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スウェーデン

  • 2026-09-06
  • 2026-09-05

あまりに美しいルネサンス・ヴァイオリンが心を動かす。アダム・バウディヒ新譜『Endless』

ポーランドを代表するジャズ・ヴァイオリニスト、アダム・バウディヒ(Adam Baldych)が、新たに結成した多国籍カルテットでの演奏を収録した新譜『Endless』をリリースした。僕はこの音楽家の音色や表現力が大好きなので、やや偏愛的なレビューになってしまうかもしれないけれど、やはり彼の音楽は最高だ。この地球上で最高に美しい音楽のひとつだと言って過言ではないと思う。

  • 2026-08-25
  • 2026-08-23

90年代NYの雑食性から生まれたブルックリン・ファンク・エッセンシャルズ。継承される文化と、新たな変化

1990年代初頭にニューヨーク・ブルックリンで結成されたジャズファンク集団、ブルックリン・ファンク・エッセンシャルズ(Brooklyn Funk Essentials, 略称:BFE)。メンバー変遷を重ねながら30年以上に渡り活動を続ける彼らが、通算8枚目となる新譜『Black Butterfly』をリリースした。ニューヨークのクラブ文化を中心に、ファンク、ヒップホップ、ジャズ、ソウル、レゲエ、ダブ、ラテン音楽、スポークン・ワードなどを自在に混ぜ合わせるグループ初期からの精神性を継承しつつ、欧州出身のメンバーが中心となった多国籍の視点から現代社会の状況を反映したアルバムとなっている。

  • 2026-08-12
  • 2026-08-02

スウェーデンのSSWスミエ・ナガノ 病を経て命と向き合った、儚げな北欧フォーク作『Stardust In Valleys』

スウェーデンのシンガーソングライター、スミエ(Sumie、本名サンドラ・スミエ・ナガノ)の9年ぶりとなるアルバム『Stardust In Valleys』は、ギターと声を中心としたシンプルなサウンドによって、驚くほど豊かな感情を包み込んだ優れた北欧フォーク作品だ。

  • 2026-06-06
  • 2026-06-05

境界を超えた自由な音楽を追求する、ドープなインド系サイケロック Ishaaq Aarkistra

インド系スウェーデン人アーティスト、イシャーク(Ishaaq)ことイサク・クラッソン(Isak Klasson)率いるイシャーク・アーキストラ(Ishaaq Aarkistra)。2026年作『Arikomban Space』は、インドのラーガをベースに西洋音楽の馴染みやすさで繕った、サイケデリックでスピリチュアルな怪作だ。ドラムス、タブラ、ペダルスティールギター、バンスリ、シンセ、そしてヴォーカルという奇特な編成で、即興も重視された60〜70年代風のレトロなバンドサウンドも魅力的だ。

  • 2026-05-31
  • 2026-05-28

女性ヴァイオリン奏者率いるスウェーデンの北欧ジャズ・クインテット新譜『Phoenix』

ノルウェー出身、現在はスウェーデン・ヨーテボリを拠点とする女性ヴァイオリン奏者テレーセ・リーン・エヴェンスタ(Terese Lien Evenstad)率いるクインテットの2026年作『Phoenix』は、ヴァイオリンとクラリネットをフロントに据えた珍しいクインテット編成で、北欧ジャズ特有の静謐さだけではない、生命のエネルギーを感じさせる作品だ。

  • 2026-04-29
  • 2026-04-24

「初めて長調の曲も収録」…次世代北欧ジャズの旗手ヨエル・リュサリデスの新章。『Late on Earth』

「静謐」と「強烈」、この一見相反するとも思える言葉が最も当てはまるというのが、スウェーデン出身のピアニスト、ヨエル・リュサリデス(Joel Lyssarides)への世間の評価らしい。私は彼の過去作について“まるで冬の冷たく引き締まった空気のように端正な音。クラシック音楽からの影響の強いジャズで、思慮深く紡いでいく絶妙なハーモニーは深呼吸したくなるほどの澄んだ美しさ”と評したが、なるほど、静謐なだけでなく「強烈」という言葉も言い得て妙だな、と2026年最新作『Late on Earth』を聴いて思った。

  • 2026-04-17
  • 2026-04-17

この世でもっとも美しく、憂いと悦びに満ちたカルテット Liberetto 深い抒情を湛えた新譜『Echomyr』

リリースのたびに深く美しい抒情性で極上の安らぎを与えてくれる「Liberetto」が、5年ぶりの完全なる新作で再び戻ってきてくれた。アルバムタイトルは 『Liberetto V: Echomyr』、「echo」は音が響き渡る広大な空間を表し、「myr」は古ノルド語で“荒野”を意味する造語なのだという。いつものように、親しみやすさの奥に隠された複雑な構造の美しい楽曲を、単に卓越した技巧だけではない“心の込められた”演奏で聴かせてくれる彼らの心の奥底から湧き上がる情熱と魂によって奏でられた音で、その空間は満たされている。

