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ヴォーカル

  • 2026-07-04
  • 2026-09-17

ブラジル国民がガチで愛するミルトン・ナシメントの楽曲ランキング!|映画『ビトゥーカ ミルトン・ナシメント フェアウェルツアー』公開記念ミニコラム

 で、結局、ブラジルで最も愛されているミルトンの名曲は? その回答になる1つのランキングがあります。  ブラジルの著作権管理団体(ブラジル中央著作権徴収機関|ECAD)が、ミルトン・ナシメントが80歳の傘寿を迎えた際に発表した過去10年間における「最も再生・演奏されたミルトン・ナシメントの楽曲」ランキングです。

  ECADによるこのランキングは、SpotifyやYouTubeなどの再生回数ランキングではありません。対象となっているのは、ラジオ、店舗や施設でのBGM、パーティーや娯楽施設、カーニバル、フェスタ・ジュニーナ、ショー、ライブ演奏など、公共の場で音楽が使われた回数がカウントされいます。ひとりの聴き手がイヤホンで何度再生したかではなく、ブラジル社会の中で、ミルトンの歌がどれだけ公共空間に鳴っていたかのランキングです。

  • 2026-07-04
  • 2026-07-04

カーボベルデの新世代歌手、クレミルダ・メディーナが歌い継ぐ“UNESCO無形文化遺産”、モルナ

1991年にカーボベルデ・サンヴィセンテ島のミンデロ(セザリア・エヴォラもミンデロ出身)に生まれた歌手クレミルダ・メディーナ(Cremilda Medina)の3枚目のスタジオ・アルバム『Lágrima』(2026年)は、モルナが本来持つ静謐な美しさを見つめ直した意欲作だ。伴奏はギターやカヴァキーニョなどの弦楽器を中心としたアコースティック編成に徹し、現代的な装飾を極力排することで、歌そのものが持つ豊かな情感を丁寧に浮かび上がらせている。

  • 2026-07-03
  • 2026-07-03

ヴァルダン・オヴセピアン&タチアナ・パーハ、再び。抽象的で詩的な高みにのぼるピアノと歌

以前よりデュオ活動を展開してきたアルメニア出身のピアニスト、ヴァルダン・オヴセピアン(Vardan Ovsepian)と、ブラジルの歌手タチアナ・パーハ(Tatiana Parra)が、再びタッグを組み新作『The Flight of the Hidden Heart』をリリースした。全曲が新曲となっており、二人のデュオの名義である「Fractal Limit」の新章を印象付ける作品となっている。

  • 2026-07-01
  • 2026-09-17

ミルトン・ナシメントと鉄道|映画『ビトゥーカ ミルトン・ナシメント フェアウェルツアー』公開記念ミニコラム

ミルトン・ナシメントの音楽には、何度も列車が現れる。 それは単なる乗り物ではない。ミナスジェライスの山あいを走る鉄道であり、故郷と外の世界を結ぶ線であり、誰かを連れてくる音であり、誰かを連れ去る音でもある。駅のベンチ、遠い汽笛、煙を吐く機関車、空っぽになった広場、見送る人、帰ってくる人。ミルトンの歌において「trem」は、いつも風景以上のものを運んでいる。 ・鉄道は、出会いと別れの場所である。 ・鉄道は、郷愁の器である。 ・鉄道は、失われた共同体の記憶である。 ・そしてときに、人生そのものの比喩になる。

  • 2026-06-30
  • 2026-09-17

ミルトン・ナシメントの五拍子と変拍子の世界|映画『ビトゥーカ ミルトン・ナシメント フェアウェルツアー』公開記念ミニコラム

ミルトン・ナシメント、そしてクルービ・ダ・エスキーナ周辺の音楽の魅力は、5/4や9/4といった複雑な拍子を、技巧の誇示としてではなく、ひとつの自然な呼吸として聴かせてしまうところにもあります。  変拍子というと、どこか難解で、数えながら聴く音楽のように思われがちです。けれどミルトンの音楽では、拍子の複雑さが前に出ることはほとんどありません。ミナスの山並み、言葉の抑揚、記憶の揺れ、歩く速度、歌う人の息づかい。そうしたものがそのまま旋律になった結果、音楽が四角い小節の枠から少しだけはみ出していく。そこに、彼のリズムの不思議があります。

