北欧ジャズの異才ヤコブ・カールソン、内なる大海をテーマに描く映画的音楽

Jacob Karlzon - Open Waters

ヤコブ・カールソン『Open Waters』

スウェーデンのピアニスト/作曲家、ヤコブ・カールソン(Jacob Karlzon)の2019年作『Open Waters』は、彼自身の“内なる映画”を表現した壮大な芸術的なピアノトリオ作品だ。

編成はピアノ/シンセ/ローズのヤコブ・カールソン、ベースのモルテン・ラムスボル(Morten Ramsbøl)、ドラムスのラスムス・キルベリ(Rasmus Kihlberg)で、いずれもスウェーデン出身。

うっすらと被せたシンセなど下手をすれば安っぽいイージーリスニングになりかねない発想だが、ここでは複雑で美しいハーモニーと独特のフレージングのアドリブが演奏を芸術へと昇華させる。ヤコブ・カールソンのピアノにはビル・エヴァンス、キース・ジャレット、そしてスウェーデンのヤン・ヨハンソンが宿る。さらにはe.s.t.のエスビョルン・スヴェンソンや、スウェーデンで人気のメタルまでも内在する。アルバムに収録された曲も冷静(Cool)と情熱(Passion)の間を行き来するように曲ごとに異なる表情を見せる。

ヤコブ・カールソンがピアノを弾くとき、常に彼の頭の中には映像があるという。今回は海がテーマ。凪も嵐も、それぞれ海が見せるあらゆる表情のうちのひとつにすぎない。ヤコブ・カールソンはこの作品についてこう語っている──
「僕は君を感情の海に連れ出し、泳ぎたい方向を決めなければならない状況に導きたいんだ」

(1)「Open Waters」のMV

ヤコブ・カールソン(Jacob Karlzon)はスウェーデン南部の都市ヨンショーピングに1970年に生まれた。これまでに11枚以上のアルバムを発表しており、
スウェーデンを代表するジャズ・シンガーであり、文豪トルストイの玄孫であるヴィクトリア・トルストイ(Viktoria Tolstoy)とは同い年でしばしば共演している。

2010年にはスウェーデンのジャンゴドール賞を受賞、そしてジャズ・ミュージシャン・オブ・ジ・イヤーにも選出。2012年に世界一のピアノメーカー、スタインウェイズ&サンズと契約。2015年にはスウェーデンのラジオのリスナー投票でジャズ・グループ・オブ・ジ・イヤーにも選出されている。

スタインウェイ(Steinway & Sons)のピアノ工場で撮影された(7)「How It Ends」のMV。

Jacob Karlzon – piano, synths, Fender Rhodes
Morten Ramsbøl – bass
Rasmus Kihlberg – drums

Jacob Karlzon - Open Waters
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