AALのドラマーとの共演も話題となった仏ベーシスト、国際色豊かなバンドで演ずる注目作

Louis de Mieulle - Sideshow 2

双頭の子ども、小象、巨バエ

米国のインスト・メタルバンド Animal As Leaders のドラマー、マット・ガーストカ(Matt Garstka)が参加した2015年作『Stars, Plants and Bugs』が話題となったフランスのベーシスト/作曲家、ルイ・ド・ミューユル(Louis De Mieulle)の新譜『Sid€show 2』。前作『Side$how』との続編として位置付けられた作品で、ジャケットに描かれているように“双頭の子ども(Two-Headed Kid)”、“小象(Dwarf Elephant)”、“巨蠅(Giant Fly)”をテーマに据えた奇妙な楽曲群が収録されている。

ベーシストがリーダーの作品ではあるものの、派手なベースソロなどはなく、重厚な作曲に主眼が置かれている。淡々と演奏するリズム隊よりも、NYで頭角を現してきた二人の新鋭キーボーディスト──イスラエル出身のエイタン・ケネル(Eitan Kenner)とカジミア・リバースキ(Casimir Liberski)が刺激的な音色とフレージングでクリエイティヴな演奏をみせているのが印象的。

ドラムは米国出身のドロン・レヴ(Doron Lev)と、フランス出身のラファエル・パニエ(Raphaël Pannier)が楽曲ごとに代わる代わる叩いている。

なんとも国際色豊かな若いバンドで、プログレやロックを通ってきたジャズ/フュージョンという印象のクールなアルバムだ。

(3)「Giant Fly」のMV。
近未来SF的なサウンドとは対照的な古い映像を繋ぎあわせた表現が新鮮。
(4)「The Two-Headed Kid Variations, Pt. 2」のMV。

Louis de Mieulle – bass, keyboards
Eitan Kenner – keyboards
Casimir Liberski – keyboards
Doron Lev – drums (2,4,5,6,7,8)
Raphaël Pannier – drums (1,3,9,10)

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