フラメンコ・ピアノの新星チコ・ペレス、輝きを増した2nd『Continente 27』

Chico Pérez - Continente 27

フラメンコ・ピアノの新星チコ・ペレス、輝きを増した2nd『Continente 27』

2019年のデビューアルバム『Gruserías』が最高のフラメンコ・アルバムのひとつと絶賛されたスペインの若手ピアニスト/作曲家、チコ・ペレス(Chico Pérez)の2作目となる新譜『Continente 27』。フラメンコを表現するために欠かせないギターではなく、ピアノを主役にした彼の音楽は伝統に則りながらも確かな現代性と個性で新たなフラメンコ音楽の可能性の扉を開く。

フラメンコのカンテ(歌)やパルマ(手拍子)に、ジャズやフュージョン、ファンクといった音楽からのアプローチ、とかく難しく閉鎖的になりがちな伝統音楽にポップスのような親しみやすさ・聴きやすさも持ち込んだ前作の路線をさらに強化した内容で、広く万人におすすめできそうなコンテンポラリー・ワールドミュージック。

フラメンコをベースにジャズやボサノヴァも取り入れた音楽を歌うシンガー、サンドラ・カラスコ(Sandra Carrasco)をゲストに迎えた(1)「Leleré」は多様性の塊のような優れたコンテンポラリー・フラメンコで、いきなり耳は釘付けに。

サンドラ・カラスコをフィーチュアした(1)「Leleré」

(2)「Cambio de Rumbo」はフュージョンからの影響も強く、デヴィッド・ベノワ(David Benoit)がフラメンコをやったらこんなサウンドになりそう。 この曲に限らずチコ・ペレスのピアノは硬質で歯切れ良くとても明るく、その音は確かにクリシックギターに対するフラメンコギターの特性に似ている。彼はスペインのピアノメーカー、HINVESのピアノを使っているようで、楽器の音の個性も彼の音楽性の重要な要素のように感じる。

(5)「Callejón del Agua」では歌手マヌエル・ロンボ(Manuel Lombo)が参加。

フラメンコに新風をもたらすチコ・ペレス

チコ・ペレスは1994年生まれ。ミュージシャンの家系のなかで幼少期からクラシックピアノを習い、6歳の頃からステージを経験。アンダルシア州ハエンの音楽学校でピアノを専攻し、その後より高いレベルを求めマドリードに移った。デビュー作はInstituto RTVE にてベストアーティスト賞、ヤングタレント賞など数々の賞に輝き、ベスト・フラメンコ・アルバムにもノミネートされるなど一躍現代フラメンコ界のホープに躍り出た。

関連記事

Chico Pérez - Continente 27
最新情報をチェックしよう!