チャーリー・ハンターがプロデュース!注目の新星ファンク・ポップバンド「Reliably Bad」デビュー

Reliably Bad - Space Girl

今もっとも勢いのあるファンクバンド、Reliably Bad

米国ノースカロライナ州の8人組ファンクポップバンド、リライアブリー・バッド(Reliably Bad)がアルバム『Space Girl』で待望のデビューを飾った。アルバムのプロデュースは鬼才ギタリストのチャーリー・ハンター(Charlie Hunter)。

紅一点のヴォーカリスト、ジェス・シュナイダー(Jess Schneider)を中心とするこのバンドは元々ノースカロライナの大学のイベントにダンサブルな音楽を提供するために2018年に結成されたが、その音楽性の高さからすぐに地域の注目を集める存在になった。2020年の夏には米国の東海岸各地のフェスティヴァルに出演しさらに多くのファンを集める予定だったが、不測のパンデミックはそれを困難にしてしまった。予定変更を余儀なくされた彼らはフェスのために割かれるはずだった時間を毎週のZoomでの練習にあて、そしてスタジオが再開してすぐに録音に取り掛かりこの素晴らしいデビューアルバムを作り上げたというわけだ。かくして多くの先行シングルのリリースのあと、2021年2月にフルアルバムが世界中のリスナーに届けられた。

彼らの音楽にはシンプルだが確かなファンク/ソウルの歴史や精神が含まれており、世界的なパンデミックや反差別運動といった現代の社会的課題も敏感に捉えた世界観が魅力的だ。たとえば(2)「Make It Out」のMVでは必ず良い日々がやってくるとポジティブに歌うジェス・シュナイダーと、マスク姿で力強く演奏するバンドの若者たちの姿が強く印象を残す。

世界的パンデミックの諦観と、その後の世界への希望が感じられる最初のシングル(2)「Make It Out」のMV。

バンドの正式メンバーは8人で、ほとんどが大学でジャズを専攻していた。アルバムの録音には曲によって追加のブラス隊やストリングスのアレンジなども入りサウンドは絢爛。ラストの(9)「All the Time」ではゲスト参加のペダルスティールギター奏者ダショーン・ヒックマン(Dashawn Hickman)の熱いソロも聴くことができる。

60年代から脈々と受け継がれてきたジャズやファンク、ソウルに根ざした丁寧なアレンジも素晴らしいが、最大の魅力はジェス・シュナイダーの歌唱力だろう。YouTubeではバンド結成後間もない頃のセッションなども観ることができるが、彼らの実力はこの短期間で間違いなく大きくレベルアップしている。これからのサクセスストーリーに大いに期待したい。

いなくなった友達を想いながら、待つことを歌う(3)「Summer」。
ワウがかかったギターのカッティング。王道ファンク(1)「Space Girl」
(9)「All the Time」の演奏にはプロデューサーのチャーリー・ハンターも参加。
ただし彼はギターではなく、シェイカーを振っている。

Reliably Bad :
Matt Laird – bass
Chris Sisco – trumpet
Charlie Sothcott – trombone
Jimmy Washington – guitar
Colin Moser – keyboards
Zac Covington – drums
Jess Schneider – vocal
Chris Peebles – saxophone

Reliably Bad - Space Girl
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