ブラジル音楽に心惹かれたイタリアの歌手、マファルダ・ミノッシ
イタリアのシンガー、マファルダ・ミノッシ(Mafalda Minnozzi)の新譜『Sensorial: Portraits In Bossa & Jazz』はその名の通り軽妙&上質なジャズボッサ。ジョビンなどのブラジルのスランダード曲を多数取り上げた耳馴染みの良い作品だ。
1986年にマチェラータ県の小さな町サンセヴェリーノマルケでシンガーとして活動を開始して以来ずっと、彼女はブラジル音楽の自然で洗練された魅力に取り憑かれてきた。最初のステージではポルトガル語で「イパネマの娘」や「ジサフィナード」などを歌った。柔らかく甘美なリズム、複雑で魅力的なハーモニーは今も彼女の心を捉えて離さない。
今作ではそんなマファルダ・ミノッシのブラジル音楽への愛情が伝わってくる。
(1)「A Felicidade / Consolação」はジョビンとバーデン・パウエルのメロディーだが、若干アップテンポの演奏からは歌う喜びが伝わってくる。
愛しむように歌われる(4)「É Preciso Perdoar / Lonnie’s Lament」、バーデン・パウエル作曲/ヴィニシウス・ヂ・モラエス作詞の名曲(7)「Samba da Benção(祝福のサンバ)」、ボサノヴァの記念碑的楽曲(10)「Chega de Saudade」などなど、名曲揃いの選曲。
音楽の素晴らしさを心から堪能できる作品だ。
マファルダ・ミノッシ(Mafalda Minnozzi)は1967年イタリアのパヴィーア生まれ。キャリア初期ではエディット・ピアフ、エラ・フィッツジェラルド、ビリー・ホリデイ、カテリーナ・ヴァレンテといった歌姫たちを研究。1986年から1993年にかけて、Festival di Ariccia、Sanremo Famosi、European Radio Festival などの有名なタレントフェスティバルで優勝。
彼女は常に母国イタリアの歌を超えてレパートリーを拡大することに興味を持っており、そのキャリアの中でフランス、ブラジル、アメリカなど世界中の歌を多言語で歌ってきている。特にブラジルとの関係は深く、これまでにミルトン・ナシメント、ギンガ、アンドレ・メマーリ、ナ・オゼッティ、トッキーニョといったブラジルのアーティストと共演、ブラジル国内各地で20年以上にわたるキャリアを築いている。