多彩なゲストを迎えた南米音楽 meets ジャズ
アルゼンチン出身で現在は米国NYで活動する女性歌手、フアナ・ルナ(Juana Luna)が多彩なゲストを迎え制作した2019年作『Ocean Avenue』は現代南米音楽特有の上品な風と香りの漂う、ジャジーで良質なヴォーカル作品だ。
いきなり威勢の良いサンバジャズ(1)「Otra Vez」で幕を開けるが、彼女の真骨頂は(2)「Y para Colmo」のようなスローバラードにあるように思う。優しく柔らかな声がスペイン語の響きと合い、至福の時をもたらせてくれる。
アルゼンチン・フォルクローレやボサノヴァ、サンバ、キューバ音楽やウルグアイのカンドンベといった中南米の音楽をベースにしながら、ジャズの洗練を加えた美しく気品溢れる音楽が印象的。
アルバムは全曲がフアナ・ルナの作曲。彼女のヴォーカルと、ピアノ、ギター、ベース、ドラムス/パーカッションの4人編成のバックバンドを軸に、さらに全曲で異なるゲストがクレジットされそれぞれの楽器で曲を彩っている。
バンダ・マグダ(Banda Magda)で活躍するヴィブラフォン奏者の三村未佳(Mika Mimura)や同バンドのパーカッション奏者マルセロ・ウォロスキ(Marcelo Woloski)、アカ・セカ・トリオ(Aca Seca Trio)の鍵盤奏者アンドレス・ベエウサエルト(Andrés Beeuwsaert)、北海道出身のサックス奏者寺久保エレナ(Erena Terakubo)、トロンボーンの坂本菜々(Nana Sakamoto)などゲストの顔ぶれも豪華で楽しい。
Juana Luna – vocals
Federico Díaz – guitar, arrangements
Benjamín Furman – piano, vocals
Rob Taylor – bass
Andrés Fonseca – drums, percussion
…plus some special guests.