ブラジル7弦ギターの求道者エンリッキ・ネト、デビュー作『Caminhos Abertos』

Henrique Neto - Caminhos Abertos

7弦ギターの表現を追求するギタリスト、エンリッキ・ネト

ブラジルのギタリスト、エンリッキ・ネト(Henrique Neto)の2011年のデビュー作『Caminhos Abertos』が2020年になってようやくサブスクリプション ・サービスにて配信開始された。

本作の収録曲はバーデン・パウエルの(1)「Aviso aos Navegantes」、ドミンギーニョスの(10)「Fuga Pro Nordeste」を除き、他はすべてエンリッキ・ネトのオリジナルで、曲調はクラシカルなものからジャズ、ショーロ、タンゴ、フラメンコなど幅広い。曲によってはピアノやアコーディオンなどゲストが参加しているが、どの曲でも印象深いのはエンリッキ・ネトのアタックの力強いギターの音色だ。
ブラジルには優れたギタリストが無限に思えるほどたくさんいるが、エンリッキ・ネトも注目に値する音楽家だと思う。この2011年作以降、他にアルバムを出していないようだが、彼のYouTubeチャンネルでは時々新しい演奏動画がアップされるので注目して欲しい。

バーデン・パウエル作曲の(1)「Aviso aos Navegantes」

Choro Livre の10年来のメンバーとしても知られるエンリッキ・ネトはハファエル・ハベーロ(Raphael Rabello)やヤマンドゥ・コスタ(Yamandu Costa)といったパイオニアとともに、7弦ギターでのブラジル音楽の表現を追求してきた卓越した音楽的センスを持つギタリストだ。ブラジリア大学で音楽の学位を取得し、本作をリリース後、2012年からブラジルのショーロ・ハファエル・ハベーロ音楽学校(Escola Brasileira de Choro Raphael Rabello)のコーディネーターを務めている。

今作未収録曲「Interior」を演奏するエンリッキ・ネト
Henrique Neto - Caminhos Abertos
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