アルゼンチンのSSWティンチョ・アコスタ、南米音楽の良心のような新譜『Silencio』

Tincho Acosta - Silencio

寡作のSSWティンチョ・アコスタ、注目の新譜『Silencio』

(1)「Para Brisa」の柔らかな男性ヴォーカルと澄んだガットギターのイントロでもう既に名盤の香り。魔法のようなソングライティングは七拍子のリズムに依るところも大きい。微かに聴こえるビリンバウ。ゲストヴォーカルには現代アルゼンチン音楽で注目されるSSWロドリゴ・カラソ(Rodrigo Carazo)も参加している。

悠久の時の流れさえ感じさせるこの曲で始まる、アルゼンチンのシンガーソングライター/7弦ギタリストのティンチョ・アコスタ(Tincho Acosta)の2020年新譜『Silencio』
近年人気のフォルクローレにジャズのエッセンスをまぶした良質なアルゼンチン音楽の一派や、“ミナス新世代”と呼ばれるブラジル音楽が好きな方には確実に突き刺さる素晴らしい音楽だと思う。

アルバムではロドリゴ・カラソ(Rodrigo Carazo)が参加した(1)「Para Brisa」だが、
この演奏動画ではフェデリコ・アギーレ(Federico Aguirre)がアコーディオンとヴォーカルで共演している。
もちろん、どちらも絶品だ。

ティンチョ・アコスタは1980年にアルゼンチン西部の山岳地帯の観光都市サン・カルロス・デ・バリローチェに生まれ、現在はブエノスアイレス州都ラ・プラタで活動するSSW/ギタリスト。
2014年に『Tincho Acosta』でデビュー、ソロ名義では寡作だが数々のグループでギタリスト/シンガー/作曲者として参加し、豊富な人脈を築いてきた。

6年ぶりのソロ作となる今作では冒頭で触れたロドリゴ・カラソの他、クリバス(Cribas)のアコーディオン奏者フェデリコ・アギーレ(Federico Aguirre)、アカ・セカ・トリオのドラマー、マリアーノ・カンテーロ(Mariano Cantero)、ラ・プラタの歌手カルメン・サンチェス・ヴィアモンテ(Carmen Sanchez Viamonte)といったゲストが参加。優れたソングライティングとクラシックが基礎であろう確かなテクニックのギター、柔らかな声質のヴォーカルという、まるで欠点の見当たらないティンチョ・アコスタという存在を強力にサポートしている。

Tincho Acosta – guitars, vocals
Mariano Cantero – drums
Rodrigo Carazo – vocals
Ramiro Gonzalo – berimbau
Sebastian Dileva – electric bas
Federico Aguirre – accordion, vocals
Martin Krenz – cello
Robreto Garcilazo – electric guitar
Leonardo Flores – percussion
Lautaro Beluca – contrabass
Marina Arreseygor – cello
Claudio Chehebar – quena, quenacho
Juan Pablo Castrillo – percussion
Carmen Sanchez Viamonte – vocals

Tincho Acosta - Silencio
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