド、ギンガ(Guinga)曲集だ。本作は単に2人がギンガの楽曲を演奏するだけのものではなく、なんとギンガ本人が15曲中5曲で参加しており、トリビュート・アルバムの範疇を超越した内容となっている。

  • 2024-04-12
  • 2024-04-12

ナチュラルで美しい声をもつシンガー後藤杏奈、洋楽を中心に珠玉のカヴァーを歌うデビュー作

初めてその歌声を聴いたときから、歌手としての並外れた才能を感じた。八王子市出身のシンガー、後藤杏奈(Goto Anna)。ブルガリアへの留学や船での世界一周など豊富な国際経験をもつ彼女のデビューアルバム『Departure』は、“歌唱力”の一言では括ることのできない魅力が凝縮された作品となった。

  • 2024-04-09
  • 2024-04-08

北欧ジャズ新世代SSW/ピアニスト、アンナ・グレタ。個性的な感性で可憐な花のように歌う

2021年に颯爽とデビューしたアイスランド・レイキャビク出身のピアニスト/シンガーソングライター、アンナ・グレタ(Anna Gréta)が待望のACT発第二弾アルバム『Star of Spring』をリリースした。現在ストックホルムに住む彼女が故郷アイスランドに想いを寄せて弾き語る曲はどれも美しく、特別だ。

  • 2024-04-08
  • 2024-04-08

静かなる天賦の才能。仏ハープ奏者/シンガー、ソフィー・ソリヴォー 圧巻のデビューアルバム

フランスのシンガーソングライター/ハープ奏者ソフィー・ソリヴォー(Sophye Soliveau)のソロデビュー作『INITIATION』が圧巻だ。まずは(2)「Initiation II - Wonder Why」を聴いてみてほしい。タイトだが主張のないリズムセクションの上で、幾分慎ましやかに分散コードを爪弾くハープ。鳥肌立つほど多層にも重なる女性コーラス。そして何よりも耳を惹くのは、これがデビュー作とは思えない経験値を感じさせるソフィー・ソリヴォーその人のあまりに素晴らしいヴォーカルだ。

  • 2024-04-07
  • 2024-04-07

20周年! カタルーニャの女性フラメンコ・ミクスチャーバンド Las Migas、伝統と革新を凝縮した新作

バンド結成から20周年となるスペイン・カタルーニャの女性のみで構成されるフラメンコ・クロスオーヴァー・バンド、ラス・ミガス(Las Migas)の6枚目となるアルバム『Rumberas』がリリースされた。タイトルのとおりルンバ・フラメンカを基調としつつも、その伝統に捉われずに自分たちのスタイルを確立した彼女らの新作は自身と誇りに溢れており、長らく男性優位のジャンルとなっていたフラメンコが完全に新しい時代に入ったことを感じさせる。

  • 2024-03-27
  • 2024-03-28

「聴く」よりも「感じる」。インド出身ガナーヴィヤが贈る、静謐かつ刺激的な音の空間

インド出身の歌手ガナーヴィヤ(Ganavya)の新譜『like the sky I've been too quiet』という作品を聴き、音楽の意味や価値についてあらためて気付かされるリスナーは多いだろう。極めて個性的なアーティストであるガナーヴィヤは、この特別なアルバムで南インドの伝統的な価値観やそこから生じた音楽をスピリチュアル・ジャズやエレクトロニック・ミュージックに手繰り寄せ、アンビエントなテクスチャーで繋ぎ合わせた。

  • 2024-03-26
  • 2024-04-13

ユーロビジョン・アルメニア代表の男女デュオLADANIVAが魅せる国境なきワールドミュージック

毎年5月に開催されるヨーロッパ最大の音楽コンテスト、ユーロビジョン・ソング・コンテスト。エントリー曲で個人的には好みに刺さる曲はほとんどないのが通例だが、今年はめちゃくちゃ面白いアーティストがいた。それが、今回紹介のアルメニア代表として出場するラダニヴァ(Ladaniva)だ。

  • 2024-03-23
  • 2024-03-24

美しさと複雑さが混在する現代ブラジル“最高の声”ジョタ・ペー、あまりに完成度の高い新作

2023年に先行してA面5曲がリリースされ、アルバム完成を待ち望まれていたブラジルの新世代SSW、ジョタ・ペー(Jota.pê)がついにフルレンス・アルバムとして『Se o Meu Peito Fosse o Mundo』(もし私の胸が世界だったら)を完成させた。2022年に女性SSWブルーナ・ブラッキ(Bruna Black)とのデュオ「ÀVUÀ」名義でリリースした 『Percorrer Em Nós』で並外れたセンスを見せた彼は、今作でも自作曲・共作曲を中心に様々な文化が混在する新しいブラジルの音楽を聴かせてくれる。

  • 2024-03-22
  • 2024-06-22

大洋を吹き、人々の営みを運ぶ風。現代的モルナの歌姫ナンシー・ヴィエイラ 新譜『Gente』

カーボベルデの島々を囲う大洋のように優しく深い歌声が魅力的な歌手ナンシー・ヴィエイラ(Nancy Vieira)。彼女の新作『Gente』(人々)は、カーボベルデの大衆音楽であるモルナを軸に、ブラジルのサンバ、ポルトガルのファド、カリブ海の音楽やジャズを混ぜ熟成させたような極上の滋味深い音楽に仕上がっている。「カーボベルデってどこ?モルナってどんな音楽?」…そういう方にこそ、ぜひ聴いてもらいたい。

  • 2024-03-19
  • 2024-03-13

レス・ポールに芸名を与えられたドイツの知られざる名ギタリスト/シンガー、トルステン・グッズ新作

ドイツのジャズギタリスト/シンガーソングライター、トルステン・グッズ(Torsten Goods)の2023年新譜『Soul Searching』。ランディ・ブレッカー(Randy Brecker)や欧州ジャズの名手たちをゲストに迎え、80〜90年代のフュージョン/スムースジャズの香りを感じさせる良質な作品だ。ギターのテクニックも、ソウルフルなヴォーカルも、AORからも影響された作編曲も、どれもがセンスに溢れている。

  • 2024-03-15
  • 2024-10-14

南米と北欧が交叉する、どこかノスタルジックな大傑作。ハファエル・ジメネス新譜

ブラジル出身、デンマーク在住の男性SSWハファエル・ジメネス(Raphael Gimenes)の2024年新譜『DINAMARCA』は、ここ数年でもっとも美しい音楽作品のひとつだ。2016年作『As Montanhas de Som』や2021年作『A Tongue Full of Suns』などリリースの度にファンを驚かせ楽しませてきた彼が、またしても10年に一度の最高のアルバムを作り上げた。

  • 2024-03-14
  • 2024-03-11

ソプラノ歌手マリアナ・フローレスが歌う古き良きアルゼンチン音楽集『Alfonsina』

アルゼンチン出身のソプラノ歌手マリアナ・フローレス(Mariana Flores)が、同じくアルゼンチンのマルチ奏者キト・ガト(Quito Gato)との共同プロジェクトでアルゼンチン音楽集『Alfonsina: Canciones Argentinas』をリリースした。(1)「Alfonsina y el Mar」や(10)「Dorotea, la Cautiva」などの名曲をシンプルかつ豊かな伴奏と美しいヴォーカルで聴かせる好盤だ。