マシュー・ハルソール、自然への畏怖を表明する新譜『Salute to the Sun』

Matthew Halsall - Salute to the Sun

「ゴンドワナ・レコーズ」主宰者、マシュー・ハルソール新譜

ゴーゴー・ペンギン(GoGo Penguin)などを輩出した英国マンチェスターのレーベル、「ゴンドワナ・レコーズ」の主宰者であり、トランペット奏者/作曲家/プロデューサーのマシュー・ハルソール(Matthew Halsall)が新譜『Salute to the Sun』をリリースした。
アルバムはマンチェスターの注目すべき若手を多数フィーチュアした7人編成で、特徴的な音型の繰り返しや、ハープやカリンバといったジャズでは珍しい楽器による表現がスピリチュアルな印象を増幅させる。

曲のタイトルを見ても分かる通り、本作はシンプルにソウルフルだ。自然への畏怖や敬意は、マシュー・ハルソールの人生哲学そのものなのだろう。(2)「Joyful Spirits of the Universe」ではマット・クリフ(Matt Cliffe)によるフルート、リヴィウ・ゲオルゲ(Liviu Gheorghe)のピアノ、そしてマシュー・ハルソールによるトランペット、最後にギャビン・バラス(Gavin Barras)のベースとソロが回されるが、いずれもシンプルなワンコードが基調となっており各々の自由な想像力/創造力が試される。マディー・ハーバート(Maddie Herbert)のハープは敢えて特徴的なグリッサンドを多用し、10分以上にわたる楽曲全体を引き締めている。

(2)「Joyful Spirits of the Universe」
特徴的に繰り返されるカリンバの音色(キーボード)や、グリッサンドを多用したハープの音色が印象的だ。

収録曲のほとんどはマシュー・ハルソールの作曲というクレジットになっているが、楽曲の自由度からしてメンバーそれぞれの個性がうまく主張しあい、創造的なプロセスを経た作品だということが窺える。
イギリス北西部に根ざしてはいるが、世界的な音楽の啓示を受けた作品という印象も。

Matthew Halsall – trumpet
Matt Cliffe – flute & saxophone
Maddie Herbert – harp
Liviu Gheorghe – piano, keyboards
Gavin Barras – double bass
Alan Taylor – drums
Jack McCarthy – percussion

Matthew Halsall - Salute to the Sun
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