  • 2026-06-30
  • 2026-06-30

パレスチナのピアニスト/SSWファラジュ・スレイマン、“個人と社会”の関係に想いを至す熱狂のライヴ盤

パレスチナ出身のピアニスト/シンガーソングライターのファラジュ・スレイマン(Faraj Suleiman)の新作『Live in Amman』は、『London Jazz Festival 2019』(2020年)、『Live at Montreux Jazz Festival 2018』(2021年)に続く本格的なライヴ・アルバムだ。前2作はジャズ・ピアニストとしてインストを中心としていたが、ヨルダンの首都アンマンでのライヴを収録した今作はシンガーソングライターとしての“歌モノ”をメインとしている。ほぼ全編がアラビア語でのピアノ弾き語りで、彼の歌モノ作品『Better Than Berlin』(2020年)や『Upright Biano』(2023年)からの選曲が中心となっている。

  • 2026-06-24
  • 2026-06-23

謎の歌姫イヴ・クォーターメインが圧倒的な表現力で描き出す、現代のノワール群像劇。『The Heart Wants What It Wants』

レイト・トランスミッションズ・スターリング・イヴ・クォーターメイン(Late Transmissions starring Eve Quartermain)のデビュー・アルバム『The Heart Wants What It Wants』のクオリティの高さと、強烈な物語性に驚かされた。 グループの中心人物は、リヴァプールの音楽シーンで長いキャリアを持つデヴィッド・バルフ(David Balfe)とデヴィッド・ヒューズ(David Hughes)。そこに圧倒的な歌唱力を持つ無名のヴォーカリストのイヴ・クォーターメイン(Eve Quartermain)が加わり、映画音楽、60年代オーケストラル・ポップ、ジャズ、トリップホップなどを融合した独特の世界を作り上げている。

  • 2026-06-23
  • 2026-06-22

表現者としてのニシュラ・スミスを知らしめる絶品。『it’s getting late you’d better go home』

オーストラリア出身、現在はイングランド・マンチェスターを拠点に活動するシンガーソングライター、ニシュラ・スミス(Nishla Smith)の第2作目となるアルバム『it's getting late you'd better go home』(2026年)が、非常に良い。親しみやすいメロディーライン、素直だが時に感情豊かなヴォーカルが、彼女の音楽の重要なパートナーであるトム・ハリス(Tom Harris)のピアノを中心としたジャジーで洗練されたアレンジと伴奏(と、それだけに留まらない音響処理)に映える。彼女の音楽にはエルトン・ジョンやバート・バカラックといった“古き良き”ポップスへの愛、ゴスペルやブルースからの微かな影響も伺え、さらにはポスト・ボサノヴァの潮流に乗せた感じの曲もあり、とても楽しく聴けるアルバムに仕上がっている。

  • 2026-06-23
  • 2026-06-19

ポルトガルSSWマヌエル・リニャレス新譜『Atlântico』は、ブラジル・ミナス新世代とNY現代ジャズも交叉する

ポルトガルのシンガーソングライター、マヌエル・リニャレス(Manuel Linhares)の2026年新作『Atlântico』がリリースされた。プロデュースは前作『Suspenso』に引き続き、現代ブラジル音楽の最重要人物のひとりであるアントニオ・ロウレイロ(António Loureiro)が務め、演奏にはロウレイロ(ds, synth, key)のほかニューヨークのジャズの第一線で活躍するグレン・ザレスキ(Glenn Zaleski, p)やオル・バレケット(Or Bareket, b)、小川慶太(Keita Ogawa, ds, perc)ら国際色豊かなメンバーが参加。録音はニューヨークとポルトガル・ポルトで行われ、名実ともに越境的な作品となっている。

