UKシーンの気鋭ユニット、Snowpoet アーティスティックな新譜

Snowpoet - Wait for Me

UKシーンの気鋭ユニット、Snowpoet 個性的な新譜『Wait for Me』

ジャズFM・ヴォーカリスト・オブ・ジ・イヤー2016のローレン・キンセラ(Lauren Kinsella)と、マルチ器楽奏者のクリス・ハイソン(Chris Hyson)を中心としたグループ、Snowpoet の2021年新譜『Wait for Me』

Snowpoet はデビュー以来、ビョーク(Björk)やジョニ・ミッチェル(Joni Mitchell)、エスビョルン・スヴェンソン・トリオ(Esbjörn Svensson Trio)も比較に持ち出されるなど独自の世界観を築いてきた。

今作でも実験的でありながらもキャッチーな感覚も持ち合わせた無二のサウンドが楽しめる。クリス・ハイソンの幻想的なピアノやシンセと、アイルランド出身のローレン・キンセラの声は高次元で一体化。アルバムの多くの楽曲に参加するジョシュ・アルコレオ(Josh Arcoleo)のサックスもスピリチュアルで効果的だ。
ゲストではヴァイオリンのアリス・ザワツキー(Alice Zawadski)も参加している。彼女の2019年作『Within You Is a World of Spring』はとても芸術性が高く素晴らしかった。こうした感度の高いミュージシャンが集まり、新しい音楽を創造していくUKのジャズシーンらしい一枚だと思う。

変拍子だが聴きやすい(1)「Roots」

そして、日本人としては(11)「Floating Practice」での東京の禅僧の物語が印象に残る。
毎年春に、寒緋桜や山桜、フゲンゾウの開花を楽しみに待つ男の物語が語られる曲で、四季の移ろいを愛する人の心の機微が美しく表現された名演だ。


Snowpoet は2014年に最初のEP『Butterfly』をリリース。2018年作『Thought You Knew』は米国のナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)で年間ベストアルバムのひとつと位置付けられるなど高く評価された。

Lauren Kinsella – vocals
Chris Hyson – piano, synths
Matthew Robinson – piano, synths
Josh Arcoleo – saxophone
Dave Hamblett – drums

Guests :
Lloyd Haines – drums (8)
Alex Haines – guitar
Alice Zawadski – violin

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