アフリカ音楽に魅せられたフランス人ギタリストがマリのスターたちと作り上げた傑作『Yeko』

Yohann Le Ferrand Yeko

マリのスター達が勢揃い。Yohann Le Ferrand『Yeko』

アフリカ音楽をするフランスのギタリスト/作曲家/プロデューサー、ヨアン・ル・フェラン(Yohann Le Ferrand)が制作に10年以上を費やしてきた作品『Yeko』がEPとしてリリースされた。ジャンルに捉われずマリの様々なミュージシャンがクレジットされており、モダンなサウンドの中に伝統が織り込まれた驚くべき作品に仕上がっている。アルバムタイトルはマリやコートジボワールで話されるバンバリ語で「見方(the way of seeing)」を意味する。

マリの歌手ハイラ・アービー(Khaira Arby, 1959 – 2018)をフィーチュアした(1)「Yerna Fassè」は、モロッコのベンディールと呼ばれるフレームドラムのリズムにファンキー&ブルージーなギターやブラスが絡むダンサブルな楽曲で、いきなり本作が傑作であることを確信させる。

(1)「Yerna Fassè」

(2)「Doussoubaya」にはマリ政府から勲章も受賞しているという人気ラッパーのMylmoを迎え、アフロジャジーなHipHopに。

転じて(3)「Dunia」はガットギターの印象的なイントロに始まり、チェロやウドゥ・ドラムなどで温かなサウンドの中で柔らかな声質が魅力的な女性歌手アリマタ・ティナ・トラオレ(Salimata “Tina” Traoré)のインド的にも聴こえる歌が漂う。

(3)「Dunia」

続く(4)「Konya」を歌うのはサリフ・ケイタのバックヴォーカルなどで知られる女性歌手ママニ・ケイタ(Mamani Keita)。「ママニ」とは「おばあちゃん」を意味する渾名のようで、その通り包容力のある歌声が魅力的だ。

(4)「Konya」。サンドアートを組み入れたMVのセンスも素晴らしい。

(5)「Sauver」でフィーチュアされた男性歌手ココ・デンベレ(Koko Dembele)の歌声も大地に響くような力強さで素晴らしい。リズムは裏拍が強調され、アフリカ×レゲエのよう。

ラストの(6)「Yellema」にはコートジボワール出身のディーヴァ、キャンディ・ギラ(Kandy Guira)が登場。

今作の収録曲は6曲だが、類稀なセンスが随所に発揮された、素晴らしく濃密な内容が楽しめる傑作だ。

Yohann Le Ferrand プロフィール

独学のギタリストであるヨアン・ル・フェランは、様々なバンドでブルトンのステージに立つことでそのキャリアを開始した。フランス西部レンヌに到着してからジャズを学び、新しいアフロ・アメリカンの地平へ滑り出していった。

作曲家・編曲家として、数多くのプロジェクトやショーに参加し、国内以外のツアーにも参加している。好奇心旺盛な旅によって音楽的アイデンティティを育んでいったが、2012年にマリ共和国に降り立ったことが彼の音楽的インスピレーションにとって決定的なターニングポイントとなった。

Yohann Le Ferrand Yeko
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