UK発!昂奮の轟音アフロジャズバンド、Ill Considered

Ill Considered - Liminal Space

UK発轟音アフロジャズバンド、イル・コンシダード

英国ロンドンのジャズバンド、イル・コンシダード(Ill Considered)のサウンドは刺激的な音楽を求める多くの人に刺さりそうだ。新譜『Liminal Space』では、アフロビートに強く感化された生きたグルーヴが渦巻く上でサックスが自由に遊泳する。バンドはサックス、ベース、ドラムスの3人編成だがゲストミュージシャンによる金管、木管、パーカッションなども加わり異様なトランス感を生み出している。

1990〜2000年代に活躍したMMWやGalacticといったジャズ系ジャムバンドのような即興性の高いアンサンブルだが、Ill Considered はアフリカ由来のリズムを大胆に取り入れており更に中毒性が増している。グナワを彷彿させる延々と繰り返すベースライン、それとは好対照に細かく手数の多いドラミング。サックスのイドリス・ラーマン(Idris Rahman)はイングランド南東部のチチェスター出身だが、父親はベンガル人とのことで即興のフレーズには時折そのルーツが垣間見える。

(5)「Dervish」。サックスはエフェクターも使っているのか、かなりの轟音サウンドに。

バンド名「Ill Considered」は“軽率な”といった意味。2017年から2019年の間に立て続けに9枚ものアルバムをリリースしシーンを賑やかしている。
録音やミックス、マスタリングはバンドのドラマーであるエムレ・ラマザノグルEmre Ramazanoglu)が担っており、これまでにノエル・ギャラガー、シャキーラ、カイリー・ミノーグ、リチャード・アシュクロフトなど名だたるアーティストの作品に携わってきた彼の作る音はバンドの大きな特長だ。

グナワ音楽の影響が色濃く反映された(3)「Loosed」

Ill Considered :
Idris Rahman – tenor saxophone, bass clarinet
Liran Donin – bass
Emre Ramazanoglu – drums

Guests :
Kaidi Akinnibi – tenor saxophone
Ahnanse – tenor saxophone
Tamar Osborn – baritone saxophone, flute
Robin Hopcraft – trumpet
Theon Cross – tuba
Ralph Wylde – vibraphone
Leon Brichard – bass
Ollie Savill – percussion
Sarathy Korwar – percussion

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