パット・メセニー新譜は米国を代表するギタリストたちとの異色コラボ

Pat Metheny - Road to the Sun

パット・メセニー新譜は挑戦的な快作

グラミー賞受賞20回を誇る米国の名ギタリストの新譜は驚くべきチャレンジングな作品だった。

パット・メセニー(Pat Metheny)の新譜『Road to the Sun』は、メセニーの自作曲を5人のクラシック・ギタリストが弾くという構成になっている。

楽曲は組曲形式になっている。

(1)〜(4)「Four Paths of Light」を弾くのはメセニーが初めてその演奏を聴いた瞬間からお気に入りのギタリストになったというジェイソン・ヴィオー(Jason Vieaux)。2015年にアルバム『Play』でグラミー賞を受賞した米国随一のクラシックギター奏者で、正確無比なテクニックと緩急自在の表現力で力強くメセニーの難曲を奏でる。ジェイソン・ヴィオーは2005年にパット・メセニー曲集『Images of Metheny』もリリースしており、相思相愛の夢の共演といったところだろうか。

(5)〜(10)「Road to the Sun」はロサンゼルス・ギター・カルテット(Los Angeles Guitar Quartet, LAGQ)による演奏。メセニーが“世界でもっとも優れたバンドのひとつ”と称える同カルテットは、1980年の創立以来これまでにクラシックの枠に捉われずフラメンコ、バロック、ブルーグラス、ロック、ニューエイジなど様々なスタイルの楽曲に挑戦してきた。2005年にグラミー賞を受賞。
創立メンバーであるジョン・ディアマン(John Dearman)が7弦ギターで主に低音を支え、他のメンバーは様々なスタイルで変幻自在のアンサンブルを聴かせる。中にはジャズ的なソロもあり、かなり聴き応えのあるバンドだ。

ラストはエストニア生まれの作曲家、アルヴォ・ペルト(Arvo Pärt)作の曲「Für Alina」で、ここでようやくパット・メセニーがギタリストとして登場。トレードマークの42弦“ピカソ・ギター”による演奏で深く美しい余韻を残す。

Jason Vieaux – guitar (1 – 4)

Los Angeles Guitar Quartet (5 – 10) :
John Dearman – 7-strings guitar
William Kanengiser – guitar
Scott Tennant – guitar
Matthew Greif – guitar

Pat Metheny – 42-strings guitar (11)

Pat Metheny - Road to the Sun
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