確かなジャズ&ソウル。TAB Collective『Back in Town』
ドイツ出身のドラマー/作曲家/プロデューサー、エマニュエル・ハウプトマン(Emanuel Hauptmann)率いるジャズバンド、タブ・コレクティヴ(TAB Collective)は正統派のジャズを太い幹としつつも、ソウルやゴスペル、ポップスの要素も取り入れジャズの可能性を探ろうとする。
彼らのデビュー作『Back in Town』(2021年)では、アメリカ合衆国出身の渋みのあるジャズらしい歌声の男性歌手ケン・ノリス(Ken Norris)と、ソウルフルな歌を聴かせるリベリア系ドイツ人の女性歌手パット・アップルトン(Pat Appleton)をフィーチュアし、全編馴染みやすい歌モノで構成されている。演奏陣の編成はピアノ、ヴィブラフォン、ベース、ドラムスというカルテットで、新しさこそないが純粋に音楽を演奏する喜びが感じられる真摯で安定したアンサンブル。静かな夜と、いくつもの人生が交叉する街と、ほのかな酩酊が最高に似合いそうな音楽だ。
TAB Collective :
Emanuel Hauptman – drums
Tino Derado – piano, rhodes
Roland Neffe – vibraphone, marimba
Andreas Lang – double bass, e-bass
Pat Appleton – vocal
Ken Norris – vocal
Special Guest :
Christian Lohr – percussions (1)