  • 2026-03-27
  • 2026-10-02

魅惑のカルナティック・プログレメタル!人気ギタリスト、マティアス・エクルンドの超絶新譜

スウェーデン出身の人気ギタリスト/作曲家、マティアス・IA・エクルンド(Mattias IA Eklundh)が放つ、プログレッシヴ・メタル×南インドの超絶バンド、フリーク・オーディオ・ラボ(Freak Audio Lab)の第一弾アルバム『Resist The Erosion』。バンドメンバーにインド出身でコナッコルとムリダンガムの名手B.C.マンジュナート(B.C. Manjunath)、そしてイスラエルの現代プログレ界隈で最強のリズム・セクションともいえるドラマーのヨゲフ・ガバイ(Yogev Gabay)とベースのリオール・オゼリ(Lior Ozeri)を迎え、激しく色彩豊かな音が繰り広げられる驚くべき作品だ。

  • 2026-02-01
  • 2026-02-01

ウクライナ文化と北欧ジャズの抒情豊かな出会い──アンドリー・ポカズ&マグヌス・オストロム

ウクライナ出身のピアニスト/作曲家アンドリー・ポカズ(Andrii Pokaz)と、スウェーデン出身のドラマー、マグヌス・オストロム(Magnus Öström)のデュオEP『Wakeido Island』。6曲の収録曲はそれぞれに異なる物語性を持ち、ピアノとドラムスの多層的な対話が様々な景色を描き出す、じっくりと耳を傾け浸りたい作品となっている。

  • 2026-01-18
  • 2026-01-17

NYの地下ジャズシーンの雄イルハン・エルシャヒン、アナドルロックも取り込んだ注目の新作

トルコにルーツを持つスウェーデン出身のサックス奏者/作曲家であり、2000年代にニューヨーク・マンハッタンのライヴハウス、ヌブル(Nublu)の音楽文化を牽引したイルハン・エルシャヒン(İlhan Erşahin)の6枚目となるアルバム『Istanbul Sessions: Mahalle』がリリースされた。トルコの音楽に影響されたプロジェクト『Istanbul Sessions』(2010年)の続編であり、リリース元はもちろん、彼が2005年に設立したヌブル・レコード(Nublu Records)。

  • 2026-01-04
  • 2026-01-04

ノルウェー発、新世代の北欧ジャズ。リヴ・アンドレア・ハウゲ・トリオ『Døgnville』

アルバム・タイトルの『Døgnville』とは、どうやらノルウェー語に特有で翻訳が難しい言葉らしい。 「døgn」(24時間、昼夜)と「vill」(野生の、道に迷った、混乱した)という単語が組み合わさっており、文字通りには「昼夜迷子」のようなニュアンスを持つという。単に時差ぼけの場合もあれば、ノルウェー北部での白夜や極夜で時間感覚を失った状態、あるいは数日間病気で寝込んだ後の時間の混乱といったときに使われるようだ。

  • 2025-09-21
  • 2025-09-15

驚くべき意思疎通によって創られた魔法のような北欧的即興。ヨーナ・トイヴァネン・トリオ『Gravity』

ヨーナ・トイヴァネン・トリオ(Joona Toivanen Trio)はフィンランドでももっとも長い活動歴を誇るトリオのひとつだ。日本でも、彼らの存在は比較的知られているだろうと思う。なにせ、彼らのデビュー作『Numurkah』(2000年)を“若干21歳のトリオ、フィンランドからの新風!”と紹介し大々的に売り出したのはあのレジェンダリーな澤野工房だったからだ。実際、彼らの音は北欧ジャズらしいリリカルさがあり、さらに若手特有の背伸びした青さもあり、非常に魅力的に映った。

  • 2025-08-09
  • 2025-08-09

欧州ピアノトリオのトップランナー、Tingvall Trio。ラテン語で『平和』と冠した感動的な新作

ティングヴァル・トリオ(Tingvall Trio)の記念すべき10枚目のアルバムである『Pax』(2025年)は、アコースティック・ピアノトリオの真骨頂を見せるというファンの期待に見事に応えたものとなっている。これまで同様に、スウェーデン出身の天才的なピアニスト/作曲家マーティン・ティングヴァル(Martin Tingvall)が全曲を作曲し、結成以来ずっと変わらないリズムセクションの二人──キューバ出身のベース奏者オマール・ロドリゲス・カルボ(Omar Rodriguez Calvo)とドイツ出身のドラマー、ユルゲン・シュピーゲル(Jürgen Spiegel)──とともに、過去から絶え間なく連なるジャズの現在と、未来へのひとつの方向を示す。

  • 2025-03-29
  • 2025-04-26

音楽を再定義する可能性を秘めた壮大な芸術的実験。ポーランドの鬼才レシェック・モジジェル新譜

ポーランドのピアニスト、レシェック・モジジェル(Leszek Możdżer)は新作『Beamo』で、彼の前作『Passacaglia』(2024年)で試みた調性に対する実験をさらに大胆な形で更新している。彼はそれぞれ調律の異なる3台のピアノを用い、調性を放棄するのではなく、調性を拡張する形で音楽そのものを美しく再構築する。