自室ひきこもり系サイケロック Pedro Kastelijns のサウンドがヤバい

Pedro Kastelijns - Som das Luzis

自室から宇宙を覗く。若き鬼才ペドロ・カステリジン

新たな鬼才音楽家として注目されるブラジルのSSW、ペドロ・カステリジン(Pedro Kastelijns)『Som das Luzis』はアウトサイダーアート感が漂いまくる、奇天烈な音楽作品だ。
サイケなギターサウンド、異常なほどにリバーブをかけたヴォーカル。演奏も歌も決して完璧な訳ではないのだけど一種独特の世界観を持ったアート性で、Bandcampで2019年 12月6日のAlbum of the Dayに選ばれるなど一部で話題となっている。
3曲でハファエル・ヴァス(Raphael Vaz)がベースを弾いている以外、全ての作曲、楽器演奏、ヴォーカル等をペドロ・カステリジンが一人でこなしている。

それは完全に彼個人の内なる宇宙の表現のように思えるが、実際は彼が自室でこれら12の楽曲を創る際に考えたことは「宇宙に対して自分が輝く機会、そしてこの地上で自分自身よりも大きな何かの一部になることを求めた」ことだったという。

同郷ゴイアニアの人気サイケロックバンド、ブーガリンズ(Boogarins)のギタリストであるベンケ・フェラス(Benke Ferraz)からマイクやドラムセットなど機材を借り、彼は自身の部屋に閉じこもり、このアルバムを完成させた──実に5年もの歳月をかけて。

「Luzi 3」のMV。

ベッドルームから翔び立つ新たな才能たち

ブラジルのゴイアス州の州都ゴイアニアで生まれ育ったペドロ・カステリジンは、15歳の頃に成人となる自分に対する重圧から解放されるために音楽を作り始めた。ゴイアニアで活躍するBoogarins、Luziluzia, Carne Doce といったアーティストたちに触発されるうちに、自らもアーティストとして活動していくという“使命”のようなものに駆られたのだという。

自分の部屋で独自の世界観の音楽を作り、世界に驚きを与えたという点ではビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)にも通じるものがある。
──いや、もしかしたらもっとずっと半世紀以上も前に、ジョアン・ジルベルト(João Gilberto)が何ヶ月もバスルームに閉じこもって後にボサノヴァと呼ばれる音楽を創ったのも似たような話だ。
他人のフィルターを通さない音楽家自身の個性から生まれる驚くような創造性というものは、自分自身と向き合ったときにこそ最大化されるものなのかもしれない。

ペドロ・カステリジンは現在オランダのアムステルダムを拠点に、ヨーロッパでツアーを行うなど精力的に活動を行っている。

Pedro Kastelijns - Som das Luzis
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