ショーロ特化型ピアニスト、エルクレス・ゴメス新譜は作曲家マルセロ・トゥピナンバ楽曲集

Hércules Gomes - Sarau Tupynambá

ショーロ黎明期の作曲家マルセロ・トゥピナンバの作品集

現代ブラジル屈指のショーロ・ピアニスト、エルクレス・ゴメス(Hércules Gomes)の新作EP『Sarau Tupynambá』は、ショーロ黎明期の作曲家マルセロ・トゥピナンバ(Marcello Tupynamba, 1889 – 1953)の作品集だ。全4曲とボリュームは物足りないものの、 ブラジルを代表するピアニストの一人となったエルクレス・ゴメスによる珠玉のショーロを楽しめる絶品となっている。

EPはエルクレス・ゴメスによるアレンジも多く取り入れられた(1)「Pierrot」に始まる。古典的ショーロの素朴な良さを活かしながら、随所に現代的なハーモニー感覚も織り交ぜた仕上がり。
軽快なリズムの(2)「Até a Vorta」は一瞬エルネスト・ナザレー(Ernesto Nazareth)の名曲「Brejeiro」のフレーズも引用したりと遊び心を覗かせる。

(2)「Até a Vorta」

(3)「Viola Cantadêra」も長調と短調を行き来する構成など、実に初期のショーロらしい1曲。エルクレス・ゴメスの指は軽やかに鍵盤を舞い、西洋クラシックとアフロ・ブラジリアンの見事な融合であるショーロの魅力を最大限に引き出す。

(3)「Viola Cantadêra」

エルクレス・ゴメスがマルセロ・トゥピナンバという作曲家を知ったのは、2014年に生誕125周年を祝うショーに招待されたときだったという。エルクレスはその時に初めてこの作曲家の曲を知り、そのブラジルの古典音楽らしいメロディックな譜面を見て驚いたという。彼は4曲のアレンジを書き、それはその後も現在まで彼のレパートリーとなっている。

ショーロのピアニスト、Hércules Gomes 略歴

エルクレス・ゴメスはエスピリトサント州都ヴィトーリアの生まれ。13歳で独学で音楽の研究を始め、カンピーナス州立大学(UNICAMP)のポピュラー音楽コースを卒業し、その後ブラジル国内のみならずキューバ、アルゼンチン、アメリカ合衆国などで演奏を行った。これまでにブラジル最大の器楽フェスティバル(MIMO)が主催する第1回MIMO器楽賞など数々の賞を受賞している。

特にヨーロッパのクラシックの影響を強く受けたブラジルの古典的なポピュラー音楽であるショーロに特化したピアニストとして知られており、2013年のデビュー作『Pianismo』などは高く評価されている。

Hércules Gomes – piano

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