先進的なショーロのグループ、Assanhado Quarteto の2nd
2015年のデビュー作『Feira』でユニークなショーロを聴かせてくれたミナスジェライスの4人組、アサニャード・クアルテート(Assanhado Quarteto)の新譜『Jararaca』は、ブラジルの様々なリズムやジャズを飲み込み、より音楽性の幅が広がった作品となった。プロデュースはハファエル・マルチニ(Rafael Martini)が務めている。
カルテットの編成は7弦ギター、カヴァキーニョ、エレクトリック/アコースティックベース、ドラムス/パーカッションで、やはり従来のショーロの編成にはほとんど見られなかったエレクトリックベースやドラムスの存在がこのバンドの大きな特徴だ。煌びやかなカヴァキーニョや7弦ギターの音はショーロらしさがあるものの、バンド全体のサウンドはやはりロックやジャズ、フュージョンといった音楽との折衷の印象が強い。(4)「Adora」ではエレクトリック・ギターやシンセも彩りを添えており、このジャンルレスな感じは新鮮だ。
アコーディオン奏者のベベ・クラメール(Bebê Kramer)をフィーチュアした(1)「Montmartre」は叙情的な6/8拍子の曲で、アンドレ・ミラグレス(André Milagres)のギターとクラメールのアコーディオンの掛け合いが楽しい。
ブラジル北東部音楽のリズム、ショッチで演奏される(6)「Xote da Esperança」では多才なヴァイオリン奏者カロル・パネージ(Carol Panesi)をゲストに迎え、彼女のソロをたっぷりと味わうことができる。
続くマリオ・セヴィ(Mário Seve)作曲の(7)「Fitas e Turbantes」では、楽曲の後半でセルジオ・サントス(Sergio Santos)やマイラ・マンガ(Maíra Manga)らミナスの新旧のアーティストがコーラスに参加している。
シコ・ブアルキの歌唱で広く知られる(9)「Sinal Fechado」はパウリーニョ・ダ・ヴィオラ(Paulinho da Viola)作曲で、
(12)「De Belô a Melbourne」はオーストラリアのギタリスト、ポール・キャリー(Paul Carey)がアサニャード・クアルテートのために作曲したもの。
ミナスで活躍するAssanhado Quarteto
アサニャード・クアルテートは7弦ギタリスト/作曲家のアンドレ・ミラグレスを中心に2011年に結成以来、従来のショーロの枠にとらわれない自由な発想でブラジルの音楽を探求する。ブラジル・ミナスジェライス州を拠点とし、各地のライヴコンサートなどで活動。Jovem Instrumentista BDMG や Festival Choro Novo、Festival Música Nova/Chorinho などいくつかの器楽コンテストで受賞するなど活躍している。
Assanhado Quarteto :
André Milagres – 7-strings guitar
Lucas Ladeia – cavaquinho
Rodrigo Heringer – drums, percussion
Rodrigo Magalhães – bass
Guests :
Bebê Kramer – accordion (1)
Carol Panesi – violin (6)
Maíra Manga – voice (7)
Natália Mitre – voice (7)
Sergio Santos – voice (7)
Gabi Guedes – percussion (8, 10)