澤野工房ファン必聴!ジャン・フィリップ・ヴィレ参加の極上ピアノトリオ

Emmanuel Borghi - Secret Beauty

澤野工房の看板アーティスト、ジャン・フィリップ・ヴィレを追って

2000年代以降、大阪のインディーズレーベル澤野工房の功績もあり広く注目を浴びるようになったヨーロッパのJAZZ。かくいう私も澤野工房によってヨーロピアン・ジャズの素晴らしさを知り、ジョヴァンニ・ミラバッシやジャン・フィリップ・ヴィレ、ダニエル・ユメール、ベント・エゲルブラダといった素晴らしいミュージシャンに出会えた。

澤野工房諸作の中でも最も気に入っているアーティストの一人がフランスのベーシスト、ジャン・フィリップ・ヴィレ(Jean-Phileppe Viret)。澤野工房ディストリビュートのフランスのレーベル、Sketchからリリースされたあまりに完璧な三位一体のピアノトリオによるアルバム『Considerations』に衝撃を受け、今でも時折思い出してはその動向を追い続けている。

そんなジャン・フィリップ・ヴィレの近年の参加作を見つけたので聴いてみた。それが今回紹介するフランスのピアニスト、エマニュエル・ボルギの2018年作『Secret Beauty』だ。

元マグマの鍵盤奏者による極上ヨーロピアン・ピアノトリオ

本作『Secret Beauty』のリーダーでありピアニストのエマニュエル・ボルギ(Emmanuel Borghi)は著名なプログレバンド、マグマ(Magma)の元鍵盤奏者。マグマのリーダーであるクリスチャン・ヴァンデ(Christian Vander)と長年活動を共にしてきた実力派だ。そんな彼がベースに前述のジャン・フィリップ・ヴィレ、ドラムにフィリップ・ソアレ(Philippe Soirat)を従え録音した作品だ。

アルバムはジャン・フィリップ・ヴィレ作曲によるこの上なく美しい(1)「Jour après jour」で幕を開ける。エマニュエル・ボルギのピアノは時に叙情的で時に硬派。イタリアの巨匠エンリコ・ピエラヌンツィをも彷彿とさせる。アルバム全編にわたる聴きやすく美しいジャズは、ヨーロピアン・ジャズの醍醐味を存分に味あわせてくれる。

アルバムの冒頭を飾る美曲(1)「Jour après jour」。
Emmanuel Borghi - Secret Beauty
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