ケレンダン&ニタイ・ハーシュコヴィッツ、恍惚のデュオ作

KerenDun & Nitai Hershkovits - Let the Mountain In

夢にたゆたうイスラエルの気鋭デュオ

イスラエルの良質なJazz/ネオソウルのレーベル、Raw Tapes より、アヴィシャイ・コーエン・トリオで活躍したピアニスト/作曲家のニタイ・ハーシュコヴィッツ(Nitai Hershkovits)と、バターリング・トリオのヴォーカル/作曲家ケレンダン(KerenDun)のデュオ作が登場。

2021年リリースのEP『Let the Mountain In』はリズムセクションを伴わないため、基本的にニタイ・ハーシュコヴィッツのピアノとケレンダンのヴォーカルのみという極限的にスピリチュアルで繊細な絶品のサウンドに浸れる。ニタイのピアノは彼の特長である繊細なタッチが絶妙にケレンのヴォーカルに絡み、電気ピアノを弾く(2)「Out of the Sunless Pools」や、ゲスト参加のヨナタン・アルバラク(Yonatan Albalak)が醸し出すスペーシーな空間では夢にたゆたうような幻想的な音空間が繰り広げられる。

これは本当に…なんとも恍惚で美しい作品だ。

(2)「Out of the Sunless Pools」。
こちらの動画ではニタイ・ハーシュコヴィッツはグランドピアノを弾いているが、EP収録版ではローズピアノを弾いている。

今作で主にヴォーカルを担当するケレンダン(KerenDun, 本名Keren Dunitz)は人気ユニット、バターリング・トリオ(Buttering Trio)でも活躍する作曲家/マルチプレイヤー/プロデューサー。1986年生まれで、多くのアーティストを輩出するテルマ・イェリン芸術学校を卒業しており、同学校で出会ったリジョイサーことユヴィ・ハヴキン(Yuvi Havkin)らと共に2011年にバターリング・トリオを結成。その斬新なサウンドは世界的に高い評価を得ている。
今作ではヴォーカルの他、(4)「Yud Yud」ではサックスも吹いている。

ピアニストのニタイ・ハーシュコヴィッツ(Nitai Hershkovits)は1988年にモロッコ人の母親とポーランド人の父親の間に生まれた。ジャズではソニー・ロリンズやジョン・コルトレーンに強く影響を受け、特にコルトレーンのソロは殆どを採譜し研究したという。これまでにダニエル・ザミールやアヴィシャイ・コーエンといったカリスマ的奏者のバンドで活躍し、近年はソロ活動も充実。現代イスラエルジャズを代表する若手ピアニストの一人となっている。

(3)「Woman’s Reach」のライヴ演奏動画。

Nitai Hershkovits – piano, keyboards, vocal
KerenDun – vocal, saxophone

Guests :
Yudko – saxophone (4)

Yonatan Albalak – bass, guitar (5)

KerenDun & Nitai Hershkovits - Let the Mountain In
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