人類共通の文化“音楽”の原点に立ち返り、未来をめざす「Small Island Big Song」2nd

Small Island Big Song - Our Island

海を越えた人類共通の文化“音楽”を呼び起こすプロジェクト

2015年に台湾のプロデューサー・バオバオ・チェン(Bao Bao Chen)と、オーストラリアの音楽プロデューサー兼映画監督ティム・コール(Tim Cole)によって開始された、太平洋とインド洋の島々を横断的に音楽で繋いだプロジェクト、スモール・アイランド・ビッグ・ソング(Small Island Big Song)。東はイースター島から西はマダガスカルまで、16もの島国を音楽と歌で繋いだこの前例のない試みは『大海原のソングライン』と題されたドキュメンタリー映画として公開され、アルバム『Small Island Big Song』(2018年)も大きな話題となり、島々から集められた音楽家たちでワールドツアーも行われた。

映画『大海原のソングライン』(原題:『Small Island Big Song』)トレーラー。

この壮大なプロジェクトは1回限りのものかと思っていたが、どうやら違ったようだ。
海を越えて再び集結した彼らSmall Island Big Songは2022年1月、新たなアルバム『Our Island』をリリース。全人類に共通の文化である“音楽”をキーに、人々の心のルーツを解き明かしていく。

プロジェクトに参加したメンバーの出身はマダガスカル、マーシャル諸島、台湾、シンガポール、インドネシア、モーリシャス、バヌアツ、タヒチ、マレーシア、ソロモン諸島、パプアニューギニア、ハワイ、イースター島、オーストラリア、ニュージーランドと太平洋・インド洋に広がる。

彼らはそれぞれの土地に伝わる楽器を用い、それぞれの言語で歌う。遠く離れた地域でも、リズムやハーモニーは不思議と通じ合っている。唯一断絶されているのは言語による意思疎通だが、彼らの音楽を聴いていると、言語ですらあらゆる意思疎通の手段のうちのひとつでしかないと痛感させられる。

私たちが生きるなかでなぜ音楽が必要なのか……ここには、そのヒントがありそうだ。

(2)「Listwar Zanset」
(3)「Ta’u Tama」
Small Island Big Song - Our Island
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