冬の澄んだ空気のように深く吸い込みたくなる北欧ジャズ絶品、ヨエル・リュサリデス新譜

Joel Lyssarides - Stay Now

Joel Lyssarides Trio 『Stay Now』

スウェーデンのピアニスト、ヨエル・リュサリデス(Joel Lyssarides)のピアノトリオ作品 『Stay Now』
1992年生まれのピアニストは2017年に『Dreamer』でデビューしたが、これまでスウェーデン国外ではあまり広く聴かれてこなかった。名門ACTからリリースされた彼自身3枚目のアルバムとなる今作は、北欧ジャズの新星を強く印象づける詩的で美しい内容で、彼のキャリアにとっても大きな飛躍の一枚となるだろう。

まるで冬の冷たく引き締まった空気のように端正な音。クラシック音楽からの影響の強いジャズで、思慮深く紡いでいく絶妙なハーモニーは深呼吸したくなるほどの澄んだ美しさ。

トリオのメンバーは全2作と変わらず、ベースにニクラス・フェルンクヴィスト(Niklas Fernqvist)、ドラムスにラスムス・ブリクストRasmus Blixt)という編成。作曲は全曲がヨエル・リュサリデスとニクラス・フェルンクヴィストの名がクレジットされている。

(8)「Stay Now」のライヴ演奏。

ヨエル・リュサリデスはスウェーデンの首都ストックホルム出身。家系のルーツはギリシャ。
ソドララテン音楽学校やストックホルム王立音楽院で学び、バッハやラフマニノフ、スクリャービン、ブラームスといったヨーロッパのクラシック音楽からビル・エヴァンスやキース・ジャレットなどジャズの巨匠、そしてエスビョルン・スヴェンソンやボボ・ステンソンといった同郷の偉大な先人たちから影響を受けてきた。

自身のリーダー作だけでなく、これまでにアンネ・ゾフィー・フォン・オッター、ニルス・ラングレン、スヴェン=ベルティル・タウベ、シルヴァーナ・イマームといった幅広いアーティストと共演を重ねてきており、スウェーデンで今もっとも注目されるピアニストのひとりとして知られる。

Joel Lyssarides – piano
Niklas Fernqvist – bass
Rasmus Blixt – drums

Joel Lyssarides - Stay Now
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