美しく荘厳な響き…北欧民族楽器カンテレ奏者、ECMからソロ作品をリリース

Sinikka Langeland - Wolf Rune

カンテレ奏者シニッカ・ランゲラン、荘厳な響きのソロアルバム

ノルウェー出身のカンテレ奏者/SSWのシニッカ・ランゲラン(Sinikka Langeland)によるソロ作品『Wolf Rune』は、フィンランド発祥のツィター属の楽器カンテレの音色と、神秘的で美しい歌声が美しく響くECMらしいサウンドのアルバムだ。
収録曲は大部分が彼女のオリジナルだが、トラディショナルも4曲ほど取り上げられている。

今作はソロで、聴こえる音はカンテレと歌のみ。だがカンテレの弦は曲によってナイロン弦とスティール弦の音色が聴こえ、さらには指弾きだけでなく弓を使ったり、多重録音を行ったと思われる演奏もありバリエーションは豊か。
カンテレはその楽器の構造上、複雑な和音やスケールを演奏することができずシンプルな楽曲になりがちだが、倍音成分の豊かな音色は宗教音楽や民族音楽の荘厳さがありとても魅力的だ。
クラシックとも民族音楽ともジャズともつかない深い精神世界に誘うサウンドが素晴らしい。

(5)「The Eye Of The Blue Whale」

シニッカ・ランゲランはノルウェー人の父とフィンランド人の母のもと、1961年にノルウェーで生まれた。幼い頃からピアノやギターを演奏し、伝統音楽に親しんできたという。カンテレを弾き始めたのは20歳の頃から。学生時代はパリの演劇学校ジャック・ルコックで学び、演劇の仕事をこなしたが、その後オスロに戻り音楽と音楽学の研究に時間を費やした。特に人と自然との関わりや、各地に伝わる古い民謡などに惹かれ、自身の表現に取り入れていったという。1994年にソロアルバム『Langt Innpå Skoga』でデビューし、2007年からはECMから作品を発表。
これまでにアルヴェ・ヘンリクセン(Arve Henriksen)、アンデルシュ・ヨルミン(Anders Jormin)、ビョルン・イェレミール (Bjørn Kjellemyr)といった北欧を代表するミュージシャンと共演を重ねてきている。

Sinikka Langeland – vocal, kantele

Sinikka Langeland - Wolf Rune
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