アルフィオ・オリリオ新作はカヴァー中心のソロピアノ
フランスのピアニスト/作曲家、アルフィオ・オリリオ(Alfio Origlio)の 『Piano』は、その名の通り飾り気のない至高のソロピアノ作品だ。流麗で創造的なピアノ演奏が素晴らしいのはもちろん、選曲自体も非常に魅力的で、日々の生活にぴったりと寄り添ってくれる大切な音楽だ。
ポーランドの作曲家ブロニスワフ・カペルの(1)「Bronisław Kaper」に始まり、ルネサンス期の歌劇作曲家クラウディオ・モンテヴェルディによる(2)「Si dolce e’l tormento」、ジャズ巨匠ハービー・ハンコックの(3)「Textures」、フレンチポップの伊達男セルジュ・ゲンスブールの(4)「La javanaise」などなど幅広く素敵な曲ばかりがピックアップされている。
ビートルズの原曲を自由に解釈していく(7)「Norwegian Wood」、イタリアの歌手ボビー・ソロの美しいカヴァー(10)「Una lacrima sul viso」。
(8)「Come Back」と(12)「Nuna」はアルフィオ・オリリオのオリジナル。締めくくりは世界を慈しむように演奏される(13)「What a Wonderfull World」。
本作はパンデミック下で行った自宅でのライヴ演奏配信をきっかけに制作されたという。Facebookで配信された彼のソロは非常に好評を博し、ファンとの交流も促進されたため、それらのレパートリーをアルバムに収録するためにクラウドファンディングを実施。結果として、この親しみやすい上にジャズとしても優れた作品が世にリリースされることとなった。
Alfio Origlio プロフィール
アルフィオ・オリリオは1967年生まれ。父親はドラムス奏者のサルヴァトーレ・オリリオ(Salvatore Origlio)。アルフィオも幼少時から音楽に触れて育ち、17歳でプロのピアニストとしての活動を開始している。
これまでにフランス国内あるいは国際的なアーティストたちと多数共演。サリフ・ケイタ、マヌ・カチェ、グレゴリー・ポーター、ミシェル・ンデゲオチェロ、アンリ・サルバドール、ボビー・マクファーリン、アンドレ・チェッカレリ、ミシェル・ルグラン、クリス・ポッター、エリック・トラファズ、ダニエル・ユメール、スティングなど実績は枚挙に遑がない。
Alfio Origlio – piano