驚異のイケメン、マーク・エリヤウ。そしてケマンチェ
マーク・エリヤウ(Mark Eliyahu)は1982年にダゲスタンで生まれた。
1989年に両親とともにイスラエルに移住し、16歳のときに出会ったアゼルバイジャンの著名なケマンチェ(中東の民族楽器)奏者であるハビル・アリエフ(Habil Aliyev)の演奏に魅了され、アゼルバイジャンに移住しケマンチェの腕を磨いてきたミュージシャンだ。
現在はイスラエルを拠点とし、中近東各国を中心に幅広く演奏活動を行なっている。
演奏する音楽はアゼルバイジャンの古典音楽であるムガームと、ロックやジャズ、エレクトロニカなどコンテンポラリーな西洋音楽とのハイブリッド。
なかなか他で聴くことのできない面白い音楽である。
マーク・エリヤウの楽器「ケマンチェ」は、中東では広く演奏される擦弦楽器で、フィドルやヴァイオリンなどの源流とされる。西洋音楽ではまず使われないような微分音を駆使する独特の技法が確立されており、西洋音楽に慣れすぎた私たちの耳には非常にエスニックに響く。
下の画像がケマンチェだ。ちなみにAmazonのアフィリエイトリンクになっているのでどんどん買って欲しい。28,500円(記事執筆当時)で中東の風があなたの部屋に。
古典音楽に捉われない斬新なコンテンポラリー・ムガーム
デビューは2004年の『Voices of Judea』。これまでに何枚かのアルバムをリリースしているが、中でも一番のおすすめは2010年の『Sands』だ。
アルバム『Sands』では、シンセサイザーやエレキギター、ピアノなども取り入れ、ムガームを軸としているものの現代的なサウンドを展開している。
ムガームに特徴的な変拍子や魅惑の中近東の音階、パーカッションが生み出すグルーヴといったワールドミュージックマニアが好む要素はもちろん、映画俳優かと見間違えるような端正な風貌、それとは裏腹な正統派ムガームの非の打ち所のないキャリア。そして古典音楽に捉われない現代的センス。
それら全てを兼ね添えたマーク・エリヤウは本物であり、注目に値する音楽家だ。