ドイツの女性SSW/卓越したギタリスト、ジュール・マリシュケ

Jule Malischke - Whatever May Happen

大好きな曲、エグベルト・ジスモンチの「Palhaço(道化師)」の素敵なギター演奏動画をYouTubeで見つけた。

ドイツの女性ギタリストが弾いているもので、演奏テクニックはもちろんのこと、美しい佇まいや途中で思わず漏れ出るハミングもなんとも素敵な演奏。
どういう方なのだろうと調べてみると、意外なことにフォーク/ポップス系のシンガーソングライターとしてアルバムも出しているアーティストだった。そのアルバムも素晴らしい作品だったが、まだほとんど日本では紹介されていないようなのでここにきちんと紹介しておきたい。

エグベルト・ジスモンチの「Palhaço」を演奏するジュール・マリシュケ。
クラシックギタリストとしての腕も素晴らしい。

ジュール・マリシュケ、ドイツ出身のギタリスト/SSW

彼女の名前はジュール・マリシュケ(Jule Malischke)。1986年ドイツ南部のハイデンハイム・アン・デア・ブレンツ生まれ。8歳から始めたクラシックギターではドイツ国内のいくつかのコンクールで受賞するほどの実力を持ちつつ、一方では多感な少女らしくポピュラー音楽への関心の高まりとともに15歳頃からフォークギターやエレクトリックギターも手に取り演奏するようになった。17歳で友人たちと初めてバンドを組み、ユーライア・ヒープ(Uriah Heep)やバークレイ・ジェイムス・ハーヴェスト(Barclay James Harvest)など英米音楽のカヴァーを演奏。

2005年、19歳の頃にハイデンハイムのギター教師ウィリ・ハイヤー(Willi Geyer)とギターデュオ活動を開始し、大学で音楽教育を学ぶ傍ら2008年まで活動。その後は主にソロになりクラシックとポピュラー音楽の両分野で活動し、2014年にシンガーソングライターとしてデビューアルバム『Whatever May Happen』をリリースした。

このアルバムがとても素晴らしく、ジョニ・ミッチェル、エド・シーランら英米のロックやカントリーに影響されたシンプルでキャッチーなコンポージング、スティール弦のアコースティックギターを用いていながらクラシック出身のギタリストらしいアルペジオを多用した演奏、そして堅実で爽快な歌声など、どれも一級品。ギタリスト、ステファン・ボルマン(Stephan Bormann)と協働した素晴らしい作品に仕上がっている。

アルバム『Whatever May Happen』の紹介動画。

現時点で、その後アルバムはリリースされていないようだが、彼女のYouTubeチャンネルには最近になってジョニ・ミッチェル(Joni Mitchell)の「A Case Of You」を演奏する動画がアップされており、次回作への期待も高まる。

ジョニ・ミッチェルの「A Case Of You」を弾き語るジュール・マリシュケ
Jule Malischke - Whatever May Happen
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