ネオソウル最注目株、サンプル・カルチュアがデビュー
ネオソウル系の新人ユニット、サンプル・カルチュア(Sample Kulture)のデビューアルバム『Upstairs Headroom』が俄かに注目を集めている。
ジャジーなキーボード/ピアノに、安定感のある女性ヴォーカル、タイトだが遊びのあるドラムとベースのグルーヴ、適度なエレクトロニック、そしてオリジナル楽曲の圧倒的クオリティ。間違いなく次世代の音楽シーンを担うユニットの登場だ。
心地よい浮遊感。ジャズ要素強めのネオソウル
Sample Kulture はヴォーカルのクリッシー・レニック(Chrissy Renick)と鍵盤全般やプログラミングを担当するアンドリュー・ステファン(Andrew Stephen)による2019年結成のユニットで、全てのオリジナル曲がこの二人によって書かれている。
アルバムは彼らの拠点である米国ミズーリ州セントルイスで録音され、その後ジャヴァンやジョアン・ジルベルト、シコ・ブアルキなどを手掛けたブラジルのマスタリングエンジニア、アンドレ・ディアス(Andre Dias)によって仕上げられた。
今作にはオリジナル曲のほか、22歳で飛行機事故による悲劇の死を遂げたポップスター、アリーヤ(Aaliyah)の(6)「Are You That Somebody?」や、1970年代に活躍したソフトロックのデュオ、シールズ&クロフツ(Seals and Crofts)の大ヒット曲(9)「Summer Breeze」のカヴァーも収録。ともに現代的で洗練された解釈・アレンジが施され、彼らのオリジナルかと思わせるほどアルバムに溶け込んでいる。
彼らが影響されたのはブレイクビーツ、ヒップホップ、モダンジャズなど。
確かにキーボード奏者のアンドリュー・ステファンのプレイにはこうした多様な音楽の要素が窺えるが、彼らはそうしたジャンルの垣根を超えて既に自らのモノにした音楽の強みがある。
Chrissy Renick – vocals
Andrew Stephen – piano, rhodes, synths, keyed bass, drum programming
Theodore Brookins – bass
Dhoruba Shakur – drums
Jharis Yokley – drums (6)
Matt Ingram – drums (5, 8)
Sarpay Özçağatay – flute (4)
Kaspar Jalily – guitar (7)
Alyssa Avery – violin (1)