ミナス新世代の礎を築いたマイーザ・モウラ、12年ぶりの2ndアルバム

Maísa Moura - O Azul Daqui

マイーザ・モウラ、実に12年ぶりのソロ2ndアルバム

ブラジル・ミナスジェライス州出身の女性シンガー、マイーザ・モウラ(Maísa Moura)の12年ぶりの2ndアルバム『O Azul Daqui』がリリースされた。象徴的な青色(=Azul)を基調としたジャケットの絵は妹であるジゼリ・モウラ(Gisele Moura)が描いたもので、そのイメージそのままのミナス音楽やブラジル北東部音楽に由来する瑞々しいサウンドは近年のブラジル音楽の中でも屈指の絶品だ。

今作ではミナスを代表するシンガーソングライターであるマケリー・カ(Makely Ka)の楽曲を中心にゆったりと詩情豊かに歌い上げる。マケリー・カはクリストフ・シウヴァ(Kristoff Silva)やパブロ・カストロ(Pablo Castro)とともに“21世紀のクルビ・ダ・エスキーナ”と呼ばれるヘシクロ・ジェラウ(Reciclo Geral)のムーヴメントの中心人物で、彼らの2003年の作品『A Outra Cidade』は同年のベストアルバムのひとつにも数えられ、後に続くアントニオ・ロウレイロ(Antonio Loureiro)やアレシャンドリ・アンドレス(Alexandre Andres)といった“ミナス新世代”の礎となった金字塔と讃えられている。

今作ではそのマケリー・カがギターで参加しているほか、イタリアのクラリネット奏者ガブリエーレ・ミラバッシ(Gabriele Mirabassi)、ミナス新世代の兄貴分で今作ではアコーディオンを弾くハファエル・マルチニ(Rafael Martini)、現代のミナス音楽シーンに欠かせないチェリストのフェリペ・ジョゼ(Felipe José)に打楽器奏者ユリ・ヴェラスコ(Yuri Velasco)らが参加。曲ごとに編成は変わるが、どれもミナス音楽の良さを凝縮したあたたかなアコースティック・アンサンブルが素晴らしく、マイーザ・モウラの声を引き立てる。

ラスト(14)「Sertão」はカエターノ・ヴェローゾ(Caetano Veloso)とその息子モレーノ・ヴェローゾ(Moreno Veloso)の共作曲で、マイーザ・モウラの歌唱はアルバムの締めくくりに相応しくいつまでも美しい余韻を残す。

ブラジル北東部のフォホーのリズムを用いたシングル曲(11)「Forró em Oeiras」
Maísa Moura - O Azul Daqui
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