新世代ジャズファンクの旗手、ブッチャー・ブラウン 待望のメジャーデビュー作
バージニア州リッチモンドで2009年に結成、地道な活動を続けてきたファンクバンド、ブッチャー・ブラウン(Butcher Brown)が8枚目の作品にしてついにメジャーデビューを飾った。
今作『#KingButch』は、ジェームズ・ブラウン(James Brown)、Pファンク(P-Funk)、ハービー・ハンコック(Herbie Hancock)といった往年のサウンドから、彼らもステージを共にすることの多いギャラクティック(Galactic)、レタス(Lettuce)、ソウライヴ(Soulive)など近年のファンクバンドまで、幅広い影響が窺えるユニークなアルバムだ。
唯一無二の強烈な個性を持つと言うよりかは、彼らがリスペクトする音を自分たちのものとして取り入れ、器用にアウトプットできるバンド…そんな印象を抱いた。ユーモアもあり、特に(4)「Cabbage (DFC)」なんて、レタスの曲そっくりで笑ってしまう(タイトルも“キャベツ”…w)。
ブッチャー・ブラウンはマルチ奏者/プロデューサーの DJ Harrison (Devonne Harris) を中心に結成、地元で地道に活動を行い2013年にEP『Backtracks』でデビュー。
2014にはトランペット奏者ニコラス・ペイトン(Nicholas Payton)のアルバム『Numbers』で、さらに2015年にはケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)の『To Pimp a Butterfly』でフィーチュアされ話題になっている。
5人の個性がそれぞれ存在感のある音で主張し合っているのも良い。特にトランペット、サックス、そしてMC/ラップまでこなすマーカス・テニー(Marcus Tenney)の存在が光る。
今回のメジャーデビューを機に、新世代のファンクを代表するバンドとして今後さらに広く認知されていくであろうブッチャー・ブラウン。ハッシュタグつきで誇り高く掲げた「#KingButch」に偽りはない。
DJ Harrison (Devonne Harris) – keyboards
Andrew Randazzo – bass
Morgan Burrs – guitar
Marcus Tenney – saxophone, trumpet, rap
Corey Fonville – drums