世界を覆い尽くした灰から生まれた現在と未来のための音楽『Tribe from the Ashes』

Ji Dru & Sandra Nkaké - Tribe from the Ashes

困難な時代だからこそ生まれた古くて新しい音楽

フランス・アミアン出身のフルート奏者のジ・ドリュー(Ji Dru)、カメルーン出身フランス在住の女優/歌手サンドラ・ンカケ(Sandra Nkaké)、フランス・マルセイユ出身歌手マリオン・ランパル(Marion Rampal)らがコロナ禍のロックダウン中に呼びかけあって制作開始したプロジェクト、『Tribe from the Ashes』がリリースされた。

総勢16名のミュージシャンが演奏に参加したアルバムは主にアコースティック楽器と重層的な声で構成されている。クラシック音楽、ポップス、ジャズ、R&B、ソウルといった多様なジャンルから影響されたであろうサウンドで、過去の音楽の延長線上にありながらも、今を超えて未来を見据えたような独特の音楽だ。

(1)「Nineteen」では、燃やし尽くされた旧い世界の灰の中から、炎に屈せず再び立ち上がる人類の強さを歌う。この曲に象徴されるように、本作は激変する時代の音楽の在り方を示すように感じる。一時は深い悲しみに沈みながらも決して挫けることのない生命力や、一部の曲のソロにみられるように瞬間的には不安定にアウトしながらも最後にはコードトーンに落ち着く自然の摂理がここにはある。

(1)「Nineteen」。困難の時代に決して屈することのない意志の強さを感じさせる。
(3)「Eurydice」

男性フルート奏者のジ・ドリューことジェローム・ドリュー(Jérôme Drû)は1974年生まれ。音楽家としては1990年代後半から様々なプロジェクトで活躍し、世界40ヵ国以上で公演を行なっている。ジャズや即興、各地の伝統音楽や電子音楽など幅広い関心を持ち、一方ではグラフィックデザイナーとしての顔も持つ才人。

シンガーのサンドラ・ンカケ(Sandra Nkaké)は1973年カメルーン生まれ、12歳でフランスに移住。演劇を学び舞台や映画、TVなどで女優として活躍する傍ら、歌手としても活動しこれまでに本作を含む4枚のアルバムをリリースしている。

シンガーのマリオン・ランパル(Marion Rampal)は1980年生まれ。祖父が好きなナット・キング・コールや母親が好むミシェル・ルグランといったジャズに触れながら幼少期を過ごし、十代後半でロックバンド“Wesh Wesh”に参加。19歳頃からはジャズシンガーとしての道を歩み始め、2009年にソロデビュー作『Own Virago』をリリースした。

(10)「Empty Space」のライヴ・セッション

Sandra Nkaké – voice
Marion Rampal – voice
Jî Drû – voice, flute
Paul Colomb – cello
Anne Gouverneur – violin
Manuel Marchès – double bass
Jean Pai Dary – piano, rhodes
Mathieu Penot – drums
Thomas de Pourquery – alto saxophone
Anne Paceo – voice
Christophe ‘Disco’ Mink – harp
Antoine Berjeaut – bugle, trumpet
Nathalie Ahadji – tenor saxophone
Jérôme ‘Tchiky’ Perez – electric guitar
Mathilda Haynes – acoustic guitar
Sophie Bernado – bassoon

Ji Dru & Sandra Nkaké - Tribe from the Ashes
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