  • 2026-06-21
  • 2026-06-20

政治的に弾圧されたオクシタニアのフォークロアを現代に復興する女性デュオ、Cocanha。爆発的新譜『Flame Folclòre』

フランス南部オクシタニア地方の都市トゥールーズを拠点に活動する女性デュオ、コカーニャ(Cocanha)の3枚目となるアルバム『Flame Folclòre』には、長いあいだ周縁へと追いやられてきた言語と文化を現代へ取り戻そうとする強い意志が込められている。アルバムタイトルを直訳すれば「燃えるフォークロア」。彼女たちにとってフォークロア(伝統文化)とは、観光パンフレットの装飾でも、懐古趣味の対象でもない。Cocanhaの二人は本作を通じて、フォークロアを現在を生きるための文化的実践として再定義しようとしている。

  • 2026-06-19
  • 2026-06-19

南米新世代音楽を軸に、多国籍・多文化が混淆する果てなき音楽の旅路。ハファエル・ジメネス 至福の大傑作

ハファエル・ジメネス(Raphael Gimenes)の4作目となる『Caçador De Horizontes』(2026年)は、最大限の賛辞を贈るに値する最高のアルバムだ。アレシャンドリ・アンドレスを共同プロデューサー/フルート奏者として迎え、ミナスの伝統を受け継ぐ声とガットギターを基調に、“アルゼンチン・ネオフォルクローレ”のシーンにも繋がる室内楽的な管弦楽やジャズのエッセンスを加え、南米音楽と北欧音楽の見事な調和ともいうべき壮大なスケールの作品を創り上げた。

  • 2026-06-11
  • 2026-06-10

コンゴ出身、ジョナサン・ンヴィタの驚くほど活力に満ちたアフロ・ジャズ。最高のデビュー作『Mosisa』

コンゴ民主共和国の首都キンシャサ出身、現在はカナダ・トロントを拠点とするシンガーソングライター/ギタリスト、ジョナサン・ンヴィタ(Jonathan Nvita)のデビューアルバム『Mosisa』は、コンゴの伝統的なリズムにリンガラ語の歌詞といった活気に満ちたアフリカのルーツと、彼がトロントで培った洗練されたジャズの影響が融合した稀有な作品だ。アルバムの核となるのはアフリカの精神性、共同体の記憶、家族への敬意などであり、近年のアフリカン・ジャズ/ワールド・ジャズの中でも非常にアイデンティティ意識の強い作品といえる。

  • 2026-06-09
  • 2026-06-11

トルコ出身歌手エリフ・サンチェス、地中海〜ブラジルを歌とストリングスで旅する抒情的新譜『Así pues…』

トルコ出身の歌手エリフ・サンチェス(Elif Sanchez)の2026年作『Así pues…』は、はっきり“金字塔”だと断言したい。アルバム冒頭に収められた(1)「Choro Pro Zé」は、そう確信させてくれる最高の幕開けだ。ソリストとしてフィーチュアされるのはマケドニア出身のクラリネット奏者イスマイル・ルマノフスキー(Ismail Lumanovski)。そしてポーランドの弦楽四重奏団オ・クワルテト(O Kwarteto)の情緒豊かな伴奏を得て、エリフ・サンチェスは個性的で美しい揺らぎのヴォーカルで“世界観”を作り上げる。

  • 2026-06-03
  • 2026-06-03

イタリアの新鋭SSWキアレ、ほろ苦さと微かな甘さの余韻に浸る新作EP『Sei』

イタリアのシンガーソングライター/マルチ奏者キアレ(Chiaré)が2026年1月にリリースしたEP『Sei』は、絶賛されたデビューアルバム『Chiaré』(2024年)からわずか2年足らずで発表された6曲入りの新作だ。イタリアのフォークにジャズやエレクトロニックの要素を織り交ぜ、洗練されたサウンドを展開。全曲がイタリア語とそのナポリ方言で歌われ、彼女の温かく繊細なヴォーカルが際立つ。