ジャズという音楽の遊び場を最高のテクニックで体現するコロンビア出身鍵盤奏者、ヘスス・モリーナ

Jesus Molina - Agape

ヘスス・モリーナが多彩なゲストを迎え制作した『Agape』

コロンビア出身の鍵盤奏者ヘスス・モリーナ(Jesús Molina)の2019年作『Agape』は、複雑ながら聴きやすくキャッチーなコンポジションを得意とし、ピアノからシンセまで鍵盤上を自由に舞う彼の陽気な音楽性の魅力が詰まった作品だ。サウンドはスムースジャズやラテン寄りの現代的なジャズ。

フィーチュアされたミュージシャンも、マイク・スターン(Mike Stern, gt)、アントニオ・サンチェス(Antonio Sanchez, ds)、ランディ・ブレッカー(Randy Brecker, tp)、エリック・マリエンサル(Eric Marienthal, sax)、レオナルド・アムエド(Leo Amuedo)といった大物から、チャド・レフコウィッツ=ブラウン(Chad Lefkowitz-Brown, sax)、齋藤大陽(Masaaki Saito, b)、ガイ・バーンフェルド(Guy Bernfeld, b)といったベテランから若手の注目株まで国籍を超えて素晴らしいジャズアーティストが集う。

(2)「Saviour」

様々な文化が集まり呼応しあう米国を中心として、ますます発展する現代ジャズの面白さをテクニカルかつアーティスティックに体現。音楽を遊び場にするミュージシャンたちの最高の現場を感じることができる。
全体的にアンサンブルが主体で楽しいアルバムだが、そんな中で完全にヘスス・モリーナのピアノのみで演奏される(6)「Kadoshin」ではソロならではの美しい抒情性も顔を覗かせる。

(3)「Agape」

Jesús Molina 略歴

ヘスス・モリーナは1996年コロンビア北西部、スクレ州都シンセレホ生まれ。12歳でサックスを始め、15歳からはピアノに集中。2014年頃から様々なジャズフェスティヴァルに出場し脚光を浴びると、2016年にはラテン・グラミー文化財団から奨学金を授与され、米国のバークリー音楽大学で学んだ。
2017年にフルアルバム『For You』をリリース。

Jesus Molina - Agape
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